ジャングルさんのきゅうり。
家に帰ってくると、頭痛におそわれ、
何もする気がおきなくて、ごろごろしていたら、
恋人が帰ってきた。
「どうする?ごはんつくろうか?」
と言ってくれたけれど、
ボンカレーをみつけて、飛びついた。
その瞬間にその日のばんごはんは、ボンカレーに決定した。
そこには、わたしの意志をはさむ余地はなかった。
恋人は、カレーとハンバーグと麻婆豆腐に弱い。
これら3つの食べ物のためなら、何でもする。
麻婆豆腐は特にすきで、
以前、わたしが抜き打ちで作ったとき、
恋人は、
「やったー」
とよろこび、全裸になって、
脱いだぱんつを振り回しながらはしゃいで踊っていたら、
ぱんつがフライパンにひっかかり、
麻婆豆腐すべてをひっくり返し、
食べられなくしてしまったほどだ。
麻婆豆腐を作ると必ず思い出す、
わたしと恋人の悲しく愚かな思い出。
さて。
そんな思い出を乗り越えた恋人は、すこし大人になったので、
落ち着いてボンカレーをあたためることができ、
無事に食事は終了した。
ボンカレー後、恋人は冷蔵庫を物色し、
きゅうりを取り出した。
「これたべていい?」
と言うので、いいよと答えたら、
そのままで、食べ始めました。
それは、どういうポジションなんだろうか。
デザート?サラダ?それとも前菜??
かりり、ぽりり、と、おいしそうな音をたてて食べてる。
まるでうさぎのよう。
「食べる?」
と言われたので、かぷり、と一口食べてみた。
歯ごたえがあっておいしいけれど、
顎関節症を発症して口が開かないわたしには、
なかなか手ごわい食べ物でした。
口があかないって、不便です。
すこし切なくなったわたしにむかって、ジャングルさんのひとこと。
「ね?気持ちいいでしょ?」
え、何が??
歯ごたえ?それとも、みずみずしさ?
「シャキィッつって、ボリィッつって、一本まんま食べれるとこ。」
ですって。
テンポいいっすね。
きゅうりが気持ちいい、っていう表現ははじめてでしたので、
新鮮でした。
たまにジャングルさんは詩人になるようです。
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