江國香織 「スイートリトルライズ」
最近、江國香織の本を読んでいなかったので、
スイートリトルライズをもっていくことに。 JJさんのブログで見てから、
「これを読みたい!」
って思ってたら、古本屋さんで見つけた。
おもいがけず、ものすごくはまりました。
江國香織の作品のなかでも、
いちばんにすきかもしれない。
ストーリーは、なんとなくかみあわない夫婦が、
お互いに別々のパートナーをみつけてしまう、というもの。
江國香織の作品では、モラルにかけはなれた設定が多いものの、
これは、ちょっと刺激的ですね。
純粋なひとは、この話を受け入れられないかもしれません。
でも、わたしはこの作品がとっても、とーってもすき。
なぜなら、この本には、鳥肌が立つような、
すばらしいセリフが、ところどころにちりばめられていて、
それぞれがわたしの心にものすごく響いたのだ。
どんなセリフがよかったのか、ということについては、
ここに書いてしまうと、ネタバレになってしまうので、
本をよんでからのおたのしみ。
こういう、ちいさなすれちがいは、
「ま、いっか」
と、簡単に見過ごすことができるのだけれど、
それは、必ず心のどこかにひっかかっていて、
いつか大きくなって、爆弾になって破裂するのを待っているような気がする。
だから、わたしは恋人に対して、
自分とちがう理解の仕方をしているなと感じたときや、
自分の気持ちとちがうふうに伝わっているかもしれない、と思ったとき、
必ず確認するようにしている。
以前は、伝わらないことをそのまま流してしまっていたのだけれど、
いまは、それが、いかに重要か、ということがよくわかる。
この本を読んで、そういうことを思った。
この主人公の実家は「帯広」という設定になっている。
江國香織が、「帯広」という街を知ってくれていたこと、
じゃがいもがたくさんとれる、ということを知ってくれていたことが、
わたしにとって、ものすごくうれしかった。
いつか、実際に会うことができたら、
「どうして帯広という街をえらんだのか」
という質問をしてみたい。
そしたら、きっと、彼女の独特のこたえが返ってくるんだろうな。
日常に刺激がすくないと感じている方にはおすすめの本です。
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