舞妓さんになる。
京都に行くにあたり、どうしてもしたいことがあった。
それは、
「舞妓さん変身体験」
である。
京都のガイドブックを見ていると、
たくさんの「変身やさん」の広告が目にとまった。
「モノよりも経験に投資する」
というのが、わたしのポリシーなので、
ぜひ、体験してみたい、と思ったし、何より、恋人がノリノリだった。
「いいねー、舞妓さん、いいねー」
と、変身する前から喜んでいた。
変身やさんは、京都にひしめいているし、プランもいろいろ。
ただ写真を撮るだけのものもあれば、
舞妓さんの格好でおさんぽをできるプランもあるし、
男性といっしょに写真を撮れるプランもあります。
恋人は、小さくて細いし、目が大きいので、
「いっしょに舞妓さんになろうよー、きっと似合うよー」
とおすすめしたのだが、断固拒否されたため、
待ちぼうけ時間短縮のため、
ただ写真を撮るだけの、いちばんお手ごろなプランを選択した。
どの変身やさんも、1時間半くらいで、1万円くらいです。
さて。
まずは、舞妓さんメイクだ。
土曜ということもあってか、若干混んでいて、
スタッフの対応が追いついてなかった。
わたしはマスカラを塗っていたため、まぶたをごしごしとこすられ、
「イタイ!」と悲鳴をあげた。
もう若くないんだからさー、だいじにしてくれよ。
ちょっとむかっときたが、別のひとに変わってからは、
特に問題なかったので、機嫌を持ち直した。
首のうしろから、背中あたりまでが、真っ白に塗られていく。
わたしは生憎コンタクトをしていくのを忘れてしまい、
裸眼では何も見えない状態だったため、
どんなふうにメイクが進んでいくのか、全くわからない状態。
しかし、自分がどんどん化け物っぽくなっていくことだけはわかった。
そして。
メイクが終了すると、着付け。
いろんな着物から自分のすきなものを選べる。
もちろん、わたしはテーマカラーの赤い着物をチョイス。
素早く着付けが行われた。
着付けのできるひとって、すごくすてきよね。
わたしもやってみたいんですが、浴衣すら着られません。
髪は、かつらをすっぽりとかぶった。
かつらだけを見ると、なんとなく、おもしろかったのだけれど、
実際にかぶってみると、意外とイケる。しっくりくる。
これも、メイクと着物の効果なのかしらね。
所要時間30分足らずで、わたしは舞妓さんになった。
撮影前に、恋人に見せに行くと、彼はかなりよろこんでいた。
が、わたしはあまりのおもしろさに、笑いが止まらず、
変顔写真をたくさんとってもらった。
変顔写真は、あまりに刺激が強すぎるため、
ふつうの写真は、こんなかんじです。
真っ白に塗っているためか、ふつうメイクよりも、クマや小じわが目立つ。
ああ、恐ろしい。
スキンケアにもっと気合いを入れなくては。
でも、こういう欠点も、写真の補正が行われるので大丈夫なのだ。
全身は、こんなかんじ。
これは、オースティン・パワーズに出てくるドクターイーブルの
「Laser」の真似です(マニアック)。
ひとしきり、バカ写真をとりまくった後は、
いよいよスタジオでの写真撮影だ。
カメラマンの若いおにーさんが、
「とにかくなりきって、はずかしがらないでくださいね」
と言うのだが、こんなおもしろい見た目で、なりきれるわけがないのだ。
しかも、おにーさんは、ものすごく細かくポーズの指示を出す。
「この扇子のここと、ここを持って、身体の向きはこうで、
首の角度はこうで、目線はこう!」
とにかく指示が細かい。
それは、決して不快でなく、きちんと計算されていることが伝わってきたが、
わたしは、おかしくておかしくて仕方がなく、
笑いをこらえるので必死であった。
こんなかんじで20カットを撮影し、最後に恋人とふたりで写真を撮った。
恋人は、いつもはそんなことをしないのに、無理やり肩に手を置き、
わたしは白塗りに真っ赤な口紅のおばけだった。
あー、おもしろい。
かなり満足したので、すぐにメイクを落とし、着物を脱いで、
恋人のところへ行くと、もうすでに先ほど撮影した写真の
インデックスができていた。
さすがプロ。
どの写真も、すごく本気っぽく写っている!!
ポーズも、ちゃんと、さまになっているではないか。
しかも、クマも小じわも、全然目立たないぞ。
これは、本気の舞妓さんだ。すごい。
このなかから3カットを選び、A5くらいの大きさにプリントしてくれる。
1つは、恋人といっしょに写ったものを、
もうひとつは、恋人が気に入ったものを、
さいごのひとつは、背中を見せたものをえらんだ。
約1ヶ月後にお家に郵送されるらしい。たのしみだ。
決してお安いものではありませんが、
ここでしかできないし、記念になるし、
ちがう自分を発見できるのがおもしろいです。
化け物っぽくても、笑いをこらえながらの撮影でも、
ちゃんと、カメラマンは仕事してくれます。
京都に行くなら、ぜひおすすめしたいと思いました。
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