ABSOLUTE LIFE

すてきなものにかこまれ、すてきな音楽をきき、すてきなものをたくさん見ることが、心のビタミン補給です。
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江國香織「落下する夕方」

「きらきらひかる」を読んで、あまりにもよかったので、
こちらも、あっという間に読破。



これもかなりすきな本。
だれだって、必ず華子にあこがれを抱かずにはいられないでしょ。
正しい重さでひびく声と、天性のセクシィさ。
性別を問わず、誰もを魅了する自由さ。
わたしも華子になりたいー。
このブログに来てくれた華子さんも、
確かこのひとから名前をとったのよね?
気持ちはわかる。
わたしは華子になりたい。

梨果の健吾に対する切ないほどの愛情には、とても共感できました。
女はたいてい、一度すきになったひとのことは、
ずーっとそのまますきでいてしまうのです。
どんなにひどいことをされたとしても、
心のなかから、そのひとの居場所を消すことができないのです。
だから、たとえ、健吾が華子にめろめろだったとしても、
そんなことは関係ないのだ。
無条件に、健吾の居場所はなくならないから。

だから、許せないのは健吾。
やさしい、ということや、誠実である、ということは、
実は「残酷であること」と紙一重だ。
健吾のやさしさや誠実さは、相手を突き落とすようなやさしさで、
それは決して美しくない。

この本、というか、江國香織の作品のすべてのせりふがすきですが、
直人くんの
「男と女が恋人同士になる秘密」
が、いちばんすきな部分です。

「男も女も、ここ一番ってときに、
 相手に向かってフェロモンをばばばばっとだしてさ、
 それで恋人同士になるんだ」

別に恋人をたくさん作りたいわけではないのですが、
この部分を読んで以来、
「フェロモンを自由自在にコントロールできるようにならなくちゃ。」
と思うようになりました。
まあ、実際のところ、フェロモンを出す機会に恵まれず、
コントロール可能なのかどうかもわからないんですが。

ちなみに、この作品は大昔に映画化されました。



りかさんは原田知世、健吾は渡部篤郎。
すごくぴったりのキャスティングでした。
でも、華子は、菅野美穂が演じていて、ちょっとイメージとちがうー。
ちなみに、劇中で、菅野美穂が
ボニィちゃんの「Heaven's Kitchen」をきいてます。
なかなかすてきな映画でしたよ。
原作を読んだけど、映画はまだ、という方は、ぜひおためしあれ。

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