ABSOLUTE LIFE

すてきなものにかこまれ、すてきな音楽をきき、すてきなものをたくさん見ることが、心のビタミン補給です。
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むかしばなし。

今日はとってもよっぱらっているので、
あまり話したことのない昔話をしましょう。
わたしと、恋人のことを知っているひとじゃないと、
おもしろくないと思うけど。

それは、いまから3年ほど前のこと。
わたしは会社の同僚のY氏と、毎日いっしょにあそんでしました。
2人とも、恋人がいなくて、ともだちもいなくて、
お互いに、ひまつぶしにいちばん都合のいい相手だったのです。
でも、つきあう気には全然なれなくて、それは、Y氏も同じでした。

その頃、わたしには、半年くらいすきなひとがいませんでした。
大人になってからは、それまでずっと、途切れることなく
誰かしらかまってくれるおとこのひとがいたので、
ひとりでいることに耐えられず、遊び歩いていました。

ある日、ともだちのchinaxといっしょに、
すすきののクラブに、なんぱされに行きました。
思惑どおり、何人もの男のひとたちが声をかけてきました。
いまいち話が盛り上がらないなー、と思っていたころ、
かんじのいいおぢさんになんぱされました。
そのひとの名前を、仮にA氏としましょう。

A氏は、おそらく30代後半でした。
そして、
「こんどみんなで海にあそびにいこうよー」
というお誘いがありました。
なんでも、彼は海の家に知り合いがいて、
いつもそこに大勢で集まり、サーフィンをしているのだとか。
もしかしたら、そこでいいひといるかもしれないし、
という下心がはたらき、電話番号とメールアドレスを交換しました。

後日、わたしとchinaxとA氏で、海であそぶことになりました。
海辺でお酒を飲み、お話をして、海の家のひとともなかよくなりました。

さて、帰りましょう、ということになったのですが、
chinaxは車で来ていたので、車で帰ることになり、
わたしはA氏の車で送ってもらうことになりました。
A氏は、とてもきちんとしているひとだったので、
おそわれるかもしれない、というような心配はしていませんでしたが、
まっすぐ帰してくれることはないだろう、とは思っていました。
どうやら本気で気に入られてしまったらしく、
それは海の家のひとにも太鼓判を押されてしまい、
確信せざるを得ない状況に追い込まれていました。

案の定、
「景色のいいところがあるんだよ」
といわれて、山奥に連れていかれました。
そこは確かに景色のよいところでした。
そして、そのひとはわたしに対しておおげさな愛の告白を始めました。
「いままでこんなにだいじにしたいと思ったひとは、はじめてだ」
みたいなことを言っていましたが、
そのひとに会ったのは2度目なのです。
彼の言っていることが本当かどうかはどうでもよいことで、
会ってからまだ日が浅いのにも関わらず、そんなことを言う彼に対し、
わたしはかなりうんざりしてしまいました。

恐らく彼は、情熱的な愛の告白をしている自分自身に酔っていたのでしょう。
うんざりしたわたしの横で、さらに自分の恋愛論を語っていました。
わたしはきれいごとばかりを言う彼に対して、
「人の感情は完全にコントロールできるものではないのだから、
 浮気は仕方のないことだ」
みたいな反論をしました。
すると、彼のなかで確立されていたわたしのイメージがこわれたらしく、
A氏はわたしに対して説教を始めました。
それはあまりにも長いものでした。
わたしはA氏にうんざりしすぎていて
「早く帰りたい」
と訴えることすら忘れていました。

そのあいだ、考えていたことは、
「この男から解放されたら、
 絶対Y氏を呼び出して、連れまわしてやるーーー」
ということばかりでした。

Y氏なら、こんなふうに自分の考えを一方的に押し付けることはしないし、
いろんなものに対する価値観はだいたい似ているし、
わたしの話をいつまでもいつまでも聞き続けてくれるし、
どこでもすきなところに連れて行ってくれるからです。

長時間の説教をくらった後、やっとのことで解放されたわたしは、
もちろんY氏に電話をしました。
そして、いっしょにお祭に行きました。
お祭のにぎやかな雰囲気のなかを歩きながら、
わたしはひたすらA氏にうんざりしたことをぐちっていました。
いや、恐らく、それは、「愚痴」なんてかわいらしいものではなく、
わたしのなかに鬱積した膨大な嫌悪感で、
その発散は、ほとんと言葉の暴力と言っても過言ではないほどに、
毒々しいものであったと思います。

わたしがあまりにもA氏をめためたに言っていたので、
Y氏は完全にひいていました。
でも、どうしてもとめることができませんでした。
Y氏は、何度も
「ひでー、その男がかわいそうだー」
と引きながらも、いつまでもわたしの話をきいてくれていました。
それ以来、Y氏に完全に心を許すようになりました。

そのY氏がいまの恋人です。
周りのひとに
「つきあえば」
と言われつづけても、まったくそんな気になれなかったのですが、
人の心は浮き雲のごとく予測不可能なものです。
まさかこんなに長いつきあいになるとは思ってもみませんでした。

この3年間、みんなに
「なんでつきあいはじめたの?」
ときかれることが多かったのですが、そういうことです。
自分でもよくわからなかったのですが、
A氏のおかげだったんだなー、と、突然思い出しました。

わたしのくだらない過去の話を最後まで読んでいただき、
どうもありがとうございました。

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2 Comments

Uexx says..."へぇ~"
そんな馴れ初めがあったんですね。
初耳ですわ!!
うさぎさんとY氏はナイスカップルだと思いますよ!
2007.06.15 15:09 | URL | #- [edit]
うさぎ says..."よく"
「なんでつきあいはじめたの?」
ときかれることが多かったんですよ。
自分でもよくわからなかったのですが、
こういうことだったらしいです。

いやーなひとと会うことも、
ある意味自分を見つめなおすことができるので、
価値はあるのかもしれませんね。
2007.06.15 19:16 | URL | #1jxB54a6 [edit]

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