ABSOLUTE LIFE

すてきなものにかこまれ、すてきな音楽をきき、すてきなものをたくさん見ることが、心のビタミン補給です。
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瀬尾まいこ 「幸福な食卓」。

ものすごーくよい本でした。
とても気に入りました。
心が温まり、しめつけられ、でも、また、温まりました。
電車のなかで読んで、泣きました。
「これは、すごい本だ」、と思いました。



このひとの文章は、とてもシンプルで、わかりやすい。
登場人物の感情が、ストレートに伝わってくる。
書いてあることが、すんなり頭に入ってくる。
さすが、国語教師(作者は現役教師です)。
先生は、物事をわかりやすく伝えてくれなくちゃね。

まじめな性格の佐和子、
天才的に頭がよいのに農業に従事する兄。
「父さんを辞めようと思う」と言って、父さんをやめた父。
家を出て、一人暮らしをしている母。
ある一件がもとで、ねじれてしまった家族の日常が、
淡々と描かれていきます。
実は、重たい事件がいろいろあるのだけれど、
家族の団結力で、優しく受け入れていくのがとてもよかった。

細かいエピソードが、とってもすてきです。
たとえば、おかーさんの作る生クリーム蕎麦、とか、
兄の直ちゃんがつれてきたクリスティーヌ(ニワトリ)とか。
そういうちょっとした部分に、惹かれるものが多かった。
わたしは本を読むとき、
ストーリーよりもディテールを重視してしまう傾向があります。

この本のキーパーソンは、小林ヨシコですね。
彼女のキャラクターは、とてもよいですね。
恋人の家へのおみやげに、油を持ってくる女。
友達にはなれなさそうですが、
客観的に見る分には、興味深いです。

いろいろ思い入れがあるのですが、
あんまり書くとネタバレになってしまうので、
とにかくとてもよい本だった、ということだけでやめておきます。

この本は、映画化もされていて、
主人公佐和子は北乃きいが演じているそうです。
わたしのイメージにぴったりだったので、うれしくなりました。

今度見てみよう。


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2 Comments

ナルセ says..."私も先生です"
けど,分かりやすく教えてすべてをすんなり納得させるだけでなく,分かりにくく教えて考えさせることも必要だと思う。

この作品は映画で観ました。小説で読んで楽しめるかどうかは自信がありませんが,映画はとても素敵でした。特に,名前も知らなかった北乃きいちゃんの魅力にはやられましたね。注目している若手女優です。
ちなみに,私は難しい小説でないと読めないのです。分かりやすい文章はイライラしてしまって。
2009.01.10 01:18 | URL | #EzYRtWeM [edit]
うさぎ says...""
じゃあ、たぶん、ナルセさんにはこのひとの本は向かないですねー。
わたしがちゃんとわかるってことは、
相当わかりやすい文章なはずなので。

学校の先生の話は、わからなさすぎると思ったことがよくありましたが、
裏には、そういう思惑があったのか、と新発見です。
なるほどね。
2009.01.10 22:43 | URL | #1jxB54a6 [edit]

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