わたしは、きらいなものが多い人間だ。
満員電車、
人ごみ、
雨の日、ぬれた長い傘をくっつけてくるひと、
メールの絵文字(自分がメールを送るとき限定です)、
スターバックスのソイラテ、
ホラーとかアクションとかサスペンスとか、人が殺される本や映画、
などなど。
でも、何よりもきらいなのは、「泥酔したひと」だ。
どん引きしてしまう。
わたしもお酒を飲むことはすきだし、酔っぱらうことはよくあるけれど、
歩けなくなるまで、理性を失うまで泥酔したことはない。
だって、
「あー、これくらいでやめないと、こわれちゃうな」
って、自分でわかるでしょ。
自分の家族がお酒を飲まなかったので、
初めて泥酔したひとを見たのは、大学生のときだった。
そのとき、あまりのだらしなさに衝撃を受けた。
人前で、あんなふうになったら、恥ずかしくて死ぬかもしれないと思った。
わたしが、よっぱらいに対して嫌悪感があることを知っていながら、
ジャングルさんは、たまに泥酔する。
全然理解できないので、やさしくできない。
わたしだって、しょっちゅう具合悪いし、家事もまじめにやってるわけじゃないし、
情緒不安定でこわれることはいっぱいあって、
ジャングルさんは、それを受け入れてくれるけれども、
わたしはジャングルさんに対して、優しくしてあげられない。
自分は、愛のない人間なんだなって思った。