SOMEWHERE
ソフィア・コッポラのSOMEWHEREみてきました。
ちょうど、会社のななめ向かいに座っているAさんが、
ソフィア・コッポラがすきだとわかったので、
「これは、いっしょに見に行くしかないね!」
という話になったのです。
彼女の作品は、映像はきれいなのですが、ストーリーがぼんやりしすぎているので、
ふつうの映画好きのひとと観にいくと、気まずくなることが容易に想像できます。
また、ひとりでみたら、今度はストーリーがわからなくてもやもやするので、
お互いにとって、とてもよい同伴者をみつけたー、という状況だったのでした。
この作品、ヴェネチア国際映画祭でいちばんいい賞をもらったことと、
レビューの評価がよかったので、ちょっと期待していたんですが。
わたしにとっては、あまりにも繊細すぎて、とてもむずかしい映画だった。
いままでのソフィアの作品のなかで、いちばんぼんやりしたストーリーです。
たぶん、ストーリーを映像だけで切り取ろうとしているためだと思われます。
だから、
「え?なんで?どうしてそうなった?」
と、取り残されるシーンが多数ありました。
あと2回くらいみないと、このストーリーを理解することはできないかもしれない。
たった1時間半の映画でしたが、そのわからなさ具合のために、
実際よりも長く感じてしまった。
その分、映像は非常にきれいです。
すべてのシーンが本当に美しいです。
あの世界に入りたい!と強烈に思いました。
いままでの作品のなかで、いちばんきれいかもしれない。
スティーブン・ドーフは、くたびれたかんじだったけど、かっこいいし、
エル・ファニングは、まさに完璧でした。
演技も、かもしだす雰囲気も、容姿も、
すべてがクレオにぴったりだった!
彼女を見るためにこの映画を見てもいいと思います。
そのくらい、彼女はとても魅力的でした。
彼女がスクリーンに写しだされると、
表情やしぐさのひとつひとつにくぎづけになってしまいます。
そして、ソフィアの映画で重要なのが、音楽のかっこよさ。
使われる音楽が、他の映画とは全然ちがう。
どうしてあんなにセンスがよいのかしら。
ラストのシーンにつながる音楽と、クレオのフィギュアのシーンで使われた曲が
すごく印象的でした。
残念ながら、サントラの発売予定はないとのことですが、
あったら、絶対ききたいのにー。
というわけで、思い切り現実逃避ができて、うっとりできました。
ただ、ストーリーがないので、ドラマチックな展開を求めるひとにはおすすめできない。
ただただ、きれいな映像とすてきな音楽の融合をたのしみ、
エル・ファニングのかわいらしさにうっとりする。
それが、この映画のたのしみかたなのだと思います。
わたしは見てよかったです。