「終わり」がだいじなのよ。
会社に行ったら、いろんなひとがいろんなものをくれた。
わたしは、自分の近くの部署のひとたちにしか、
お菓子を買っていかなかったため、
何もお返しすることができず、ひたすらもらいまくるのみだった。
初めの方は、ただひたすらもらうことがうれしかったのだが、
最後の方には、ひたすら申し訳なくなってきてしまった。
わたしは、モノに対するこだわりが人並み以上であるため、
わたしの好みを完璧に把握したものをくれるひとが多かったのがおもしろい。
真っ赤なほうろうのポット、
ピンクのちょうちょ柄のタオルハンカチ、
真っ赤なグロスと、真っ赤なマニキュア、
ふっかふかのうさぎちゃんのタオル、
うまい棒10本、米5キロ、などなど。
帰りは周囲に心配されるほどの大荷物だった。
本当にたくさんのひとたちが、
「いなくなったら、寂しいわー。」
「明日から来ないなんて、信じられないー。」
と、口々に寂しがってくれた。
わたしは、自分自身が、会社や同僚に執着がないし、
自分がそれほど重要な役割を果たしていたとは思えないので、
「えー、それ本心?」
などと疑ってしまったが、
そうやって、口に出して言ってくれるだけで、ありがたいじゃないか。
こんなふうに、いろんなひとがよくしてくれたにもかかわらず、
うちの直属の上司は、コメントなし。
「おつかれさま」の一言もなかった。
そりゃあ、わたしは大した仕事をしませんでしたけれど、
わたしは、こういう人間にはならないわ。絶対に。
お家に帰ってからは、おとーさんとおかーさんに、また説教された。
彼らは未だにわたしの行動について、許していないらしい。
「おまえは将来、いったいどうするつもりなのか」
「こんな歳になるまで、心配させられるとは思ってなかった」
などなど。
結局のところ、ふたりとも、わたしがいなくなることについて、
とっても寂しいらしい。
おとーさんは、わたしの部屋にやってきて、
「どうするんだ、どうするんだ」と騒いだ挙句、
わたしのベッドにもぐりこみ、たぬき寝入りをしていたし
おかーさんは、
「寂しいの?」
ときいても、何も答えなかった。なかなかに寂しいらしい。
おばあちゃんも、
「すきになったらしょうがないからねぇ」と、
となりのお家から電話をかけてきた。
さっきまでいっしょに働いていたフクロウ先生も電話をかけてきた。
「いやー、明日からうさぎさんがいないなんて、信じられない。
本当に不安。どうしよう。
前のひとがやめたときは、こんなんじゃなかったのに。
もうふざけられなくなっちゃうー」
と言っていた。
わたしって、お笑い用の女だったってことか?
行きつけだった飲み屋さんのかずえさんが電話をくれた。
そのお店は、もう閉店してしまい、今は解体作業の真っ最中で忙しいのに、
「今からちょっとだけいくから」
と、言って、彼女は家まで来てくれた。
車を降りて、
「服がちょっと汚いんだけど、いい?」
ときかれ、いいよ、と答えると、だきしめてくれた。
英語でいうところのHugってやつだ。
これには、わたしはまいった。
それまで全然感傷的にならなかったのに、
このときばかりは、涙が一気に出てきて止まらなかった。
かずえさんと、彼女のだんなさんのJ氏は、
なぜかわたしのことをとても気に入ってくれていて、
帯広でいちばん遊んだひとたちだった。
今思えば、いつもなんでも話をきいてもらってたのは、
かずえさんとそのだんなさんのJ氏だったし、
彼らの答えは、いつでもまっすぐで正しかった。
わたしが日本脱出をあきらめなかったのは、彼らのおかげだ。
彼らに出会えて、よかったなー、と思った。
いままでの過程にどんなことがあろうと、
いちばんだいじなのは、「最後」だ。
どんなお別れをしたか、ということだ。
最後の日に、
「おつかれさま」とか、「またね」と、きちんと言ってくれるひとが、
だいじにすべきひとなんだわ。
明日朝一で北海道脱出です。
北海道以外に住むのは初めてだし、
男のひとといっしょに住むのも初めてです。
みんなは、
「うらやましい」「おしあわせに」
とか言うけど、わたしにとっては、そんな簡単なもんじゃありません。
ともだちがひとりもいないところでやっていけるのか、
仕事はちゃんとみつかるのか、
気候も、人間性もちがう街で生きていけるのか、
愛知の生活はサバイバルです。
心身ともに健康を保つことができるのか、本気で心配ですけれど、
もう、行くしかない。戻れない。
というわけで、わたしが怠けていたせいで、
しばらくのあいだ、ネットできません。
ブログからも、ミクシィからも消えます。
10月あたり、元気だったら復帰します。
そのときに、今までにメールをくれたことのある方には、
「復帰したよ」メールを送ろうと思います。
そのほかにも「メールくれや。」という奇特な方は、
absolutelife@infoseek.jpまで、メールくださいな。
がっつり遅いですけど、いつかお返事します。
わたしはブログを更新しませんけれど、
コメントで遊んでいただいても結構ですからね。
消えたわたしをわすれないでくださいね。
それでは、また。
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