「さくらん」を見た。
もう2週間も前のことになるのだが、
何ヶ月も前からたのしみにしていた「さくらん」を見に行った。
女性による、女性のための映画!
みたいなかんじで宣伝されていたので、
映画館も、女性客であふれていた。
結論から言うと、わたしが想像していたような映画ではなかったな。
映像は、期待通り、ものすごい蜷川ワールドだったので、
そのきれいさについては、満足。
金魚たちも効果的に使われていました。
ただ、ストーリーについては、納得いかない部分もあるし、
見ていて、途中からちょっと疲れてしまった。
だって、エロシーンが多いんだもの!
吉原の遊郭が舞台なので、
まあ、そういうシーンが多々あるだろうことは予想はついてましたが、
女性の視点から作りこまれているためなのか、
それとも、セットや衣装などのせいもあるのか、
「濃厚。。。」という印象を受けました。
エロに抵抗があるわけではありませんが、
まさかここまで見せるとは思っていなかったので、びっくりしました。
(男性からみると、そうでもないのかもしれませんが)
これは、こどもには見せられませんねー。
あと、親子で見るのも、ちょっと辛いかもしれませんねー。
そして、付き合ってまだ日の浅いカップルには、おすすめできません。
ちょっと気まずくなっちゃうかもしれません。
逆に、ちょっとマンネリになったカップルには、
刺激になっていいかもしれないですけれど。
今日はネタバレになる部分があるので、
これから見に行く予定の方は、ここから先を読まないことをおすすめします。
わたしは原作を読まずに映画を見に行ったので、
それほどストーリーにギャップは感じませんでしたが、
土屋アンナは、きよ葉には合わなかったのでは、と思いました。
ハーフで、純日本顔ではないので、
かつらと着物がちょっと浮いていたように思ったし、
ハスキーな声音には、花魁の色気を感じられなかったように思います。
でも、あのからみつくような視線と、圧倒的存在感は、すてきでした。
恐らく、最初に、菅野美穂が演じる艶っぽい花魁が出てきたために、
無意識に彼女と比較してしまったのでしょうね。
その菅野美穂、そして、木村佳乃。
あんなにがんばるとは思いませんでした。
やはり、女性の視点で作られただけあって、やらしかったですねー。
ふたりとも、ドラマなどでは、割と清純派な役を演じていたように思うので、
きっと、この映画には「体当たり」なかんじで挑んだのでしょう。
菅野美穂は、花魁にしては地味なんじゃない?
と思っていましたが、そんなことはありませんでした。
この映画のなかで、いちばん印象的な女性でした。
まあ、それはエロシーンの衝撃もあったからかもしれませんが、
いちばんいい役どころだったのではないかしら。
女性の背中からおしりにかけてのラインが、
あんなに美しいものだったなんて!
木村佳乃は、ただひらすらに痛々しかったです。
わたしはあの程度のシーンでも、鳥肌が立ちました。
すごくきれい、というわけでもなく、色気がある、というわけでもなく、
微妙でしたが、いちばん女の本質をさらけだしていたかもしれません。
あと、わたしは美波がすきだったので、
彼女がいろいろ出てきたときは、ちょっとうれしかったです。
かわいかったですねー。
衣装もキャラクターもぴったりでした。
全編通して、お花がたくさん使われていて、
それが映画全体をとにかく華やかに見せていました。
いつでも、どこにでも、たっぷりのお花。
クライマックスの花は、天国かと思うほどにとにかくきれいでした。
ほんとうにあんな景色の場所があるんですね。
わたしも犬のようにかけまわりたいです。
全体を通して、とても気になったのは、椎名林檎の音楽。
わたしが彼女をあまりすきではないこともあるかもしれませんが、
歌入りの曲が多く使われていたし、音のつくりが派手だったこともあって、
うるさく感じることが多かったです。
ソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」
を見た後だからかもしれませんが、
音楽が前面に押し出されすぎていた感は否めません。
全体的には、一回目の作品なのに、すばらしい、蜷川実花。
と、思いました。
もともと強い個性を持ったひとではありましたが、
ちゃんと映画全体にその極彩色があふれていて、
彼女でなければつくることのできない作品だったと思います。
きっと二作目も期待されているはずなので、
ゆっくりとそのときがくるのを待っていようと思います。
- 関連記事
-
- 「妹の恋人」 (2007/05/01)
- 「スライディング・ドア」 (2007/04/21)
- 「さくらん」を見た。 (2007/04/09)
- 「マリー・アントワネット」 (2007/02/13)
- 「間宮兄弟」 (2007/02/12)