ABSOLUTE LIFE

すてきなものにかこまれ、すてきな音楽をきき、すてきなものをたくさん見ることが、心のビタミン補給です。
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モラトリアムの終了。

恋人に2週間ぶりくらいに会った。
たった2週間なので、特に寂しいとは思わなかったのだけれど、
それでも、彼を見ると、顔がどうしても緩んでしまい、それは彼も同じだった。

お茶をして、お花見をして(北海道はやっと桜が満開…)いる間、
わたしたちは、異様にテンションが高かった。
やたらお互いに声が大きくなっていたし、公園では犬みたいに走り回った。
何をしていても、時間があっという間に過ぎていった。
彼がいると、明らかに時間の流れのはやさがちがう。

彼の住んでいる街(わたしが4月末まで7年間暮らした街)から、
わたしの住んでいる街までは、車で5時間ほどかかる。
ばんごはんを食べながら、
「よくこんなところまでひとりで来たね。
 そんなにひまだったの?遊んでくれるともだちはいないの?」
ときくと(冷たすぎ?)、彼は
「ともだちじゃだめだから、ここまで来たんだよ」
と言った。
わたしは生きている価値があるんだと思った。

夜になって、先日面接を受けた会社から、採用の連絡が入った。
一社目にして、もう採用されてしまった。
わたしの就職活動は、実質3日で終了した。
あまりにあっさり決まってしまったので、まだ心の準備ができていない。

恋人に仕事が決まったことを告げると、彼も喜んでくれ、
絶妙なタイミングで会えたことに感謝したのだけれど、
一ヵ月半のモラトリアムが終了することを、2人ですこし悲しんだ。

わたしが以前の会社を退職してからいままで、
わたしと恋人はともに無職だった。
時間が無限にあり、お金もあった(恋人にはなかったけど…)。
一ヶ月ものあいだ、毎日深夜までくだらない話をして、昼まで眠り、
いっしょにごはんをたべて、どこへでもおでかけをした。
ずっといっしょにいたけれど、お互いに、まったく飽きることがなかった。
まともな大人なら、仕事ですれちがいの生活があたりまえで、
こんな時間は持てない。
お互いにろくでなしで、本当によかった。
とにかく内容の濃い日々を送ることができ、
人生でいちばんしあわせな生活だった。

離れたとはいえ、無職であれば、いつでも会えるし、
いつでも電話ができるけれど、
仕事を持てば、休みは重ならないので、会うのが難しくなるし、
次の日のことを考えると、気軽に電話もできない。
これがあたりまえのこと。
そうはわかっていても、一度味わったしあわせの味は、
なかなか忘れられないものだ。
「お互いに無職って、本当にすごいことだったよね」
と、改めていままでのぐたぐたな生活を思い返し、賞賛した。

モラトリアムというのは「きみはペット」というまんがで使われていた言葉。
辞書で調べると、3つめにこんな意味が書いてあった。

3 肉体的には成人しているが、社会的義務や責任を課せられない猶予の期間。
 また、そこにとどまっている心理状態。

まさに、わたしたちの生活はモラトリアムの模範例とも言える状態だった。

「きみはペット」は、わたしがいちばんすきなまんが。
すみれちゃんとモモは、わたしと恋人の関係にとてもよく似ている。
もちろん、わたしはすみれちゃんほど有能且つ美人ではなく、
彼はモモみたいに踊れるわけではない。
けれど、これを読んだとき、すみれちゃんのモモに対する気持ちが、
わたしの恋人に対する気持ちとシンクロしていて、
買わずにはいられなかった。
本当ははすみくんのようなひとがいてくれれば、
もっとすみれちゃんにシンクロできるのですけれど。

彼は、また、5時間かけて帰っていった。
わたしは明日から初仕事。
どうしよう。

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