ABSOLUTE LIFE

すてきなものにかこまれ、すてきな音楽をきき、すてきなものをたくさん見ることが、心のビタミン補給です。
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宮本 輝 「幻の光」

わたしはあまり男性の作家の本を読みません。
状況の描写が直接的だったりして、
なんとなく、読んでいて「うがー」と思う部分が多いのです。

というわけで、久々に男性作家の作品を読んでみることに。

このひとと、伊集院静というひとの本は、
文体が穏やかで、安定していて、わりと読みやすく、
系統的には似ているなあ、と思います。

この本には、いくつかの短編が収められているのですが、
やっぱり印象的だったのは、
表題作、「幻の光」ですね。
映画化もされました。
タカシさんのブログで映画のレビューの記事がありましたよ。

ストーリーとしては、
主人公の女性が、過去の夫の思い出を淡々と語っていくというもの。
主人公のだんなさんが、自殺をしてしまうのですが、
その理由、原因が、どうしてもわからない。
主人公の女性は、ずっと心のなかでだんなさんに話し掛けながら、
その理由をさがしつづけているのです。

このお話を読んでいると、
今、という時代は、小さなことに対しても敏感すぎて、
どんどん生きにくい世界をつくっていってしまっているのだなあ、
と感じました。
個人情報保護、とかいって、へんな秘密主義社会になってしまったり、
アンチエイジング、とかいって、へんな抵抗をしてみたり、
負け組み、勝ち組みとかいって、変なプライドを植え付けられてしまったり。
「生きる」ということは、もっとシンプルで、
単純でいいのになあ、と思った。
健康で、自分の周囲のひとたちを大切にして、
日々をきちんと暮らしていることだけで、
十分にしあわせなはずなのに、
現代には、それを忘れさせてしまうものが多すぎる。

読んでいて、心がしめつけられる部分があったので、
何度もリピートしたい!という作品ではないのですが、
読んで損はない作品です。
きっと心にうったえかけるものを発見できるでしょう。

そんなわけで、
この作品の映画をみたいー。
今度ビデオでも借りてくるようにしよう。

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2 Comments

ぴあにか says..."お久しぶり!"
宮本輝、いいよね。私は好きです。
「蛍川」とか有名なのしか読んだことないけど…。
今、「星々の悲しみ」という短編集を読んでいるよ。
ほろり切ない・・・のがいい。
「幻の光」は、江角マキコがでていたやつかな?
私は、小説を読んでから見たせいか、
いまいちだったかな。
高校生くらいのときに見たから、
今見るといいかもしれないけどね。
映画は、せりふがほとんどなくって、
映像がきれいだったよ。
おだやかに時が流れる感じでした。
2006.05.30 03:10 | URL | #- [edit]
うさぎ says..."そうです。"
江角マキコの映画でしょう。
わたしも見たことないんだけどー。
高校生には、あの深い悲しみはむずかしいかもね。
今見直したら、新しい発見があるかも。

小説を見てから読むと、
自分でその世界を確立しちゃってるものだから、
どうも映像とのギャップに悩んじゃうよなー。
「これは!」っていう作品は、
ドラマの「ちびまる子ちゃん」くらいしかないわよー。
2006.05.31 02:25 | URL | #1jxB54a6 [edit]

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