ABSOLUTE LIFE

すてきなものにかこまれ、すてきな音楽をきき、すてきなものをたくさん見ることが、心のビタミン補給です。
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林 真理子 「聖家族のランチ」

すてきな装丁と、すてきなタイトルにひかれて、手にとってみた。
左は単行本、右は文庫。

  

きっと、すてきな家族の物語にちがいない、と思ってました。
でも。

…まちがえたー。

ものすごくブラックな物語です。
幸せに見える家族の内側を、皮肉たっぷりに描いたストーリー。
途中で挫折しそうになりましたが、
なんとかがんばって最後まで読みました。
物語としては、度肝を抜く設定で、非常におもしろかったです。
それに、読んだことで得られたものはたくさんありましたが、
きっと、2度目は、読めないと思うな…。

料理研究家のユリ子は、本や雑誌などで人気上昇中。
夫の達也は銀行員。
娘は母のアシスタントで、息子は名門高校に入学。
どこからどう見ても、幸せにしか見えない家族の各々の心情は、
ものすごく暗い闇だった。

途中までは、本当におもしろくって、
時間を忘れるくらいに夢中になってしまいました。
やっぱりこういうジャンルについては、このひとはうまいなー
と思ってしまいました。

いちばん印象的だったのは、息子が新興宗教にはまるエピソード。
「宗教にひっかかるなんて、みんな心が弱いのよ。
 わたしは絶対に大丈夫だもんねー」
と思っていたんですが。
息子がだんだんのめりこんでいく様子を読んで、
他人事とは思えなくなってしまいました。
「宗教」や「信仰」は、純粋で切実な気持ちの結晶だから、
強大なパワーを持っている。
笑ってすませられない現実であることに、改めて恐怖を感じました。

この物語を読むにあたり、ラストは非常に重要なので、
まだ読んでいないけれど、すこしでも興味がある方は、
この先を読み進まないことをおすすめします。
ネタバレになってしまいますからね。

この作品のラストは衝撃的です。
びっくりしました。はー。
写真とか、絵じゃないので、それほどリアルではないんですが、
わたしにはグロすぎました。
文字を見ているだけで、どうしても想像力が働いてしまうので、
気持ち悪くて仕方がありませんでした。うえー。
なんか、ここまで書いてあると、笑えません。ひきます。
まあ、ああいう緊急事態になったら、
そんなことも言ってられないんでしょうけれど。

そして、最後の最後がわかりにくい。
結局、どうなったの?
なんでそうなったの?
という疑問を読み手に残したまま、ぷっつりと文章がとぎれてしまった。
いろんなパターンを想像できるとしても、
うーん、ちょっと納得がいかないかな。

あの結末こそ、彼女のセンスが発揮された部分なのかもしれませんが、
うーん、あの気持ち悪さはきびしい。残念。
わたしがもっと、そういうのに強かったら、
ものすごくたのしめた作品だったとおもうんですけれどねー。

古本屋さんにずらりと並んでいるわけがわかったような気がした。
きっと、みんなおもしろくて読んじゃったけど、
気持ち悪くて手放したんじゃないかしらー。
でも、ほとぼりが冷めたら、また読みたくなるかもしれないので、
もうちょっと手元に置いておくことにします。

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2 Comments

あめり says...""
途中から気持ち悪くて、飛ばして読んだ。
林真理子らしくないわ~…

私は、二度と読まないな。
2011.08.09 21:30 | URL | #- [edit]
うさぎ says...""
こんにちは。

わたしもあの後、一度も読まずに本は処分しました。
コメントいただいて、ひさしぶりに思い出しました。
2011.08.10 06:27 | URL | #1jxB54a6 [edit]

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