つぶれる恋人。
わたしはよっぱらいがきらいだ。
「苦手」などのレベルでなく、「嫌悪」している。
ほろ酔いで、ごきげんになるのはかまわない。
むしろいいことだと思っている。
でも、よっぱらっていることをいいことに、
暴言をはいたり、暴挙に出たりするのは言語道断であるし、
酒に飲まれてぶっつぶれて、制御不能になってる奴なんて、
宇宙に放り出したくなる。
こういう思考にたどりついてしまった最も大きな要因は、
わたしの家族に酒飲みがいなかったから、
免疫がない、ということである。
第二の要因は、大学入学ほやほやのころ、
べろんべろんに酔っ払った女の子を見て、
カルチャーショックを受けたこと。
大勢の前で醜態を晒しながらも、翌日けろりとしている彼女を、
まったく信じられないと思った。
わたしもそりゃあ、よっぱらうことはあるけれど、
人前でリバースしたり、帰れなくなって迷惑かけたり、なんて、
したことはないつもりだ。
ちゃんと理性が働いてセーブする。
(理性がぶっとんだふりをしたことはありましたが。)
何より、他人に迷惑をかけてまで、酒を飲みたいと思わない。
しかし。
酒にがっぷり飲まれる奴が超身近にいる。
我が家のペット兼恋人だ。
昨冬、京都に行ったときにも、酒に飲まれまくっていたのだが、
懲りずに昨日もやってくれた。
彼はめずらしく、こっちの友人と飲みに行くという。
夜遅く、いってらっしゃーいと見送って、わたしは眠りについた。
これもマーフィー効果なのかもしれないが、
わたしはまたしてもいい夢を見ていた。
なんと、Diggyに、ひざまくらをしてあげていたのだーーー。
(もちろんDiggyはキャップ着用。よそよそしさが残る…)
あー、正夢になってほしい。本当にひざまくらしてあげたい。
わたしのふとももは、肉づきがよく、やわらかいぜ。
チュゥとかじゃなくて、ひざまくらってとこが奥ゆかしいわたし。
なーんてうっとりと目が覚めたら朝になっていた。
部屋には、恋人の姿はなかった。
なんだ、奴は朝帰りか?
それならいいけど、もし帰ってこられなくなってたら困るな、
と思い、一応メールをしてみる。
「おい、生きてるか。」
すると、部屋の扉の向こう側で、ぶー、ぶー、という音がする。
もしや、と思いながらもトイレに行ってみると、
便座につっぷした恋人を発見。
最悪。
とりあえず、茶を飲ませるが、起動不能。
せっかくあげた茶を床にぶちまける始末。
そのまま部屋まで引きずるようにつれていき、
フラットにリクライニングした座椅子に寝かせる。
だって、布団に寝かせるのは危険だったんだもの。
予想通り、数十秒後、奴は奇声をあげながらダッシュで便座に走った。
あの声が部屋に響き渡る。
そんな声を聞きながら眠れるわけがない。
…最高の夢からさめた直後に、最悪な現実へ引き戻され、
わたしは不機嫌度MAX!!
体調が悪いなら心配するし、助けてあげたいと思うけど、
酒に飲まれてるのは自業自得ですから。放置ですよ。
知らん振りですよ。
さて。
仕事から帰ってきて、「全ペ連国際会議」ですよ。
(きみはペット読んでるひとじゃないと、わからないですね…)
わたしはミサイルのごとく不満を発射したが、
恋人は、ただひたすら平謝りだー。
これじゃ会議にならん。
とりあえず、リバースの状況をわたしに見せなければいい、
ということになり、
「つぶれるのなら、家に帰ってくんな」
という約束をした。
そして、
「将来、リバース専用の寝室と、リバース専用トイレを設けた家を作る。
そしたら、つぶれても帰ってきていい。」
ということになった。
よし、それまではがまんしてやるか。
今回の罰として、2時間の肩こり解消マッサージを命じたのだが、
奴はもうすでに眠りこけている。
反省してないな。
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