出産の記録 その3
よれよれの状態で分娩台に上がり、
ジャングルさんがすぐ横で立ち会った。
いきむ、ということが、どういうことなのか、
全然わかっていなかったのだけれど、
陣痛の一番痛いときに、思いっきりふんばって、
お尻をつきだす、とのこと。
とりあえず助産師さんの言う通りやってみるものの、
陣痛が弱くて、うまくいかない。
分娩台に上がっても、陣痛は5分間隔だった。
横になってみたり、
助産師さんに足をかけたりして、
大変なことになりながらいきむ。
足にかけてたタオルも全部とれちゃって、
ジャングルさんに丸見え。
苦しいし、恥ずかしいし、何がなんだかわからなくなる。
1時間経ってもお産は進まず、
わたしの体力は限界に達する。
ついに、陣痛促進剤を使うことに。
陣痛が強くなったら、すごくいきみやすくなった。
いきむとは、こういうことだったのか。
痛いけど、陣痛が弱かったときよりも、
断然ラクになった。
そこからは、怒涛のスピードでお産が進む。
ようやく頭が出たときには、とにかく必死。
早くでてきてくれーー、と祈るような気持ち。
どうしても力が入って内股になる足を
お医者さんとジャングルさんに片方ずつおさえられ、
ああ、もうどうにでもなれ…と思った頃、
15時半に赤ちゃんの泣き声が聞こえた。
やっと終わった……、と放心状態で、
うれしいというより、ほっとした。
赤ちゃんが胸元に運ばれて、
一番最初に思ったことは、
こんなのがおなかから出てきたのか!!
という衝撃。
体重は、2647グラムと小さいけど、
思ってたよりも大きく見えた。
両親が分娩室に入り、
気がつけば、ジャングルさんの両親も
はるばる小樽からかけつけてくれていた!
分娩室に入る時間がわかったころ、
ジャングルさんが連絡してくれていたらしい。
「最高の母の日のプレゼントだわ」
と声をかけてくれた。
ジャングルさんのおとーさんは、
休みが不規則な仕事をしているのだけれど、
12日は、たまたまお休みだったらしい。
こうして、東京からくるジャングルさんと、
小樽から来たジャングルさんの両親を待って、
最高のタイミングで生まれてきてくれたわけだ。
赤ちゃんは、生まれたてにもかかわらず、
ぱっちりした目を開けていた。
誰に似てるか、よくわからなかったけど、
みんなかわいいって言ってたから、よかった。
分娩台に横になったまま、初めての授乳をする。
たったいま、生まれたばっかりなのに、
赤ちゃんは、完璧に、ぱくっと吸い付いた。
本能で、飲み方を知ってるらしい。
一発目から、ものすごい食いつきでした。
落ち着いてから、ジャングルさんに
出産に立ち会ったことについてきいてみた。
文字にしてもエグいけど、
その一部始終を間近で見ていたジャングルさんは
大丈夫だったのか、心配だったから。
そしたら、立ち会って本当によかった、
と言っていたので、安心した。
血を見るのを怖がっていたジャングルさんは、
立ち会ったことで、父親スイッチが入ったようだ。
出産は、今までの経験がぶっ飛ぶような、
恥ずかしいことの繰り返しだった。
みんなが言うような、出産の感動を味わう余裕なんてなかった。
人間も動物なんだなって、割り切るしかなかった。
とにかく長かったけど、
わたしのような人間が母になるには、
これくらいのショックが必要だったってことだと思う。
ここまで苦しんだんだから、
赤ちゃん、ちゃんと育てないと、と思ったし、
その後のいろんなことも、
陣痛に比べたら、はるかにマシ!!
と思えるようになった。
前よりも、だいぶ強くなったかな。
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