松尾スズキ「クワイエットルームへようこそ」
映画ではなく、本を読んだのです。
ものすごーい勢いと、ものすごーいスピード感のある文体でした。
「男!」ってかんじの本でした。
主人公は女なんだけどさ。
クワイエットルーム、とは、
心を病んだひとたちが入るとある病院の、
いちばん手に負えないひとが入る部屋、とのこと。
この物語のなかだけでそう呼ばれるのか、
一般的にそう呼ばれているのかは、わからないのだけれど。
主人公は、オーバードーズで大変なことになって、
救急車で運ばれ、ある病院へ運ばれる。
そこでは、いろんな症状の女性たちがいるのだが、
みなひとくせもふたくせもあるひとたちばかりなのです。
いろんなひとがいて、
いろんなドラマを持ってて、
いろんな生き様があって、
でも、みんな一生懸命に生きてるの。
ふつうじゃないかもしれないけど、
でも、一生懸命生きてるんです。
ストーリーだけを見ると、なかなかに悲惨なのだけれど、
読ませるところはしっかりと引き込みつつも、
常に笑いを忘れないセンスは、さすが、と思いました。
読んでて、にやり、としてしまう表現がたくさんありました。
原作者の松尾スズキは、この映画の監督もしています。
予告編を見てみたのですが、全然雰囲気ちがってました。
別ものとしてみたほうがよさそうです。
確かに、原作の明日香を内田有紀が演じるのは、つらいだろう。
いろんな意味で…。
いろんな描写が直接的で、引いてしまう部分もあったな。
もっときれいな文章がすき。
やっぱり男性作家の本がちょっと苦手。
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