「トイレット」
「かもめ食堂」のヒットから、
同じような空気感の作品がたくさん量産されてはいましたが、
やっぱり、荻上直子の監督作品は、突出してすてきだと思います。
そういうわけで、「トイレット」は、とてもたのしみにしていました。
登場人物は、カナダ人の若者3人、プラス、もたいまさこ。
ポスターや、予告を見るだけでは、一体どういうストーリーなのか、
全然想像がつかなかったです。
でも。
おもしろかったーー。
なんていうか、ところどころにセンスのよさが感じられて、
最後の最後まで、手が込んでいる映画、というかんじがしました。
わたしはとても気に入りました。
もたいまさこは、3人の兄妹たちの祖母で、
「バーチャン」と呼ばれています。
彼らが飼っているねこの名前は「センセー」。
彼らのカタカナの発音が、この映画のふしぎ感を盛り上げていると思う。
ひきこもりのモーリー、マジメでオタクなレイ、
ちょっと生意気な妹のリサ、
それぞれが抱える心のわだかまりが、
バーチャンとの交流によって、徐々にとかされていくお話。
もたいさんの、あの独特の雰囲気は、いったいなんなんでしょうね。
ゆったりした動作だけなのに、どきどき、わくわくする、というか。
唯一無二の女優さんですね。
荻上監督は、最初から、もたいさんをイメージして脚本を書いたそうですが、
なるほど確かに、彼女でなければ、この映画は成立しなかったと思います。
ほかのキャスト3名もすごくすきでした。
特に、レイのぴっちり七三分けの髪型が、たまらないですね。
そして、レイの同僚のインド人のアグニが、ものすごくいい味を出してました。
彼の演技から、目が離せなかったな。
そして、モーリーのピアノ演奏のシーンもすてきでした。
とてもきれいな音楽だったー。
リストのため息が流れてくるシーンは、ちょっと感動してしまいました。
ただ、なぜ、トイレットなのか。
その謎が解かれないままだったのは、とても残念ですが、
とにかく、最後の最後まで、飽きずに見られる映画でした。
見たあと、ほっこりする映画です。
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