ABSOLUTE LIFE

すてきなものにかこまれ、すてきな音楽をきき、すてきなものをたくさん見ることが、心のビタミン補給です。
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「嫌われ松子の一生」

いまさらながら、こちらを見ました。
記念すべきボニィちゃんの映画初出演作品。
もちろん、ボニィちゃんを見たくて借りてきました。



ストーリーにはほとんど期待していなかったのですが、
この映画のテーマが意外と深くって、
見たあとに、どーん、と落ちてしまいました。
ストーリーが悲惨で残酷な分、
演出やビジュアルをド派手にしたのは、
監督の意図らしいのですが、
うーん、なんだか、見ているものは
「置き去り」感を植えつけられたような気がするな。

タイトルのとおり、川尻松子という女性の一生を描いた物語。
とにかくだれかに愛されたくて、
なりふりかまわず尽くすのだけれど、どうしても不器用で空回りして、
その純粋な愛が、伝わらない。
とにかく壮絶な人生です。

松子の生きるエネルギーは、ただ「愛されたい」という単純で純粋な欲求。
病弱な妹のために、家族のなかに漂う暗くて重い雰囲気を背負った彼女は、
とにかく愛情に飢えていた。
たとえ、殴られても、罵られても、
松子にとっては、その男が「そばにいる」ということがだいじ。
だから、松子はいつもしあわせ。
これって、究極の「愛」だなー、と思うわけですが、
わたしには、そういう感覚が抜け落ちていて、
「相手がわたしをだいじにしてくれる」
ということが重要で、常に見返りを求めてしまうため、
松子のような一途な愛情に、一種のあこがれのようなものを抱いてしまった。

家族や、恋人や、友人たちの愛情は、
人間にとって、エネルギーの源。
これがなくては、ひとはだれも生きていけないのだ。

こんな深いストーリーが、ミュージカル仕立てで、どんどん進行していく。
展開があまりにも早く、まったくついていけないかんじだ。
ものすごく重たい心情が、明るい歌と踊りで表現され、
それは、なんだかとてもちぐはぐな印象を受け、戸惑う。
確かに、ふつうのドラマにしたら、重くて暗くて哀しいと思うけど、
あそこまでデフォルメされると、正直ついていけない。
ただ、ストーリーと音楽はものすごくマッチしていて、とてもよかった。
「LOVE IS BUBBLE」は、あのシーンを盛り上げるのにぴったりだった。
すばらしい。

ボニィちゃん、とってもすてきな役でしたね。
かわいいわ。
青髪にはびびったけど、でもすてきだった。
この映画からどんどん仕事の幅が広がったのもわかるわ。
ボニィちゃんの登場シーンがいちばんよかった。

あとは、黒沢あすか。
いろんなドラマや映画に出てるひとですけれど、
わたしはあのひとの顔を声がすき。
大人のおんなってかんじがするから。

そのほかにも、いろんな有名人がカメオ出演みたいにぴょろっと出てたけど、
あんまり印象に残りませんでした。

そして、中谷美紀。
まさか彼女がここまでやるなんて、だれも思ってなかったでしょう。
「女優魂」ですね。
迫力のある演技をしていました。見直しました。もっとすきになりました。
1つの役で、こんなにたくさんのキャラクターを求められるのは、
ほかにはないでしょうねー。
ただ、きれいすぎて、松子にはあってないと思いました。
あんなにきれいなひとが、こんな一生たどるわけないじゃないか。

ちなみに、彼女は中島哲也監督と激しくやりあっていたそうですが、
その様子がつづられた本が出版されています。
かなりおもしろいらしいです。すごく興味があります。
読んでみよう。


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4 Comments

むらさき says..."ぴょろっと…"
出ていた某アイドルのコトを聞いて、恐ろしくて見られない映画です・・・。お、お、奥が深すぎるよ!そんなトコロまで!!みたいなね。
ナカタニさんは、その某アイドルが司会していたおニャン子のパクリみたいな番組出身なんだよねーえ。。。そんなの、この映画見た人の何人が気付いたんだか。
ええ。私ら某人のファンだけやもしれませぬ。ガクガク…。
2007.04.18 04:12 | URL | #- [edit]
うさぎ says..."見てーー。"
そうよ、あのひとを見たときに、
真っ先にむらさきさんのことを思い出したわよーーー。
「見たのかなー、きっと見てるよね?」
と思ってたんだけど、まだ見てないのかー。
あのシーン、見てみてー。
きっとおもしろくて笑えるから。
わたしは笑いましたから。

ちなみに、このシーン、原作にはあったのかしら。
もしなかったとしたら、そういう深い思惑があったんだろうねー。
2007.04.18 20:40 | URL | #1jxB54a6 [edit]
タカシ says...""
やっと観たんだね(笑)。

テーマはシンプルだけど、作り込みはものすごく緻密。
月並みだけど、それが職人技なんだと思った。

ぱっと見はキャッチーな路線だけど、“やっつけ仕事”じゃなくて、考え尽くした結果に出来あがったものなんだな、洗練された裏打ちがあるんだな、と思った。
最近のボニーの曲にも、そんな二面性を感じました。音も歌詞も。
2007.04.19 01:31 | URL | #FXbBe/Mw [edit]
うさぎ says..."やっとです。"
みましたー。
遅くなりましたけれど。
タカシさんのブログだと思うのですが、
ほんのちょっとしか出てなかった、ということをきいたので、
あまり急いで見たい、と思わなかったんですねー。

おっしゃるとおり、緻密な計算は感じられました。
時間の設定が何度も前後するけれど、
それでもちゃんと理解できるようになってたり、
歌詞が松子の気持ちの変化を忠実に表してたり。

最近のボニィちゃんの曲、
どんどんよくなってると思います。
もちろん過去の曲もすきだけど、
今の曲もとてもすきです。
いまね、ボニィちゃんのアルバムききくらべ中です。
やっぱりLet goがいちばんすき。
2007.04.19 22:43 | URL | #1jxB54a6 [edit]

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