おかんの小包。
親は、わが子がいくつになっても、
どうしても心配せずにはいられないもの。
うちのおかんと、恋人のおかんが、
交互に北海道のいろいろな食べ物を送ってくれる。
そして、わたしのおかんと、恋人のおかんが送るものは、
徹底的にジャンルがばらばらで、
それぞれの内容がバッティングすることは、決して、ない。
恋人のおかんは、たらこ、いくらや、ほっけ、たこなどの
海の幸をたっぷり、どっさり。
そして、わたしに気を使ってくれて、スイーツも送ってくれる。
うちのおかんは、レトルトカレーや、米、くだもの、
そして、そば、そうめん、らーめんなどの麺類とパスタソース。
手軽に満腹になる炭水化物がメインだ。
あと、帯広の六花亭のおやつね。
そういうふうに食べ物の嗜好がまったく異なった家庭空間で育ったのに、
いま、こうしてわたしと恋人が同じものを食べている、ということは、
なかなかに興味深いことであるなあ、と思う。
また、恋人のおかんが、ちゃんとわたしのことも考慮してくれた
ラインナップになっているのにひきかえ、
うちのおかんは、恋人の好みはまるで無視だ。
その温度差もなかなかにおもしろい。
さて。
うちのおかんは、いつもなかなかにセンスのあるものを送ってくれる。
ここで言う「センスのよいもの」とは、
「これは、いつ、どうやって食べればよいのだろう」
と困ってしまうようなものだ。
前回は、かんづめの焼き鳥と牛肉で、どう食すべきかわからず、
まだキッチンの棚に押し込まれている。
が、今回は、それを上回る食べ物が混入していた。
それは、ホワイトチョコをかけた「柿の種」だ。
ふつうのチョコレートがかかった柿の種でさえ、
なんとなく食べる気になれないのに、
さらにこっくりとしたホワイトチョコレートがかかっているなんて。
わたしはその袋をつまみあげて、しばし硬直した。
ホワイトチョコレートは、甘い。
でも柿の種は、ちょっと辛い。
ホワイトチョコレートは、洋菓子。
でも、柿の種は、日本のおやつ。
これが口の中でミックスされたら、ちょっとした戦になるのではなかろうか。
全然気が進まなかったが、その袋を見た瞬間に、
「これはブログのネタとして、みなさまにお知らせしたいなあ」
と思ってしまったので、
その味の感想も伝えなくてはならぬと思い、勇気をふりしぼって開封した。
これが、意外といける。おいしい。はまる。とまらなくなるのだ。
ホワイトチョコレートの甘みと柿の種のぴりりとした辛さが中和され、
複雑ながらもマイルドな味わい。
お酒を飲んでいるときは、甘いものとしょっぱいものと、
両方のおつまみがほしくなるのだが、
これは、1つで一石二鳥、というわけですね。
なんとなく、
「柿の種にチョコかけたのが流行ってるから、
いろんな味でつくってしまえー」
というような勢いも感じられるし、
パッケージの素朴さもおもしろいし、
わたし的に、非常に気に入った一品です。
ちなみに、カフェオレ味の柿の種もあります。
柿の種にカフェオレ…。
興味はあるけれど、試すには、ちょっとばかり勇気が必要だな。
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