ABSOLUTE LIFE

すてきなものにかこまれ、すてきな音楽をきき、すてきなものをたくさん見ることが、心のビタミン補給です。
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かっこ悪い恋人。

シャンパンランチで、はしゃいだあと、
わたしたちはお互いのプレゼントを買いに、
お買い物に出かけた。

わたしも、そして、恋人も、
「もの」に対してかなりのこだわりがあるので、
お互いのプレゼントはたいていいっしょに選んで買う。
そのほうが、確実だからだ。
わたしたちに、サプライズは必要ない。

恋人の希望していたプレゼントは、ピアス。
彼は、しばらくピアスをしていなかったので、
「穴、ふさがっちゃったんじゃないの?」
ときくと、彼は、
「だいじょうぶ。
 こないだ針さしたら、通ったから。」
と、さらりと恐ろしいことを言っていた。

カップルだらけでごったがえすロフトとパルコとラシックをめぐるが、
彼の気に入るシンプルで小ぶりなものは、なかなかない。
栄をぐるぐるとまわり、
最後にみつけたメンズのアクセサリーショップで、
ちょうどよいものをみつけたので、お買い上げ。
シンプルなシルバーのピアスだが、
中央にピンクゴールドのラインが入っていて、
なかなかにかわいいのです。

わたしの希望していたプレゼントは、ゴールドのお財布。
財布は常に、ゴールドの長財布って、決めてるんです、
美輪明宏がそう言っていたから。
ここのところ、美輪明宏が人気を博し、
街でもゴールド財布人口は増加中なので、
店頭にもゴールド財布が多くなってきましたが、
どぎつすぎたり、ぶ厚かったり、
なかなかちょうどいいものがなかった。

恋人とお買い物に行く前に、めぼしいものを下見しておくため、
名古屋中心部のデパートや、
財布を扱いそうなアパレルショップなどを多々めぐった結果、
名古屋駅の松坂屋の財布売場がいちばん品揃えが多く、
すてきなゴールドのお財布がみつかった。

PICT0006.jpg

上品なきらきら具合、シンプルなデザイン、
スリムなかたち、お手ごろなお値段。
完璧だ。
発見した当日、在庫を確認すると、残り3こ。
苦労してみつけた財布なのだから、
がっかりすることのないよう、25日まで取り置きをお願いしていた。

カフェで休憩してから、
名古屋駅の松坂屋へ向かうことにした。
すてきカフェで、ココアとコーヒーを飲みながら、
お財布の取り置き票を恋人に見せると、
恋人は
「財布、12000円なの?
 おれ、一万円しか持ってないよ」
と言う。

……。

聞けば、てっきり一万円だと思い込み、
それ以外のお金はすべて使い切ったのだと言う。
確かに
「一万円台のお財布をさがしている」
とは言っていたが、
「一万円ぴったし」
とは言っていなかったはずだ。

それに、彼はいつもお金の使い方がヘタで、
給料日前にお金が足りなくなるので、
いっしょになって、お金の計画書を作ったというのに、
そこで、1万円はあまるように計画を立てたというのに、
また給料日前にすっからかんになった、と言うのだ。

わたしはキレた。

誕生日プレゼントを買ってもらうために、
お金を貸さなくちゃいけないなんて、
あまりにもひどすぎる。

「プレゼントを買ってもらえるだけでもありがたい」
と思わなくちゃいけないのはわかっていたし、
恋人がけちじゃないことも知っている。
ただ、これは、金銭的な問題ではなく、
恋人の「男レベル」の問題なのだ。
「あんた、かっこ悪すぎる」
と、なじらずにはいられなかった。

確かにわたしたちはおなじお家に住んでいるし、
つきあいたてでもないので、
お互いにたくさん油断している部分はある。
それにしても、というか、だからこそ、
特別な日くらいは、ちゃんとしてほしいのだ。

もし、わたしたちのつきあいがまだ浅かったのなら、
恋人はそんなふうに適当じゃなかっただろうと思う。
恋人の浅はかさは、
明らかに、わたしに慣れきっている証拠だった。
それは、わたしをとてもがっかりさせ、悲しくさせた。
そうやって油断した時間が何年間も蓄積されて、
お互いが空気みたいな存在になるのを避けて通れないのなら、
気を使い合うことができなくなるのなら、
わたしは一生結婚なんてしたくない。

結局、恋人はわたしに平謝りし、
なんとか財布を買ってくれ、
「来月、また有給とって、
 おれがすてきなおでかけを企画するから」
と言ってきげんをとってくれようとしたが、
そういう問題じゃないのだ。
わたしは筋の通らないことは大嫌いなのだ。
この日感じた情けなさは、もう消えない。

恋人に対して、怒ったり、がっかりしたりすることが、
今までとてもすくなかったので、
こういうとき、どうしたらいいのかわからなくなる。
不安の埋め方がわからないまま、
恋人は北海道に帰っていき、
わたしは名古屋に取り残されたのでした。

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2 Comments

sano says..."うむ"
おや、なにやら穏やかじゃないねぇ・・・。

彼のそうゆうのんびりな所はいいところなんだが、今回は悪い方向に働いた様で・・・。一万円ちょうどしか持っていなかった彼の姿を容易に想像できるのでなんとも言えないが、とりあえず正月に会ったらガツンと言っておきますので奴がそっちに戻ったら暖かく出迎えてやってください。

理解しあえばわだかまりも清らかな水のごとく。って事で。思いの全てをぶつける様な話し合いもたまには良いんでないかい?
2007.12.31 09:32 | URL | #- [edit]
うさぎ says...""
奴は、がつんと言われたところで、
びくともしなさそうだからな。
戻ってきたら、どうしてやろうか。
ここは愛知県なので、
家出しようにもなかなかむずかしいです。
もしここが北海道だったら、
即、家出ですけど。

わたしは常に思いのすべてをぶつけているので、
いまさら話し合う余地はありません。
むこうがどう思ってるかは、知らないけど。
2007.12.31 22:56 | URL | #1jxB54a6 [edit]

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