ABSOLUTE LIFE

すてきなものにかこまれ、すてきな音楽をきき、すてきなものをたくさん見ることが、心のビタミン補給です。
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ジャングルさんのおめかし。

汐留のコンラッドで、食事をすることにした。
レストランを選ぶときは、雰囲気を重視しているので、
つい、外資系ホテルに偏ってしまいます。

ホテルのような、高級な場所で食事をすることは、
自己投資だと考えています。
おいしいごはんを食べることよりも、
一流のサービスを味わうことで、
「こういう場所にふさわしい人間になりたい」
という、モチベーションアップを図るのです。
ふつうのお店にはない、完璧なサービスを受けながら、
まわりのお客さんたちを観察します。


お酒と食事を、最大限に味わうため、
わたしはプールで泳いでから、汐留に向かうことにしました。
ジャングルさんとは、駅で待ち合わせをすることにしましたが、
わたしはとても心配だったので、

「ちゃんとしたレストランに行くのだから、
 きちんと、おめかししてきてね」

と釘をさして、出かけました。

たっぷりと、1時間くらい泳いだ後、駅でジャングルさんの服装を見て、
わたしはがっかりしました。

確かに、その日はジーンズではなく、ちゃんと黒いパンツをはいてた。
でも、コートの下は、長袖のTシャツだったのです。
これから行くのは、高級ホテルのレストランです。
そんなに高いレストランではないけれど、ドレスコードがあるようなお店です。
そこに、長袖Tシャツの男と食事をするなんて、
ジャングルさんはよくても、わたしがはずかしい。

わたしが、おめかししてきて、って言ったじゃないか、と言うと、
ジャングルさんは、あからさまにムッとした顔をして、

「おめかし、ちゃんとしたもん」

と言う。
きみがどんなにおめかししたと主張したところで、
Tシャツは、ナシですよ。

ふたりで、黙り込んだまま電車に乗り、時間が過ぎたところで、
ジャングルさんの話をきいてやることにした。

「おめかししてきてっていうからね、
 ちゃんと髪もセットして、ピアスもして、指輪もして、
 ズボンもちゃんとしたのはいてきたんだよ。」

そこまで細かい部分に気を遣ったのに、なぜTシャツ!?
いちばん大事なところを間違える、
それがジャングルさんなのです。

「おれ、残念だね…」

と、自分で自分を残念がるジャングルさんを見て、
わたしもあきらめがついたので、
新橋でシャツを買ってから、レストランに行くことにした。

新橋のスーツやさんで、うすい紫のストライプで、
襟と袖の裏地が花柄になったシャツを買った。
シャツを着た瞬間、ジャングルさんは、

「おれ、カッコイイ!」

というような、最強のドヤ顔をしながら、

「おれ、何でも似合っちゃうんだよねー」

と、調子に乗り始めたので、むかついた。
でも、まあ、いい。これでレストランに堂々と入れる。

一年に何回かは、こういうところで食事をしているので、
ジャングルさんも、さすがに慣れただろうと思っていたのだが、
まだ、甘かった。
おしゃれすぎる人もどうかと思うけど、
おしゃれに無頓着すぎる人も、困るわね。

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