恋人なりの、いたれりつくせり。
がっつり恋人に怒った次の日の月曜、
わたしは用があって、栄におでかけしました。
小説を買い込み、ケーキと紅茶をいただいて、
パンプスを買い、
「今度こそ、靴を臭くならないようにしなくては」
という決意をこめて、脱臭剤も買いました。
(1年ではきつぶしたコンバースは、恐るべし香りでした)
我ながら、なかなか充実したアフターファイヴでした。
そのころ、恋人は、仕事から帰ってきて、
わたしのいないお家でひとりです。
いつもは、6時半には帰ってくるはずなのに、
10時になっても帰ってこない。
しかも、前日まで、わたしは彼に対して、ぶちきれていたのです。
「もしかしたら、このまま帰ってこないのかも。」
と思ったらしい。
恋人は、せっせと働きました。
洗い物を片付け、
ばんごはんをつくり、
大量に買ってきたねぎを、刻んで冷凍保存してくれていました。
さんざんあそんで帰ってきたら、
ジャングルさんは、心底安心した顔をしました。
そして、
「きっと、あいつ、まだ怒ってる。
いまのところは気ィつかっとかないと」
という心理状況がありありと見てとれる営業用ハニカミで、
いろいろとわたしに気を使い始めた。
「あつい??
いま、エアコンつけてあげるね」
と、気をきかせてみたジャングルさんは、
テレビのリモコンを手に取り、エアコンに向けて「ぴぴぴ」。
「あれ?」
と言って、ふしぎがってましたが、
もちろん、エアコンは動くはずもなく。
そうか、この天然もサービスのひとつなのですね。
ばんごはんも終わり、テーブルをふき、
翌日の弁当の準備も手伝ってくれた。
そして、最後は、わたしのストレッチにもつきあってくれた。
いつもはわたしが誘っても、まったく動かなかったのに。
腰が痛いというので、ヨガのハトのポーズをさせてみた。
ものすごくかたいけど、なんとかできた。
「よし、おわり。腰が伸びたでしょ?」
ときくと、
恋人は、その状態のまま、ぷるぷるふるえながら
「と、とれない…」
と言った。
アナタ、自分のからだでしょ?
自分で自分にからまってどうするの。
ほっとこうかと思ったけど、
そのまま体がおかしくなっても困るから、
「手を離せばいいんだよ」
とおしえてあげたら、
「あっ、とれたー」
だってさ。
ジャングルさんにはヨガは高等技術だったか…。
というわけで、いろいろわたしのきげんをとろうとがんばりつつも、
やっぱりジャングルさんは、空回りつづけていた。
「からまわっている状態こそが、ジャングルさんの真骨頂なのだ、
ブログのネタになるんだし」
と、自分に言い聞かせて、無理やり納得することにしました。
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