瀬尾まいこ 「天国はまだ遠く」。
前から気になっていた瀬尾まいこ、というひとの本。
いい意味で、ふつーーうの小説でした。
シンプルこのうえない。
何も考えずに読めるし、
つめこまれているメッセージがとても前向きなので、
疲れているときにはいいかも。
主人公の千鶴は、生活にも、仕事にも疲れきり、
自殺を決意します。
とてーも山奥の民宿にたどりつき、
睡眠薬を服用するのですが、死にません。
自然にかこまれながら、自分自身を取り戻していく、
という、とてもシンプルなストーリー。
人が殺されたり、死んだりせず、
男女がすきだとかきらいとか言ったりせず、
淡々と物語が進んでいく、
というところが、とても気に入った。
それに、おおげさな山場がなくとも、
主人公は、徐々に、すこしづつ元気になっていって、
人間は、本来こういうふうに楽観的かつ図太い生き物なんだよな、
と納得させられてしまいます。
強く、まっすぐ生きていくには、
どんな場所にも対応しうる柔軟性、順応性がいちばん大事なのかも。
そう思ったら、
自分の頭のカタさを、なんとかしなくては、
と、新たな人生の課題を発見できた物語でした。
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