ABSOLUTE LIFE

すてきなものにかこまれ、すてきな音楽をきき、すてきなものをたくさん見ることが、心のビタミン補給です。
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江國香織 「きらきらひかる」

江國香織の本のなかでも、かなりすきな本。



睦月は、お医者さんで、とてもやさしくて、男性を愛している。
笑子は、お酒を飲まずにはいられなくて、とても情緒不安定。
こんな2人の結婚生活。
お互いの視点から描かれた生活は、
やさしく、愛情に満ち溢れているけれど、不安定で、痛々しい。

睦月の冷静さとやさしさにあこがれるし、
紺くんの自由奔放なところにもあこがれる。
笑子のまっすぐな愛情にもあこがれる。

男にとって、「寛容さ」は美徳である、
とわたしは思っている。
それはきっと、このひとの本に影響を受けているからなのだろうとも思う。
女は多少わがままでもかわいらしく見えるが、
わがままな男や、すぐに怒る男なんて、価値がない、
とわたしは思っている。

だからわたしはいつも、恋人を試す。
無意味に恋人をふりまわしてみるのだが、
彼は何をやってもびくともしないので、
結果的にわたしがひとりでふりまわっていることになる。
恋人の世界はブラックホールの如く、無限に深くて、不可解だ。

わたしは、ひとをすきになるのに性別は関係ないと思ってる。
自分自身も、大昔、女の子にときめいたことがあるので、
理解できないこともない。
(ときめいただけで、そこから先はなかったのが残念ですが。)
睦月と紺くんのふたりのエピソードを読んでいくうちに、
「男だから(女だから)すきになる」
「年上だから(年下だから)すきになる」
というような、相手のカテゴリーを限定することのほうが
不自然であるような気がしてきた。
だって、ひとはみな、唯一無二の存在なのですから。

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4 Comments

piccorina says..."懐かしい・・・"
こんにちはー!
初めて江國さんの本を読んだのがこの『きらきらひかる』でした!
この前読んだ『ぬるい眠り』という短編集には『きらきらひかる』の
10年後のお話が載っていましたよ。懐かしかったです。
久しぶりに『きらきらひかる』を読み返したくなりました。
2007.05.21 09:35 | URL | #- [edit]
うさぎ says..."読みたいの。"
そう、ぬるい眠りに続編がはいってるんですよね。
とっても気になってました。
でも、絶対に読むから内容は言わないでー。

ぜひ読み返してみてください。
これ、とても深いと思いますよ。
こういう愛情のかたちにもあこがれます。
まわりのひとを大事にしなくては、
と思わせてくれる作品です。
2007.05.22 01:06 | URL | #1jxB54a6 [edit]
藍色 says...""
こんにちは。同じ本の感想記事を
トラックバックさせていただきました。
この記事にトラックバックいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。
2010.09.07 00:14 | URL | #- [edit]
うさぎ says...""
トラックバックありがとうございました。
が、トラックバックの内容を確認できませんでした。
なんででしょう。ごめんなさい。
2010.09.11 10:42 | URL | #1jxB54a6 [edit]

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