ABSOLUTE LIFE

すてきなものにかこまれ、すてきな音楽をきき、すてきなものをたくさん見ることが、心のビタミン補給です。
8

自分のためじゃなく、ひとのために。

今日は、かなり自己中心的なことを書く。
かんちがいかもしれないけれど、
いま、自分が本当に思っていることなので。

歌うことに目覚めたのは、高校生のときだった。
BONNIE PINKのHeaven's Kitchenというアルバムに出会い、
あの難解なメロディを練習していたら、
気がついたら「歌がうまい」と言われるようになっていた。

でも、わたし自身は、それほどでもないと思ってた。
みんなお世辞だわよ、と思っていた。
音域は狭いし、音ははずすし、リズム感もないし。

大学の軽音部で歌わせてもらったり、
ともだちのCD制作に参加させてもらったり、
社会人になってからも、バンドを組んだりして、
何かしら歌う機会はあったし、歌うことがすきだったけれど、
それでも、本気で歌うことと向き合うことはなかった。

というのは、音楽をやっていくうえで、いちばん重要なのは、
実力でも、センスでもなく、人間関係だからだ。

音楽をやっている人間は、みんなそれぞれ強い意志を持っていて、
それを表現するために、試行錯誤している。
だから、当然、衝突は免れない。
いまだからこそ、ドライに受け流すことも覚えたけれど、
若い頃は、たくさんひとを傷つけたし、その分自分も傷ついた。

いまでもいちばん印象に残っているのは、
社会人になってからDormyちゃんとえせDiggyと
総勢5名でバンドを組んでいたときのことで、
なぜかおぢさんたちに気に入られていたわたしたちは、
もろに彼らの
「音楽とは、バンドとは、こうあるべきなんだぜー!」的な
音楽理論を押し付けられたり、
メンバー入れ替えの問題などで、かなり消耗してしまった。
歌えるかどうか、ということ以前の問題で、わたしは人間的に弱すぎたのだ。

というわけで、一度「ふりだし」に戻ったわたしは、
その後も、歌のレッスンに通ったり、
細々とメンバーを探したりしていたものの、
不完全燃焼であることには変わりはなかった。

が、
SOUL'd OUTのライブで、わたしの歌熱は、再燃した。
「どーーーーーうしても、Diggyに会いたいーーーー!!
 mikiちゃん、わたしゃ、歌手になるよーー」
と、無意味に燃え上がってしまった。
でも、これもあながち悪いアイディアでもなさそうだ。
どこかで音楽とつながって、音楽人の輪を広げておいたほうが、
何もしないよりも会える確率は高いではないか。
それに、ひとにほめられる部分をさらに磨くのは、
自分のためにもなるじゃないか。

というわけで、早速歌の練習が始まった。ひとりで。
カラオケボックスにテープを持っていき、自分の歌をきくのだ。
これはなかなかによい練習になります。
ちょっとの期間練習しただけで、前よりも上達しているのがわかる。

というわけで、ある日、会社のひとに、おもしろおかしく
「わたしいま、ひとりカラオケで練習してるんですよー」
という話をしたところ、
「わたしもカラオケに行きたいー」
という話になり、いっしょにいくことになった。
ひとりで行くつもりで、しっかりテープを持参していたので、
せっかくだから録音しようと思い、
そのひとに
「本気で歌いますが、ひかないでください」
と了承を得て、テープをまわして、本気で歌った。
「カラオケで本気出しちゃうなんて、ちょっとはずかしーぜー。」
と思いながらも歌いきると。

なんと。
そのひとは、泣いていた。
「カラオケで泣くなんて、はじめてよーー」
と彼女は言っていた。
彼女自身も、まさかカラオケで泣くなんて予想もしていなかったのだろう。
もちろん、わたしもびっくりした。
たしかに、その曲は、ものすごく心にしみるメロディだったし、
もしかすると、そのひとは、感受性がひとより豊かなのかもしれない。
でも。
それにしても、わたしのうたが彼女の心を動かしたことはまちがいない。
これはあたらしい発見だった。
自分のためだけじゃなく、ひとのために歌うことのなんと気分のよいことか。

自分のうたで、感動してくれるひとがいるのなら、
わたしはもっとうまくなりたいと思う。
自分のために歌うよりも、ひとのために歌うことのほうが、
もっと強い動機になる。

愛知へ行く前に、わたしの歌テープを作って、みんなに押し付けてやる、
わたしを忘れないように。

関連記事

該当の記事は見つかりませんでした。

8 Comments

miki says..."もちろん"
私にもちょうだいね。
うさぎの歌、長年聞いているわけではないけれど
最近になって本当に感銘を受けるよ。
人生でいろんな気持ちを知った分、
ますます歌に何かをいれることができるんだろうね。
本当に好きな歌に、思いっきり気持ちを込めて歌って、
しかも聴いてくれる人がいたら、しあわせだよねぇ。
なんか・・・歌いたくなってきた。
2006.06.06 00:21 | URL | #- [edit]
むらさき says..."おかしいな"
こっちにもアナタのCD持ってきちゃってるわよvウヒ。
私にもその才能ほしーもんだわ。
あれー?(笑)
2006.06.06 03:00 | URL | #- [edit]
あおい says...""
すごいすごい!カラオケで泣かせるなんて!私もうさぎさんの歌聞いてみたいよー。
社会人になって、夢とか現実とか将来とか曖昧になったり口に出せなくなったりしていたけど、うさぎさんの今日のブログはなんだか夢+現実で、ドリームドリームしていなくて、うまく言えませんが私まで前向きになってきました。(笑)
2006.06.06 12:56 | URL | #- [edit]
うさぎ says...""
mikiちゃん、
あれから、ちゃんと歌の練習してます。
わたしって、何においても、
ひとよりスタートが遅いんでしょうね…。
もちろん、mikiちゃんは、Diggyとの空間にいっしょにいたので、
テープあげる。無理やり。
ひとりカラオケ、かなりいいよ。
好き勝手にできるから。歌っちゃいな!
疲れるけどねー。

むらさきさん、
あの幻のCD、持っていったのーーーー?!?!
はずかしすぎる…。
あの頃よりは、上達してるわ、確実に。
あのCDを作ったおともだちは、立派なミュージシャンです。
プロではないけれど、今も帯広で活躍してます。
でもね、わたしちょけさんにはかなわないな。
1回しかカラオケ行ってないけど、
未だに印象に残ってる。あれはすごかった。

あおいさん、
わたしもびっくりしましたよ、
まさか歌で人を泣かせることができるなんて!
わたしは夢を見るのはすきですが、
ほどほどな夢を見ることにしています。
だって、ちょっとでも、実現できそうなことじゃないと、
途中であきらめちゃうかもしれないし。
社会人だからこそ、夢見ることが必要なのですよ。
2006.06.06 21:21 | URL | #1jxB54a6 [edit]
ぴあにか says..."おぉ~。"
燃えてるね~!
いつか、一緒にやりたいね。
(昔、「縁がないよ、私達」っていってたの、
けっこう傷ついたよ・・・)
うさぎさんは、昔からリズム感いいなって思ってた。
小さいころからエレクトーンやってたからだね。
バンドはね、衝突はあるけど、
今まで一緒にやってきた仲間とは、
本当にいい関係だよ。
音楽を本気でやって、人脈を広げれば、
近づけるんじゃないかな、Diggyさんに。
私の敬愛する日暮愛葉さんと知り合いが、
今一緒にバンドやってて、びっくり。
元バンドメンバーの友達は椎名林檎に会ったってさ!

私は、ライブのときは常に、お客さんを楽しませよう!
という気持ちでやってるよ。
でもね、なかなか難しいんだよね。
完璧に演奏しようって考えちゃうから。
余裕ないんだね。
でも、ライブやった後に、見知らぬ人から
「すごくよかった!楽しかった!」
って言って声かけられたのが最高にうれしかったな。
伝わったんだな、と思って。
うさぎさんの歌を聴いて泣いた方も、
きっと、こころが伝わったんだね。

深夜の歌スタだったっけ?
あれ、応募してみれば~。
でも、あの回転する土台、やだよね。
でも、うさぎさんだったら、たぶん受かると思うよ。

そして、うさぎさんにひとつ提案。
歌+αがあれば、いいと思う。
確か、ピアノ弾けるんだったら、
アンジェラさんのように、
弾き語りでライブとかやっちゃえば?
作曲もできるもんね。
これで、完璧さ。

長くなっちゃったかな?失敬!
2006.06.07 00:56 | URL | #- [edit]
うさぎ says..."いいですよ、長いの。"
わたしも記事、コメントともに、長いの自慢なんで。

わたしの拙い夢について、
「Diggyに近づけるかも」
と言ってくれありがとう。
そう思っているだけでやる気が出るので、
ばかだと思わずに、見守っていてくれ。

わたしの場合、ひとに聞かせるあいだは、
常に、「たのしいかどうか」しか考えてないので、
ライブでも、平気で歌詞忘れたり、間違ったりしてたわ。
だから逆に、ちょっと余裕ないくらいのほうがいいのかもな。

歌スタ、ってなに?
知らない。
回転するの?たのしいじゃん。
まわる、わたし。笑えそうだ。

ちなみに、わたしはピアノもギターも作曲も
すべてかじったのですけれど、
どれも、全然おもしろくなくて、挫折しました。
たぶんずっと鍵盤弾いてたので、
今は、歌のあまりの自由さにかまけているんでしょう。
もう楽器には戻れないかも。
いいのよ、マイペースで気楽にやってくので。
2006.06.07 20:33 | URL | #1jxB54a6 [edit]
ちょけ says..."今さらこっそり…"
舞台のこととかその他諸々で、あまりパソコン触ってなかったもんで。今日久々におじゃましてみたら…。
初めに。えーと、記憶は美化しやすかったりしますからねぇ。もしか、また一緒にカラオケ行ったりして、「あら、こんなもんだったかしら?」と思われるのがコワいわ。フェッフェッフェ。
今度の芝居、大学の軽音部員の役なの!でも、2人しかいないコーラスグループ、みたいな…
自由気ままに力まかせに歌ってきた私にとって、コーラスはむずかしくて死にそうです…
でも、私の歌を好きだと言ってくれる人がいるだけで、安心して人前で歌えちゃったりするんだよねぇ。
ひとりカラオケはいいよね。深夜のオールナイトパック5時間とかよく行ってたなー。歌って聴いて歌って聴いて。
私も未だに本気で歌と向き合ってないかも。でも、大義名分なんて必要ないもの。歌いたいなら歌うべきだわ。そしてテープ作って。
私にも、テープください!

ありがとう。私のうた、おぼえててくれて。
とっても元気になったの。
ありがとう。

私も、うさぎちゃんのうた、好きよ。
クリアな声。声質だけじゃなくて、輪郭がはっきりしてるというかね。
今は、どんなうたをうたっているのかしら…。
2006.06.08 02:11 | URL | #UTTqB9Tc [edit]
うさぎ says..."おつかれさま。"
舞台、たいへんだったことでしょう。
ほんとは一度見に行きたいのよねーー。

たぶん、わたしの歌に対する記憶は鮮明です。はい。
忘れられるわけがないわー。
わたしのなかでちょけさんは、プロ。

コーラスは、また、ちょっと特殊ですものね。
でも、ちょけさんの歌い方は正統派なので、
だいじょうぶでしょう。

それにしても、ひとりで5時間はすごすぎる。
わたしなんて、2時間が限界よー。
酸欠にならない?
すごく苦しくなっちゃうわー。
わたしもがんばろう、5時間…。

いまは、わたしはSOUL'd OUTの歌を歌ってますね。
「歌えねーよー」
って言いながら、
カラオケが流れてるだけで満足してます。
危険…。
2006.06.08 21:40 | URL | #1jxB54a6 [edit]

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://absolutelife25.blog36.fc2.com/tb.php/311-0b71aaeb