「マリー・アントワネット」
ついに、見てきましたよー。マリー・アントワネットを!
前売り券を買ったときから、ずーっとたのしみにしていたわりに、
なかなか見に行くことができず、もやもやしてたんですが。
ようやく、すっきりできました。
ミクシィのソフィア・コッポラコミュニティなどで、
賛否両論まっぷたつだったこの映画。
「つまらなかった!」という声がきこえたので、
うひょー、恋人が眠ってしまうかもしれぬ、
と心配をしていたんです。
結論から言うと、おもしろいかどうか、といわれると、
おもしろくない部類に入るのだと思います。
描写が、とても抽象的で、わかりにくいし、
歴史ものとしては、ストーリーの紆余曲折が、ない。
フランスで失笑をさらった、というのも、まあ、気持ちはわかる、かな。
恋人は、「つまらなかった!」と断言しておりましたしね。
ただ、その圧倒的な美しさと、音楽のかっこよさのおかげで、
眠るひまはなかった模様です。
わたしはすきでした。ものすごくすき。
ずーっと、美しい写真集を見ているようでした。
ソフィア・コッポラのこれまでの作品のなかで、最も美しく、
最もドラマチックな作品でしたよ。
そして、音楽のまあすてきなこと。
あの絢爛豪華な世界に響き渡るかっこよいギターの音、絶妙です。
この斬新さは、彼女にしか表現できない。すばらしかった。
いままでの映画の常識を打ち破ったのは、確かです。
そして、衣装や靴や、セットもすばらしかった。
ヴェルサイユ宮殿で撮影されただけあって、
何もかもにリアリティがありますね。重厚感があった。
わたしは実際にヴェルサイユ宮殿をおさんぽしたことがあるのですが、
なんとなく重たく、ものものしい雰囲気のあの建物を、
よくぞ見事にあそこまで蘇らせたわね、と、かなりおどろきました。
ヴェルサイユ宮殿に、命を吹き込んだのは、
美術スタッフの努力の賜物だわね。
そして、そこにシャーベットカラーのドレスがよく似合う。
ソフィア・コッポラは、色にもかなりこだわっていたようなのですが、
緻密に計算されたソフィア・ワールドは、
わたしにとって、夢の世界そのものでした。
主演のキルスティン・ダンストは、
これ以上ないくらいはまったキャスティングでした。
14歳のピュアな部分から、落ち着いた母マリーまで、
幅広い表情を見せてくれたと思います。
超美人、というわけではなく、かわいらしいマリーだったからこそ、
「マリーもふつうの女性だったの」
という、ソフィアのコンセプトがよく伝わってきましたね。
あと、キャストに関しては、フェルゼン伯爵を演じていた
ジェイミー・ドーナンにノックアウトされましたね。
すてきよー。かっこいいわよーー。
ふたりのラブシーンは、いちばん印象的でした。すばらしくよかった。
そして、賛否両論の嵐だった、ラストシーン。
わたしは、ほーぅ、なるほどね、と思いました。
ソフィアらしいまとめ方だったと思いますよ。
ただ、この映画を歴史ものとして分類したいひとにとっては、
「なんじゃこりゃー」
っていうかんじだったのかもしれないですね。
よくも悪くも、ソフィアワールド全開で、
彼女にしか作ることのできない映画になっていました。
この作品によって、彼女が唯一無二のアーティストであることを、
「これでもか」ってなくらいに証明している作品ですね。
いやー、夢の世界を堪能させていただきました。
本当は、アメリカで発売されている写真集がほしかったのですが、
かなりいいお値段がするので、パンフレットで妥協することにしました。
かなりきれいで、永久保存版です。
これで600円は、おトク。
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