いしいしんじ 「東京夜話」
先日、本山に行ったついでに、池下に寄り、
BOOK OFFで、いろいろな読み物を調達してきた。
家には、50~60冊のおきにいり文庫があるのだけれど、
しばらーく本を買っていなかったので、
それらのほとんどを読みあきてしまっていたこともあり、
あたらしい作家さんばかりを購入。
そのうちのひとつが、「いしいしんじ」。
彼の初期の短編集をみつけた。
東京を舞台にした短編がおさめられている。
そんなに東京にくわしいわけではないけれど、
それなりにあそびに行っていたので、
なんとなく、雰囲気はつかむことができた。
このひとの文体は、テンポがよく、簡潔で、
えらぶことばが、とてもいい。
読み始めてすぐに、気に入った。
それぞれのお話のタイトルが、とてもたのしい。
「ベガ星人はアップルパイが得意なの」
「魚のおろし方を学ぶ速度で」
など、タイトルからは、ストーリーの意図がまったくつかめない。
でも、そこがいい。
このひとの文章は、とにかくおもしろい。
「興味深い」という意味の「おもしろい」、ではなく、
「笑える」という意味の「おもしろい」なのだ。
電車のなかで、思わず笑ってしまったりした。
いちばん笑えたのは、
「クラブ化する日本~その中心部をめぐる一考察」
というもの。
フランスの雑誌「ヴァンテリー」に掲載された、
マーク・マンソンジュ氏の日本についてのレポートを、
いしいしんじが訳した、と書いてある。
初めは、本当なのかと思っていたけれど、
読んでいくうちに、あー、これも設定のひとつなんだ、
とわかる。
とにかくこれはおもしろかった。
文章の途中に註釈がついており、
それがさらに笑いを誘う。
小説で、こんなに笑えるなんて、すばらしい。
今度は短編でなく、長編も読んでみたい。
このひとの本は、みつけたら買う、と決めました。
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