美輪様の音楽会にて。
ずーっと前からたのしみにしていたのですが、
美輪明宏の音楽会に行ってきました。
わたしは、かれこれ10年くらい前から、美輪明宏の本を心の支えにしてきました。
美輪明宏のおしえが、現在のわたしを形成しているといってもいいくらいです。
そんなわたしが「生美輪様」をおがめるのですよ!!
美輪様に会うのが、わたしの夢でしたので、
前日から、おでかけ用の洋服をいそいそ買いに行ったりして、
すごくはりきって出かけました。
ここからは、ネタバレですよ。
これから行く予定の方は、見ないでね。
会場は、渋谷のPARCO劇場。
小さいところ。
受付を通ると、ものすごい量の著名人からのお花、そして、華やかな香り。
古館伊知郎、ベッキー、及川光博、江原啓之、三谷幸喜、などなど、
幅広い世界のひとたちからの豪華なお花が届いていて、
美輪様の交友関係の広さにため息がでます。
そして、会場にたきしめられた、あの香り。
美輪様が香りを大切にしていることは知っていたけれど、
ロビーにも、香りがたかれているとは。
細やかな演出に、「麗人」とはかくありき、と納得。
第一部は、昭和二十年代くらいの歌謡曲が中心。
美輪様は、きらびやかな衣装で歌い続けるのです。
マイクは、胸の下あたりに持っていらしたのですが、
それでも、声を張ると、会場の空気が揺れるほどの声量。
圧倒的でした。
照明もとても凝っていて、まるで1曲1曲が、短い演劇。
ここまで豊かな表現力を持つひとを見たのは、初めてです。
ただ、わたしにとっては、遠い昔の音楽だし、
美輪様の歌声が、とても心地よいために、
ちょっと眠くなってしまいましたー。
第二部は、シャンソンがメインで、こちらは歌そのものもたのしめました。
音楽がとても美しかった。
そして、75歳とは思えないパワフルなパフォーマンス。
どうして、あんなにすごいエネルギーがあるんだろう。
やっぱり愛の力なんだろうか。
シャンソンは、基本的にフランス語で歌われるので、
歌の前に、日本語の歌詞を、ひとつの小さなお芝居のように表現してくれるのですが、
その演技力も、すばらしい。
ひとりで、4人くらいの役を演じ分けるのですが、
声のトーンやセリフの言い方だけで、
そのひとが若いのか、老いているのか、男性なのか女性なのか、はっきりとわかる。
もう、表現力の次元がちがうのです。
歌のひとつひとつ、ことばのひとつひとつに、ちゃんと世界があって、ストーリーがあって、
魂がこめられているのです。
音楽会、なので、途中でトークもいろいろありました。
ずっと、強く念じ続けていれば、願いは叶う、ということばに励まされ、
だれかを、何かを愛するためには、まず、自分のことを愛することが必要です、
ということばに、感動してしまった。
わたしは今の自分をどうしてもすきになることができなくて、
そのために、いつも精神が不安定でしたが、
美輪様にやさしく語られると、ここが、わたしの乗り越えなくちゃならない壁なんだなと思ったから。
その後、アンコールで「愛の賛歌」を歌われたのですが、
気がつくと、自然に涙が出てしまいました。
たぶん、以前テレビで見たときよりも、ずっとずっと迫力があったからだと思います。
美輪様が、全身全霊をこめて、
「愛って、すばらしいんですよーー」
と言っているのが伝わってきました。
まわりのお客さんも泣いているひとが多かった。
ふわっとした衣装で力強く歌う美輪様は、
最後に、金色の紙吹雪のなかで微笑んでいて、ほんとに神様みたいでした。
会場全員がスタンディングオベーション。
間違いなく、今まで見たなかで、一番すごい「表現者」でした。
演技と歌に、ここまでひきつけられたことはなかった。
とにかく、「すごい」としか感想が出てこなかった。
すばらしい音楽会でした。
わたしは美輪様の考え方や生き方そのものを尊敬しているため、
ふつうのひととは感覚がちがう部分があると思います。
正直なところ、この音楽会は、すききらいが激しく分かれるところだと思います。
でも、わたしは見てよかった。
明日へのエネルギーをいただきました。
充実した休日だった。
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