ABSOLUTE LIFE

すてきなものにかこまれ、すてきな音楽をきき、すてきなものをたくさん見ることが、心のビタミン補給です。
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川上弘美「センセイの鞄」

蛇を踏む」は理解できなかったけれど、これは、とってもいい本でした。
本当にすてきな物語でした。
かなり気に入りました。



ツキコは、37歳の女性。
いきつけの店で、高校時代の国語の教師だったセンセイと会う。
その後もつかず離れずの距離を保っていく二人ですが、
ツキコの気持ちは、だんだん変化していくのです。

ツキコさんとセンセイの関係を、とてもいい!と思いました。
おたがいを包んでいる空気感や波長が合う、というのが、
もっとも理想的な関係だと思うからです。
ふたりとも、いつまでも、どこまでも自然体でした。

ふたりのいろんなエピソードが、短編集のように綴られていくのですが、
それぞれのタイトルもとってもすてきでした。
センセイが突然ひよこを買ってしまう「ひよこ」、
センセイがパチンコに黙々と挑む「ラッキーチャンス」、
などなど、ふつうの日常の何気ない一コマずつが、
ゆったりと、やわらかく流れていて、読んでいて癒されます。

初めからおわりまで、淡々と描かれていて、
かなりあっさりしてますが、
それでも、さいごの方は、ちょっとうるっとしてしまいました。
何度も読み返したくなる本でした。

この作品、実はドラマ化されていて、
ツキコさんは、小泉今日子、センセイは、柄本明が演じています。
とても好評だったようで、DVD化もされていますね。
見てみようかしら。



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2 Comments

ずず says..."私も、"
最近この本を読みましたが、すぐに気に入ってしまいました。
センセイとツキコさんの関係がとてもいいですね。
川上さん独特の古風な文体とセンセイのキャラが似合っていて、
楽しく読めました。
最後は、なんとなく予想はついていたのですが、
やはりうるっときてしまいました。
私もきっと何度も読むと思います。

DVDもでているのですね。
探してみます。
2007.06.20 19:54 | URL | #- [edit]
うさぎ says...""
いいですよねーーーー、これーーーー。
ずずさんに川上弘美をおしえてもらって、
本当によかったなーと思いながら読んでいました。

わたしは、
「まさかー、こうなって、こうなったりするんじゃ、
オチがべたべただから、
きっとひねってくるのよね?」
と思っていたので、
逆にいい意味で裏切られ、新鮮に感じました。

ドラマ版も、すごく評価が高かったみたいで、
なんかの賞をとったと書いてあったような気がします。
ぜひさがしてみてくださいね。
2007.06.21 00:05 | URL | #1jxB54a6 [edit]

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