奥田英朗 「イン・ザ・プール」と「空中ブランコ」
会社で、あけみさんにいっぱい本を借りました。
このひとの本、初めて読みました。
なかなかにおもしろかった!
これは、短編集で、それぞれの登場人物が、
何らかの症状を抱えて、精神病院に行くのですが、
そこで、とんでもない医師に出会います。
でも、彼との出会いを通じて、精神的呪縛から解き放たれる、というもの。
このお医者さん、太っていて、さえなくて、大人気ないのですが、
なぜか、彼と出会うことによって、みんな症状が改善していくわけです。
この医師は、自分の気持ちに正直すぎる生き方をしているので、
「自分も、これでいいのか」
と安心できるのでしょうね。
貸してくれたあけみさんとも、
「こんな医者がいたら、診てもらいたいよねー」
と話していました。
それぞれの主人公が訴える症状は、
誰もが陥りそうなものなので、
「もしかしたら、自分にもそういう部分はあるのかもしれないなあ」
と思いながら読んでいました。
そういうところも、このひとのうまさなのでしょう。
本来、人はみな、自由な生き物なのです。
それなのに、自分で自分の世界を「ここまで」と決めて、
自分で自分を閉じ込めているのです。
本当にそういうひとは多いです。
わたしは、ふつうのひとよりもはるかに多く転職&引越しをして、
いろんなひとを見てきましたが、
何も行動を起こさずに、現状に不満をもらすひとがとにかく多かった。
動いてみれば、意外とかんたんなことだったりするし、
大変なことも、そのうちすぐ忘れちゃうんだから、
自分の思うとおりに生きてみればいいのに。
わたしはそういうひとたちに、この2つの本をおすすめしたいです。
きっと、読んだらすっきりするはず。
- 関連記事
-
- 万物はすべからく流転する。 (2008/12/09)
- 東野圭吾「仮面山荘殺人事件」 (2008/11/19)
- 奥田英朗 「イン・ザ・プール」と「空中ブランコ」 (2008/11/09)
- 美輪明宏 「乙女の教室」 (2008/11/02)
- 松尾スズキ「クワイエットルームへようこそ」 (2008/07/12)