イラク日本人人質事件の犯行声明。
イラクで人質として拉致された香田さんが殺害され、
その犯行声明が出された。
わたしも物好きだとは思うのだけれど、
その声明で犯人たちが何を言いたかったのか、
どうしても気になってしまったので、「2ちゃんねる」をのぞいてしまった。
ほんとうにひどかった。
なかには、香田さんを悼むメッセージももちろんあったけれど、
それと同じくらいに心ない書き込みも多くって、
その映像を見ても、何の痛みも感じないひとがいることを知って、
わたしはあまりのことに驚いた。
わたしは小心者なので、決してその映像は見ていない。
ホラー映画でさえこわくて見られないのだから、
本気の殺人現場なんて、見たら卒倒に決まってる。
わたしと同じように小心者で映像を見られないひとたちのために、
親切なひとたちは、その内容を詳しく記述していたのだけれど、
残酷で、ひどくて、わたしは思いっきりショックを受けた。
いままでは、香田さんがイラク入りしたことについて、
無防備で日本にとって迷惑極まりない行為で、
自業自得であるとおもっていたのだけれど、
そんな考えはいっぺんに吹っ飛んだ。
どういう理由にせよ、ひとの命というものがあんなに
(といっても見ていないけれど)
軽々しく奪われるなんて、あっていいことなのか、
と激しい憤りを覚えるとともに、
心底気持ち悪くなり、眠れなくなり、友人に助けを呼んだ。
どうしてそんな映像を見ても平気でいられるひとがいるんだろう、
とか、
そして、いくら国民性が違うとは言え、
こんなに残酷なことができる犯人は、
いったいどうしてそこまで追い込まれてしまったんだろう、
とか、
そういうことを考えていたら、
自分があまりにもしあわせに生きてきたことを知った。
友人にこのことを話すと、友人もその声明の内容を知っていて、
しかも、高校生の弟の携帯電話にその映像が転送されてきて、
弟は授業中にその映像を見たらしい。
ありえない。信じられない。
インターネットはとても便利だけれど、
誰でもこんな残虐な映像を見られる時代になってしまって、
それが冷徹な人間を量産する原因になっているのかと思うと、
すごく悲しく、切なく、胸が痛くなった。
それでも。
香田さんの両親が何度もコメントを発表しているけれど、
そこにはいつも周囲に配慮した言葉がそえられていて、
立派だなあ、と思った。
自分の家族がこんな状態になってしまって、
コメントすることすら辛い状況であるだろうに、
まわりへの気遣いを忘れないなんて、ものすごく人間ができている。
立派だ。
両親の立派さは、より多くのひとの心を動かしたに違いない。
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