野生化に磨きのかかる恋人。
恋人は、このごろめちゃくちゃに働いている。
人気絶頂アイドル並みのいそがしさだ。
帰ってくると、目だけがぎょろりとしていて、
頬は、げっそりとこけている。
見るからにかわいそうな状態なのだが、
わたしには、どうすることもできない。
先日も、疲れ切って帰ってきて、
ごはんを食べたあとは、ぐったりしていた。
しばらくして、歯をみがこうと思ったらしいのだが、
「歩くのがめんどくさい」
と言い出し、
なんと、匍匐前進を始めた。
床をはいずりまわっている。
…そこまで動物っぽくなってしまいましたか…。
二足歩行を放棄したら、
きみは本当になまけものになってしまうよ。
でも、疲れてるから、仕方ないか。
いや、仕方なくもないか。
とりあえず、わたしが言えたのは、
「床がきれいになるから、よかったよ」
というどうしようもない一言だけだった。
だって、ほかに、なんて言ったらいいんだろう。
本人はわりとたのしそうにはしゃぎながら這い回っていたから、
これが単なるひとりあそびの一種ならよいのだけれど、
本当に歩くのを放棄したら、わたしの手には負えません。
早く人間らしい生活に戻っていただきたい。
- 関連記事
-
- それは、おやつの名前ですね。 (2008/07/17)
- まだらの恋人。 (2008/07/14)
- 野生化に磨きのかかる恋人。 (2008/07/10)
- ジャングルさんのリクエスト。 (2008/07/05)
- みろる。 (2008/07/01)