ABSOLUTE LIFE

すてきなものにかこまれ、すてきな音楽をきき、すてきなものをたくさん見ることが、心のビタミン補給です。
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手料理で、おもてなし。

ホームステイを始めて1ヶ月半。
このあいだ、まったく料理をしていない。
ホストマザーのカーマンのお手伝いはたまにするものの、
自分のランチすら、スーパーで買ってきている。

だって、自分で作った料理は、全然おいしくないし、
自分の家以外のキッチンで料理をするのがいやなのだ。
わたし、ありえないくらいに要領悪いからね。

でも、料理は文化だ。
わたしの作る手料理は、彼らにとって思い出になるにちがいない、
それがたとえおいしくなかったとしても、ね。

ロンドンは大都市なので、かなり多くの日本人が滞在しており、
日本の食料品のお店がある。
いちばんメジャーなのは、
ピカデリーサーカスという中心部にある
「ジャパンセンター」ですね。
その名の通り、日本のものが買えます。

というわけで。
材料は問題ない。
問題なのは、レシピだ。
なぜなら。

ホストファザーのマイクは、ベジタリアンなのだ。

ベジタリアンは、肉とシーフードをきらう。
匂いすら、だめなのだ。
日本料理の根本である「だし」がきらいなのだ。
さーて、いったいわたしは何を作ればいいのやら。
カーマンは、
「とうふを使えばいいじゃないの」
と言うが、とうふだけの献立って、冷奴しかないじゃないか。
ネットで探しても、ほかのひとたちはみな
「お好み焼き」
とか、
「日本独特のとろりとしたカレー」
とか、
「肉じゃが」
とか言ってる。
わたしだって、大昔、アメリカにステイしていたときは、
肉じゃが作ってあげたわよー。
あの時は、メニュー即決だったのだが、今回はちがう。

日本には、ベジタリアンはほとんどいないからさ、
野菜だけの献立って、むずかしい。
わたしはひたすら考えた。

それで。
夏だし、ラーメンサラダとおにぎりをつくることにしました。

ラーメンサラダの上には、うす焼きたまごと、きゅうりと、
セロリとパプリカをトッピングし、
ごまドレッシングをたっぷりとかける。
おにぎりは、日本米を炊いて、
ジャパンセンターに売っていた高菜を混ぜ込み、にぎった。

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ほっかほかのごはんをにぎって、のりでくるんだら、
カーマンが、
「それはちがうわ」
と言って、写真のように海苔をカットしていた。
…それは、まんがの中だけなんだけど…、
そして、わたしは日本人なんだけど…。
こっちのひとは何事にも自分の主張を押し通す。
いちいち反論してられないので、そのままおまかせしました。
しかも、彼女はわたしの料理がまずくて食べられないかもしれないから、
ちゃんと予備の食事も用意していたよ…。
……。
まあ、いいけど。

「できましたよー」
とマイクを呼ぶと。
「うわー、カラフルですごくきれいだー、おいしそうだー。
 カーマンは野菜をこんなに細かく切らないよー」
と言って、ずーっとその料理を見ていた。
なるほど。わたしの料理は、繊細さ、という点において、
日本らしさを伝えることができた模様。
そして、「とてもおいしい」と言って、たくさん食べてくれ、
カーマンは、
「どうやって作るの?作り方をおしえて。
 マイクに作ってあげなくちゃ。」
と言っていた。
おほほほほ。
わたし、野菜を刻んでごまドレッシングをかけただけよ。
何も味付けしていないわー。

カーマンは、
「すごいわー、うさぎー。」
と言って、わたしをたいそうほめてくれた。
「本気を出せばこんなもんよ」
と言いたかったが、英語でどうやって言えばいいのかわからず。
まだまだ修行が必要ね。
とりあえず、次回のカーマンとのデートは、
ジャパンセンターに行くことに決まった。

とりあえず、わたしの女子力をホストファミリーに証明できたし、
みなよろこんでくれたので、
今回のミッションは成功だったと言えよう。

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パブに行きました。

1週間ほど前から、韓国人クラスメイトのソンヒが
「金曜の夜にパーティーするぜー。」
と言っていたので、
クラスメイトたちと、大勢でパブに飲みに行くことになった。

パブ、とは、ビールを飲むためのバーです。
イギリス人、ビールだいすきです。
昼間から飲んでます。
決してあやしい場所ではありません。
(約1名、わたしの元同居人があやしいお店だと勘違いしていた模様)

ソンヒは1週間ほど前から、毎日毎日
「パーティー、パーティー」
と言っていたので、
わたしは1週間ほど前から、
「何時から、どこでやるの?」
ときいていたのだが、
結局その日の午後になってもわからない、と言うので、
わかり次第メールを送るよう指令を出した。

夜9時。
ソンヒからのメールは、来た。
「Come」
一語のみ。
だから、どこへ?
わたしは1週間も前から同じ質問をくりかえしていたのだが。

結局、フラムブロードウェイに来いというので、
バスに乗って、パブが集まる場所まで行ってみた。
しかし、彼らはいない。
しばらく待って、やっとソンヒと、日本人のさとしくん、
コロンビア人のホルヒと合流することができた。
「ほかのメンバーは?」
ときくと、
「学校から歩いてくるから、ちょっと待とう。」
ということになった。

この時点で、わたしはかなりやる気を喪失していた。
なんだろう、このぐだぐだ感。
日本で飲むときは、事前に店を予約し、
事前に時間と場所を指定しておくのがふつうなのに、
金曜の夜10時半、メンバーは集まらないし、店も決まっていないなんて。

いらいらしつつ、待っていると、道路の向かいのスーパーの前で、
缶ビールを飲んでいる集団を発見。
クラスメイトのスペイン人グループだ。
これからパブに行くのに、なぜ路上で缶ビールを飲んでいるのだ。
わからぬ。理解不能だ。
わたしはソンヒに
「あいつらを呼んで来い。」
と指令を出した。
素直に道路の向かい側にダッシュするソンヒ。
しかし、いつまでたっても戻ってこず、談笑している。
なんと、スペイングループに吸収された模様。
…刺客をえらびまちがえてしまった。

結局わたしたちも道路の向かい側に渡り、
「ほら、行くぞ」
と促さなくてはならなかった。

さて。
パブの前に到着したが、
彼らは缶ビールを手にしているので、
それを持って中に入ることができない。
パブの前の路上で缶ビールを飲みまくり、大さわぎする若者たち。
しらふ、かつ、よっぱらいがきらいなわたしは、
彼らのテンションについていけず、どん引きだ。
さとしくんがフォローしてくれなかったら、
わたしは確実にキレていた。

ようやく缶ビールを飲み終えて、中に入り、席を確保するが、
スペイングループは、やってこない。
何をするにも時間がかかる。
なぜだ。
どうして、
「店で酒を飲む」
ということだけに、こんなに時間がかかるんだ。
このときすでに、わたしはキレるのを通り越し、
疑問の渦に飲み込まれていた。

やっとスペイングループが到着したと思ったら、
音楽に合わせ、テーブルを叩き出し、踊りだす。
文字通りのどんちゃんさわぎだ。

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それに並行して、写真撮影大会が始まる。
ずーっと写真を撮りあっている。そして、笑っている。
なんで同じような写真を撮り続けて笑っているんだろう。
飲み物も頼まずに、ずーっと写真を撮って爆笑している彼らは、
わたしの理解の範疇を完全に飛び越えていた。

これ以上がんばれないところまできたので、
パブのなかを探検してみることに。

その日は金曜だったので、
パブの中央でシンガーが弾き語りをしている。
これがまた、うまい。
歌い方、声、ギターの音のつくり、選曲、全部すてき。
お客さんもごきげん。

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トイレに行ってみたんですが、
そこにある鏡が設置してある場所が、ありえないほどに高かった。
わたし、自分の顔がうつりませんでした。
何なのさ。

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探検もひととおり終わったので、
「帰る」
と言ったところ、コロンビア人ホルヒが
「それじゃあ、お家まで送るよ、あぶないから!」
と言って、引き下がらなかった。やさしいなー。
たのしんでいるホルヒをじゃましたくなかったので、
「わかった、じゃあ、飲み物を頼んでくるわ。」
と言って、お酒でごまかすことにした。

飲み物をオーダーして、店内をうろつくと、
イタリア人の友人ステファノが、クラスメイトと飲みに来ていたので、
彼にかまってもらうことにした。

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左がステファノ。なんと、わたしと同じ歳…。信じられぬ。
右は、超巨大ギネスを飲み干そうとするわたし(うそ)。

「あのね、みんながおおさわぎでね、
 全然ついていけなくってね、
 もうどうしたらいいのかわかんないんだよぅ。」
と泣きついた。
ステファノと導き出した結論は、
彼らはまだ若いから、大騒ぎしたい年頃なんでしょう、
ということになった。
そうか、年齢がちがいすぎるのか。

とりあえず、結論を出したあと、
わたしはステファノに、
「女の方が男よりも変態なんだ。」
という真理を滔々と語り続けてしまい、
ある意味それを立証することになってしまった。

あー、それにしても大変な夜だった。
もうこっちで飲みに行くのがこわいんだよ。
とりあえず、今日学んだことは、
スペイン系の人々は、時間にルーズでものすごくテンションが高い、
ということだ。
すべてのひとがそうとは限らないのだが、
でも、日本人とは文化が全然ちがうー。
この雰囲気、慣れることができるんだろうか、
いや、でも、慣れたくない気もするし。
どちらにしても、もうしばらくパブには行かない。

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お買いものどころ。洋服編。

こっちに来ると、まず生活必需品を購入するのが大変です。
日本とブランドがまったく異なるので、
どこのお店が、どんな品質で、どんなお値段なのか。
それぞれの特徴を把握するのに、かなりの時間がかかります。
特に、ロンドンは物価が高いので、
いろいろ買うのをためらってしまいますからね。

というわけで、わたしの独断と偏見で、
お買い物におすすめのお店を
ピックアップしていきます。

今日は洋服編です。

洋服やさんのいちばんのおすすめは、H&Mです。
かばん、洋服、下着、アクセサリー、コスメなど、
何でもそろいます。
値段が安い割には、品質、デザインともに納得できます。
シンプルなデザインのものが多いし、
ちゃんと小さめサイズもそろってます。
洋服が必要になったときは、いろんなところを見てまわっても、
結局ここで買ってしまいます。
店舗数がものすごく多いので、お買い物に便利だし、
こども用のブランドも持ってて、けっこうかわいいので、
わたしのようなミクロな方にはおすすめです。

つぎのおすすめは、MARKS&SPENCERです。
これは、洋服やさんではなく、ちょっと高級なスーパーです。
洋服、下着、雑貨類も売っています。
わたしはMARKS&SPENCERのすべてをものすごく気に入っています。
わたしの友人は、
「あそこはおばちゃん向けよー。」
と言っていましたが、
シンプルなデザインで、色のきれいなものを選べば、
若者でも十分いけます。
サイズも、8(日本でいうXSサイズ)からあるし、
大型店は品揃えがかなり豊富なので、とてもおすすめです。

ちょっと凝ったデザインの洋服がほしいのなら、
TOPSHOPと、oasisというお店がおすすめです。
ただし、前述の2ブランドにくらべ、値段はぐっとあがります。
でも、デザインはなかなかいいです。

以上がわたしのおすすめなんですが、
最後に一応PRIMARKのことも記述しておきます。
PRIMARKは、激安衣料店です。ユニクロよりも激安です。
Tシャツ1枚500円、靴は1足1000円くらいで売ってます。
靴、生活雑貨、下着、なんでもめちゃくちゃに安いです。
イギリス人は、贅沢をしないひとが多いので、
このお店は、どこもいつも混雑していて、レジに長蛇の列ができています。

確かに安いことは安いんですが、デザインと質がよくありません。
肌触りもよくないし、つくりもかなり雑で、耐久性がありません。
お値段どおりの価値しかないです。
ユニクロのような日本の企業とは全然ちがいます。
何度か足を運んでみましたが、いつもいいものがみつからないし、
(あんなにたくさんのものたちが山積みになってるのに!)
部屋着などを買ってみましたが、上記の通りでした。
お値段重視の方にはとてもいいと思うのですが、
品質と値段のバランスを重視するわたしとしては、
おすすめできません。

ただし。
一度は見に行く価値のあるお店です。
いろんな意味でかなりおもしろいです。
いま、ロンドンでいちばん盛り上がってる店だと思います。

というわけで、洋服が大至急必要になったときには、
参考にしてみてくださいね。

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ビクトリア&アルバートミュージアム。

セントラルロンドンの西にある
サウスケンジントンという駅周辺には、
たくさんの美術館があります。
わたしの住んでいるところから、わりと近いので、
学校が終わった午後に、しょっちゅう遊びにいきます。
そのなかでも、いちばん気に入っているのが、
ビクトリア&アルバートミュージアム、という、
立派な名前の美術館です。

なぜ気に入っているのかというと、
絵や写真といったアートよりも、
洋服や食器や家具などの
「モノ」
が多く展示されているからです。
物を見る目を養いたいわたしにとっては、
最適の場所なのです。

入り口からして、その名の通り、たいそう立派です。
現代的なロンドンの街並みに反した、このアンティークな門構え。
一発で、これだ!とわかります。

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そして、回転ドアをくぐり、かばんチェックを受けると、
エントランスがピンクでした。
しかも、天井からさがるオブジェがへんてこりんだ。
ちょっとおっかない。

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いちばん最初に見た、ギリシャっぽい彫像のフロアの
わたしのおきにいりはこちら。

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下のひとの表情が、なんかリアルで気持ち悪い。

つぎはファッションのフロア。
ファッションについて展示している美術館て、
けっこうめずらしいよね。

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ウェスト、くびれすぎやしませんか。

大昔の貴族のお部屋のフロアには、
天蓋つきのベッドがたくさんあって、
いつか、大人になったら、
天蓋つきのベッドで眠るんだー、
とうっとりしながら写真をとっていたら、
何一ついい写真が撮れませんでした。
集中しなくちゃだめですね。

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この美術館、真ん中にお庭があります。
その庭の中心には小さな池があって、
こどもたちがぱしゃぱしゃと泳いでました。
この日はさすがのロンドンも、とっても夏らしい日。
気持ちよさそうだったなー。

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お庭を通り過ぎると、ステンドグラスのフロア。
ガラスやさんで働いていた経験があるので、
なかなかどうして、ガラスものは気になります。
ステンドグラスの製作工程を説明するビデオがあり、
見入ってしまいました。
やっぱり奥が深いね、ガラスは。

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その奥は銀器のフロア。
こんなにたくさん、びっしりと銀製品!

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ここまで来た時点で、けっこう疲れてしまい、
集中力がなくなっていたので、
また今度、じっくり見に来ることにします。

なんと、ショップでD-BROSの
「Hotel Butterfly」プロダクトを発見!

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やっぱり彼らのデザインは、
世界に認められるほど秀逸なのだね、
と、自己満足に浸る。

ショップの片隅に、こんな小部屋が。
思わず記念撮影しました。

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ちょっとほかの美術館とはちがっていて、
なかなかにおもしろかったなー。
お庭もすてきだったし、まめに足を運ぶことにしよう。


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病院行ってみたんです。

3日前から、左くるぶしが痛む。

ぶつけた覚えはない。
ひねった覚えもない。
ただ、海に行ってはしゃいだ覚えはあるのだが。

…いくら物忘れがひどいとはいえ、
こんなに痛くなる理由が思い出せないとは何事か。

初日は「なんか痛いなー」という程度だったのだが、
2日目になると、本格的に痛くなったので、
足首をぐるぐるまわしたり、ぎゅうぎゅう押したりしてみた。
が、いっこうによくならず(当たり前)、
5分も歩くと、すね、ひざまで痛みが響く。
駅から家までのたった15分の道のりが、
いばらの道のごとく大変で、泣きたくなるほどだった。
帰ってみてみると、左足が赤く腫れていた。

3日目になっても、症状はいっこうによくならない。
腫れも引かない。わたしの足はちぐはぐな大きさのままだ。
しかも、歩かずとも痛くなってきた。
まいった。降参だ。お手上げだ。
足が痛いと、何にもできませんよ。
美術館にも、お買い物にも、観光地にも、どこにも行けないのよ。
けれども、わたしのロンドンの滞在期間は短い。
1日たりともむだにしたくないのだ。

というわけで。
病院に行ってみることにしました。
だって、何の理由もなく突然痛くなるなんて、こわいじゃないか。

わたしは東京海上日動という会社の海外旅行保険に入っているので、
その保険会社の指定の病院に行くと、
キャッシュレスで診療が受けられる。
病院が、直接保険会社に請求してくれるので、便利です。

わたしが行ったのは、ジャパンメディカルセンターという
日本人向けの病院。
事前に予約が必要ですが、
お医者さんも、受付のひとも、看護婦さんも、
みんな日本人なので安心なのよ。
リバプールストリートの駅から、歩いて10分くらいでした。
ただ、看板がなく、とってもわかりずらいので、
ホームページのバーチャルマップをチェックしてから行くことをおすすめします。

とてもきれいな診療所だわね、と思いながら、受付で待っていると、
初診料の案内に驚いた。
なんと!

内科の初診料80ポンド(約2万円)!!
婦人科の初診料は150ポンド(約3万5千円)!!!
うひょーー。すごすぎます。
保険なしじゃ払えないぜー、と、
びくびくしながら必要資料を記入しました。

さて。
予約制ですから、ほとんど待たずにお医者さんが見てくれることに。
整形外科専門のお医者さんではないようでしたが、
やさしそうなひとで、信頼できるかんじでしたよ。
看護婦さんや受付のひとたちもみないいひとで、とても安心。

念のため、X線の写真をとってみましたが、
骨には特に異常なし。
こっちで歩きすぎて骨こわれちゃったのかも、
とか思ったけれど、大丈夫だった。よかったわー。
とりあえず、湿布の処方箋を書いてもらい、終了。
今はとにかく休む方がいいみたい。
でも、骨には異常なかったからね、再びうろうろするけど。

さて、わくわくどきどきのお会計。
結果は、なんと!

204ポンド(5万円近く)!!!!

息をのみました。高すぎて。たまげました。
ひっくりかえるかと思いました。
自分で払うわけじゃないからさ、別にいいんだけどさ、
それにしても高すぎやしませんか??

このお値段でも患者さんは来るんですねー。
わたしのほかにも、何人か日本人の女性が来てましたから。
確かに、日本語で症状を訴えることができて、
日本語で説明してもらえるのは安心だ。
それに、イギリスのお医者さんは、あまりあてにならないみたいだしね。
だから、安心料と思えば、高くはないのかもしれないけど。
でも、高いわよぅ。

いやー、医療費が高いって知ってたけどさ、
いざリアル請求額を見てみると、ちょっと引くね。
外国で暮らすって、
法律で守られてないって、こういうことなのかー、
と、愕然としました。
あー、びっくりした。

海外へ行くときは、何がなんでも海外旅行保険ですよ。
絶対必要ですよ。
ほとんどのクレジットカードに付帯してるはずなので、
その期間と保障金額をチェックして、
足りない分を補うために、保険会社の保険を申しこんでおくのがベストです。

念のため。
この病院の価格がすべて、とはかぎらないので、
あくまでも参考程度に、目安として考えておいてくださいね。

2

ポートベローマーケット

ロンドンにはものすごくたくさんのマーケットがあります。

マーケット、というのは、
テントみたいな簡易的なつくりのお店が、
道路沿いにたくさん集まっているようなところ。
ふつうのお店もいいけれど、
マーケットは、気軽にのぞけるのでたのしい。

メジャーな観光地を堪能したあとは、
マーケットめぐりをしようと思っています。
こっちで、ロンドンのマーケットを網羅した本を買ったので、
それを片手にね。
ふつうの観光ガイドブックとは一味ちがう、
ちょっとディープなロンドンをめぐるつもりです。

というわけで。
初めのマーケットは、「ポートベローマーケット」。
ものすごく大きなマーケットで、
アンティークの品々が豊富。
特に土曜日はたくさんのひとたちでにぎわいます。

わたしにとっては、まさに、理想の場所でした。
日本では手に入りにくいものたちが、
たくさん、たくさん並べられていたからです。
雑貨好きなら、必ず立ち寄るべき場所です。
ただし、お値段は、高めです。
ほしいものはいろいろありましたが、
「そこまでは出せないわ。」
というかんじのお値段でした。
たぶん、価値をわかってないからなんだろうなー。
アンティークについても、すこしづつ勉強しなくては。

最寄駅は、ノッティングヒル。
映画「ノッティングヒルの恋人」の舞台になった場所です。
こっちに来る前に、一度見ておくんだったー、
と、いま、後悔しているところです。

ノッティングヒルの駅から、ポートベローマーケットまでは、
15分ほど歩きます。
土曜日ならば、そこへ向かうひとがほとんどなので、
人の流れにのっていけば、たどりつけます。
わたしも地図も何もなく、ふらりと行きましたが、
あまりにも多くの人がそこへ流れていくので、
そのままついていったら、あら、マーケットだわー、
というかんじでした。

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こんなかんじで、ポートベローロードは大混雑。
とにかく、いろんな種類のお店があってびっくり!

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食べ物のマーケットも充実しているので、
おなかがすいたらサンドイッチやフルーツを買って、
歩きながらぱくり。
近所に公園があるので、そこでゆっくり座って食べることもできます。

もうとにかくたくさんのお店があるし、
とにかくたくさんのひとたちでごったがえしているので、
なにがなんだかわからなくなるけど、とにかくたのしい。

わたしが気に入ったのは、スタンプやさん。

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すっごくたくさんの種類の、繊細なスタンプたちがいっぱい!
写真ではお伝えできないんですが、とてもきれいでしたよー。

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そして、日本では、なかなか見られないもの。
スパイスのマーケットと、カーテンか何かのふさのマーケット。

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さいごに。
超大鍋パエリア!!

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おいしそう。次回トライします。

ここは、絶対にまた来る。
ロンドンで、いちばんおきにいりの場所になりました。

3

そういうことなんですよ。

先日恋人と電話をしたときのこと。

恋人が、会社のひとと話をしているとき、
わたしがロンドンにいることを言うと、
「絶対別れるね。」
と言われたらしい。
わたしも周辺のひとに、ロンドンにいくことを告げると、
みな一様に
「彼氏はどうするの。」
と真っ先にきいてきた。
お金よりも、仕事よりも、
みんな恋人のことが気になるらしい。
やっぱり、みんなの頭の中で、
「距離が遠くなれば必然的に別れることは明白。」
という方程式が成立しているらしい。

まあ、その可能性もなきにしもあらずだね。
世の中にはすてきなひとがたくさんいるし、
何せこっちには美しい男がいっぱいだからねー。
みんなモデルさんみたいにかっこいいです。

でも、現実はそう甘くないですよ。
イギリスにいても、イギリス人のともだちはいない。
そのへんのかっこいいブリティッシュメンズと
どうやったらともだちになれるのか、
わたしが知りたいわ。

こんなかんじで、わたしはとても気が多いし、
恋人は超天然だし、
ふたりとも自由でいないと呼吸困難になるので、
なんで3年もいっしょにいるのか、
ときどきわからなくなることがあります。
それくらい自然だということなんでしょうけれど。

ただ、ひとつだけ確信できることは、
ひととの距離は、決して住む場所ではかるものではない、
ということです。
わたしたちは、心のなかに
「どこでもドア」
を持っているからです。
だいじなひとのことは、いつでも、どこでも思い出せます。
だから、会う頻度、お家の距離は関係なくて、
そのひとのことを、人として、心から信用しているかどうか、です。
確かな信頼には、距離は関係ないのです。

わたしは恋人のことを世界でいちばん信用しています。
わたしのことを裏切らないと確信できるから。
それは、
「彼がわたしに夢中だから、ほかの女には目もくれないはずよー。」
とか思ってるわけではなくて、
わたしが彼に望むことを、
何が正しくて、何がいけないか、ということを、
ちゃんとくみとってくれる、ということだ。
性別やすききらいを越えて、
人として、彼のことを信用しているということです。

彼は、いつもわたしの期待を裏切らないのだ、
たとえ小さなことでも。

たとえば、わたしが仕事で彼が休日の日、
「洗濯とごはんをお願いね」と言うと、
必ずそれをしておいてくれた。

たとえば、遠距離中、わたしに会うことになっている日は、
仕事を頼まれても、それをすりぬけて、
必ず新幹線に乗ってくれていた。

そして、いちばんえらいと思ったのは、
わたしがロンドンに行くまで、
一度も「行かないで」と言わなかったこと。
彼は、弱音をはいてばかりのわたしに、いつも
「行きなさい」
と言った。
彼はふたたび、家族もともだちもいない場所にとり残されるというのに、
常にわたしの未来を見ていた。

今まで、たくさんのすてきなひとに会ったけれど、
彼以上に信用できるひとはいないのだ。
いつか、お互いに別のひとをすきになったとしても、
わたしは彼を信頼しつづけるだろうと思う。

だから、物理的に離れていても、それは関係ないのです。
「会えないから別れる」のではなくて、
「相手を信じられなくなるから別れる」のです。
相手のことを強く信じていれば、
遠く離れるのをためらう必要はないのです。

人生は一度きりなのだから、自分の思うように生きないとね。

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テートモダン。

「テートモダン」という、モダンアートの美術館へ行ってみた。

ウォータールーという駅の近く。
そこからバスで5分くらいです。
ただ、ちょっと入り組んだ場所にあったので、
わたしはうっかり通り過ぎてしまいましたよ。

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わたしはあまりモダンアートがすきじゃないのですが、
モダンアートの美術館の建物そのものがすきなのです。

ここの美術館も、もちろん入館料無料です。
わたしが愛するダリの特別展をやっていて、
見たいーと思ったのですが、
特別展は、入場料が必要で、それは二千円くらい。
ロンドンに来る直前に名古屋で見てきたので、節約しました。

この美術館、わたしはとっても気に入りました!

入り口は、こんなかんじでちょっと変わっている。

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入り口近くには、世界各国のデータをモチーフにした
映像と写真の作品が。
客観的に見る日本、TOKYOは、かなり興味深かったです。

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残念ながら、そのほかの作品は撮影禁止だったので、
あまり館内の写真を撮ることができなかったんですが、
すてきなものを発見!

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これ、フロアガイドです。
タッチパネルになってます。
すごくすてき!
作品もさることながら、
わたしはこれがいちばん気に入りましたよー。

ここもなかなかに大きな美術館なので、
また、じっくりと時間をかけて、見に来る。

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ピクニック。

ある日の夕方、
学校の食堂でインターネットをしていたら、
フダという名前のモンゴルのおともだちに会った。
彼女は英語と中国語と日本語を話す才女だ。

「これからクラスメイトといっしょに
 近くの公園にピクニックに行くの。
 いっしょに来ない?」
と言う。
なんでも、彼女のクラスの先生が今日で最後なので、
お見送りのピクニックなのだそうだ。

わたし、その先生のこと知らないんだけど、
行ってもいいのかな。
でも、誘ってくれてるんだから、いいわよね。

ピクニック、って、いいことばだな、と思います。
どこまでも平和で、健康的な響きだ。
そういえば、日本で
「ピクニックに行きましょう」
とお出かけしたことはなかったな。
帰ったら、積極的にピクニックに行くことにしよう。

スーパーで飲み物やおやつを買い、
みんなでぞろぞろと、最寄り駅近くの公園に行く。
その道すがら、今日で最後だという先生に話しかけてみた。

先生はまだ大学を卒業したての若者だった。
年齢はきかなかったが、おそらく23歳くらいだろう。
半年間この学校に勤めたのだが、
この後インドに行くのだと言う。

英語教師は、英語を母国語としない国すべてでニーズがある。
だから、職業の心配をせずに行きたい国に行けるのだ。
なんて自由な職業なんだ!
「だからこの仕事を選んだんだよー。」
と彼は言った。
英語の国に生まれるってことは、
すごいアドバンテージがあるんだな。

そんなこんなで公園到着。
まぶしい日差しをさけて、木陰に輪をつくり、
みんなでおやつや果物や飲み物を広げる。

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このピクニックで、わたしはじゅんこさんに出会った。
じゅんこさんはフダのクラスメイトで50歳の日本人女性だ。
いつもにこにこしていて、いろんなことを吸収するために一生懸命だ。
50歳にして、このがんばり、この輝き。
彼女とお話していると、やる気と元気をもらえる。
年齢をきいたときにはおどろいた。
気持ちでひとは、いくらでも若くなれるのよね。

ひとはみな、それぞれが自分だけの人生を歩んでいて、
それは、自分の心しだいで、いくらでも自由なのです。
たくさんのひとの話をきけばきくほど、
自分の世界が広がるような気がする。

有意義なピクニックでした。

3

セントポール大聖堂。

5年前、卒業旅行でロンドンとパリを訪れたとき、
いちばん印象に残っていたのが、
このセントポール大聖堂でした。

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セントポール大聖堂にのぼって、
天空から地上を見下ろしたとき、
「きっとまたもう一度ここに来る。」
と思いました。
ロンドンに来る前、
アメリカにしようか、フランスにしようか、
と、さんざん迷ったあげく、
イギリスに決めてからも、
北にしようか、南にしようか、さらに迷いましたが、
結局ロンドンに来ました。
そして、それは正解でした。
わたしの選択はいつも正しいのだ。

最終の入場時間は16時。
わたしが到着したのは15時くらいだったのだが、
ちょうど高校生らしき団体が入っていくところだったため、
時間をずらすために、カフェでお茶。

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しかし、それは大きな誤算だった。
なんと、ギャラリー(回廊)は、16時で閉場するというのだー。
16時以降になると、大聖堂フロアのみ観覧可能な
お安いチケットが売られるらしい。
時はすでに15時半。むおー、時間がないぞ。
しかし、ここに来たのに階段をのぼらないのは意味がない。
受付のおねーさんに、
「ギャラリーもいきたいよぅ」
と言いながら、ふつうの入場料8.5ポンド
(学生料金でこのお値段…)を払うと、おねーさんは焦りだした。
「じゃあまずはギャラリーから見たほうがいいわ。」
と言いながら階段の始まりの場所をおしえてくれた。

さて、そのギャラリー(回廊)とは何か。
それは、大聖堂の上の方のことです。
階段で、てっぺんの近くまでのぼれるんです。
この大聖堂は3つの回廊を持っています。
85メートルの高さまで、階段でのぼらなくてはなりません。
エレベーターはありません。かなりしんどいです。
しかも階段も狭いし、1つずつの段が小さいし、手すりはないし、
のぼるの、めっさ怖いです。
年配の方にはおすすめしません。
わたしは今回ひとりで行きましたが、後悔しました。
わたしの目の前はゲイと思われるカップルでした。
(ロンドンは、ゲイ&レズビアン多し)
ますますひとりで来たことを後悔しました。

初めの回廊は、「ささやきの回廊」。
大聖堂のフロアから30メートル。
163段の階段をのぼります。
ささやきの回廊の由来は、
壁に向かってささやいた声は、
32メートル向こうの反対側まで聞こえるらしいから。
試したかったけど、ひとりだから試せず。
さらにひとりで来たことを後悔する。
30メートルって高いのねー。
大聖堂のフロアをみおろすと、ぞくっとしました。

そこからさらに119段のぼると、ドームの外側に出られます。
そこが石の回廊です。
ここまでくると、疲れて、けっこうなダメージを受けています。
石の回廊は、大聖堂のフロアから53メートルです。
こんなかんじの景色です。

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さて、ここまできたら金の回廊に行かないわけにはいきません。
石の回廊からさらに152段のぼります。
この金の回廊はとてもせまい!
階段で渋滞が発生してました。
若干いらいらしたものの、この景色ですよ。

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階段で、こんなところまでのぼれるのね、と思ったら、
人生は階段だなー、と思いました。
のぼってるあいだは、ただひたすら目の前しか見えなくて、
自分がどこにいるか、把握できないから、
途中で、疲れたり、
「何のためにのぼってるんだろう」
って立ち止まって、居場所を見失ったりする。
でも、毎日は、確実に未来に向かって進んでいて、
ある日突然、すごくいい景色が目の前に広がったりする。
それで、わたしたちは、
「もうちょっと上までのぼってみよう」って思う。
「もっとのぼろう」と思えば、
それがどんなに小さな階段だとしても、
わたしたちは確実にそこに近づいているのです。

景色を堪能した後、
避けたはずのスパニッシュティーンエイジャーの津波におそわれる。
歌ってないで、早く階段おりてちょうだいよ、
と思っていたら、うしろからきた一味にがっつり足を踏まれ、
スニーカーが脱げてしまった。
靴を履きなおしているうちに、彼らは去っていったのだが、
安心したわたしの目の前に、
のぼるときとはまた別のゲイのカップルが…。
なんだろう、ここはゲイのメッカなんだろうか。
それとも、ただ彼らは親しすぎるだけなんだろうか。

残念ながら、大聖堂の中は、撮影禁止。
だけど、こっそり撮ってきた。
きれいじゃないけど、許してください。

CIMG1548.jpg

本物の大聖堂は、ものすごくきれいで、豪華で、荘厳です。
天井をうめつくすモザイク画、
ところどころにちりばめられるステンドグラス。
こんなものを作ってしまうなんて、
人間の偉大さを感じずにはいられません。
とにかく圧倒的な迫力です。
これは、どうがんばっても写真や文字で伝えることができません。

毎日17時になると、大聖堂で礼拝が行われている。
「これから始まります、参加したいひとはきてください。」
みたいなアナウンスがあり、
人々が、続々と立ち入り禁止のはずの大聖堂の奥に入っていく。
大聖堂のもっと奥、見てみたい!と思い、
「わたしもいける?」
ときくと、あっさりOK。
キリスト教信者でもなければ、仏教徒ですらないわたしは、
なぜかお祈りに参加することになった。

パンフレットには、「歌の礼拝」と書いてあったのに、
実際のところはただ聖書を読むだけ。
大昔の英語なので、あまり理解できず。
でも、ふつうはできない体験だからね、たのしかったよ。

10月に恋人がロンドンにやってくるそうなので、
そのときにはぜひここにつれてくることにしよう。
修行も兼ねてね。

2

疲れちゃったの。

こっちにきてからというもの、
時間がたつのがあっという間すぎて、
とってもびっくりする。
日本に帰りたくならなくて、びっくりする。

でも、やっぱり波がやってきましたよ。
ホームシックとはちょっとちがう。
やる気が一気に失せてしまう、いやな波が。
やっぱりね、たのしいことだけじゃないですよ。

イギリスのようなメジャーな国の学校にくると、
日本人はみんなある種のジレンマに悩みます。

「他国のひとたちとのコミュニケーションは、とても大変だけど、
 かといって、こっちに来てまで日本人とつるむのもどうかと思うし。」

っていう。

特に今は夏だし、そこらじゅうに日本人がいる。
わたしは、日本人とは日本語で話していいと思ってます。
その場に別の国のひとが混ざっているならまずいけど、
日本人どうしなら、日本語で話すのが自然でしょ。
無理して英語を話す必要もないかなと。

でも、みんな英語を勉強しにきているわけだから、
みんながそう思っているわけじゃない。
「英語しゃべらなくちゃ!」
って本気のひともたくさんいる。
だから、そのひとの考え方を把握するまで、
どうやって距離をとったらいいのか、悩む。

そして、外国のひとたちとのコミュニケーションは、
やっぱり疲れます。どうしても。
まずは、語学の壁にぶちあたって、
それを克服できたとしても、さらに文化の壁に悩むの。

ネイティブスピーカーじゃないひとは、
どうしても発音がちがうので、
聞き取るのにとても集中しなくてはならない。
ただでさえ、リスニング力が弱く、
ネイティブの英語の理解も困難なわたしには、とてもつらい。
そして、それを理解したあとで、
自分の考えを英語で組み立てて伝えなくてはならないし、
それをやっとつなぎあわせられたとしても、
ネイティブのひとほど理解してくれないから、
ちゃんと自分の気持ちが伝わらない。
母国語だったら、簡単に伝えられることも、
英語だと倍以上の労力を必要とする。

長時間そういう状況にいると、集中力がとぎれて、
何も考えられなくなってしまう。

そして、それを乗り越えられたとしても、
ことばは、ただのコミュニケーションツールでしかなくて、
自分の気持ちを伝えることはできても、
それがちゃんと理解されているかどうかは謎で、
お互いの考え方を同調させることはできないの。
みんないいひとで、とてもやさしいんだけれど、
それだけじゃだめみたい。
すべてを理解して、認めてもらわないと、だめみたい。

ことばさえ通じれば、わかりあえると思ってたのに、
それだけじゃないみたい。

日本にいたときも、ひととのコミュニケーションに自信がなかったのに、
こっちにきてさらにそのハードルを高くしてしまった。
いまは、国も、年齢も、仕事も、価値観も、習慣も、考え方も、
何もかもがちがうひとたちとずっといっしょにいなくてはならない。
それは、すばらしく贅沢なことなのに、
そのちがいを受け入れることができない。
ひとと対峙する余裕がまったくなくなってしまった
自分の中身のうすっぺらさに、嫌気がさす。

すごーくいやんなっちゃったので、
家に帰って1時間くらい歌いつづけたら、
からだが疲れてすこしらくになった。

きっと、思う存分自分の気持ちを吐き出せてないから、
フラストレーションがたまってるんだろうな。
もちろん、日本人や日本語での会話もしてるんだけど、
やっぱり自分の本音をすべて言えるのは恋人しかいないから。
一度、じっくりと時間をかけて、話を聞いてもらうことにしよう。

2

持ってきた方がよいもの。

何度もしつこいんですが、
ロンドンは本当に何もかもが高いです。
これはわたしがただ単にけちくさいというだけでなく、
物の値段が、何でも日本の2倍、3倍なんです。
日本だって、物価が安いわけじゃないのに、それより高いって、
あなた、わたしこれからどうやって生きていけばいいの、
って思うじゃないですか。

だから、そんなふうに路頭に迷わないように、
日本で準備してきたほうがよいものをリストアップしておきます。

まずは上着が必要です。
たとえ夏の短期間の滞在でも、上着は必要です。
夏なら、冬用コートはいらないでしょうが、
ジャケットとか、パーカーとか、厚手のカーディガンとか、
はおりものは必須です。
わたしはうっかりTシャツとふつうカーディガンしか持ってこなかったので、
来た直後に体調崩しました。
夏でも寒いんです。8月でもみんなセーター着てます。
ロンドンには、洋服のお店もたくさんあるんですが、
しっくりくるデザインの上着を探すのは時間がかかるし、
ジャケットはTシャツのように気軽に買えるお値段じゃないのでね。

そして、学生さんになる予定なら、文房具を持ってきたほうがいいです。
こっちは文房具がはんぱじゃなく高いし、
日本みたいに種類が豊富じゃないし、品質もよくない。
文房具屋さんでまともなものを買おうとしたら、
ノート1冊、消しゴム1個でも300円くらいします。
(探せばいくらでも安いのあるんでしょうけれど)
シャープペンの芯に至っては、600円くらいします。
(円高のせいもありますが。)
負担にならない程度に持ってくるといいでしょう。

そして、英語のテキストや問題集。
やる気があるなら、持ってきたほうがいいです。
こっちで買うと、べらぼうに高いです。
学校で使うテキストは20ポンド(五千円)もしたし、
TOEICのテキストを探してみたら、30ポンド以上でした。
日本の問題集は、日本語の解説でわかりやすいし、
二千円以内で立派なものが買えます。
ピカデリーサーカスにあるジャパンセンター、
という日本の品を扱うお店でも購入可能なのですが、
もちろん定価で売っているわけではなく、2倍以上の値段。
日本で買ってこなかったことを後悔しました。

あと、足の小さい女性は、靴を持ってきたほうがいいです。
わたしは23センチなんですが、靴を探すのが大変です。
日本なら、23センチの靴は当たり前ですが、
ロンドンの基本サイズは24センチくらいからで、
それ以下のサイズは、さがすのがむずかしい。
わたしのともだちは、22センチなんですが、
ふつうの靴屋さんで、そのサイズをみかけたことがありません。
靴もしっくりくるものをみつけるのは大変なので、
お出かけ用、おさんぽ用など、いくつか持ってくると便利です。

ほかにも何かあったら、追記します。
これからロンドン滞在予定の方、
質問があれば、コメント欄にどうぞ。

2

すし。

クラスメイトの超美人なスペイン人の女の子が、
おもしろいTシャツを着ていました。

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すし!!!!!

思わず写真をとってしまいました。
彼女はわたしのクラスのペネロペ・クルスだ。
まつげ超長いから。

でも、もっと長いひとみつけた。
彼女のボーイフレンドはもっともっと長かった。
マスカラなしであの長さ。ありえん。

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彼女の左にいるおとこのこがボーイフレンド。
カップルで同じクラスで勉強しつつ、
同じ部屋にステイしてるんだってさ。
辞書も教科書も共有してる。

すてきねー。
わたしもやってみたかったわ、そんなすてきなこと。
でも、わたしの恋人には頼めないな。
こっちでいいひと探すしかないか…。

0

夜のピカデリーサーカス。

ある土曜の夜、
ホストファミリーのカーマンが、
「これから夜のピカデリーサーカスに行かない?」
と誘ってくれた。
ともだちが少なく、夜はほとんど出歩かないわたしを
たいそう心配してくれていたのだと思う。

わたしたちは、TUBEで中心部に向かった。

ピカデリーサーカスの近くにはチャイナタウンがあり、
たくさんのチャイニーズレストランが密集している。
チャイニーズレストランは、
ロンドンにしてはリーズナブルにお食事ができるので、
おすすめです。
ただし!リーズナブルと言っても、日本の2倍ですからねー。
すてきじゃない、激安レストランに入っても、
最低でも5ポンド(1250円くらい)は必要です。
それに、こっちはお水が出てこないので、
飲み物もオーダーしなくてはなりません。あと、チップもね。
そんなわけで、日本の定食屋さん感覚なところでさえ、
1500円くらいは軽く飛んでいきます。
初めのうちはその高さに戸惑いますが、
しばらく住んでるとあきらめモードに入ります。

この日は、チャイナタウンのレストランでお食事。

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中華のバイキング形式のお食事をいただく。
大体7ポンドくらい。
わたしは食べることがとてもすきなのだが、
たくさんの量を食べられない。
しかも、中華だから、すごく油が多くて、
全然もとをとれなかったよ…。

その後、レスタースクエアからピカデリーサーカスをおさんぽ。
「一体どこからわきでてきたんだろう」
と思うほどの人の多さに、ちょっと引く。
しかも、みんなおおさわぎしているよ。

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道端には、大量の似顔絵やさんが。
みんなすっげーうまい。

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わたしも描いてもらいたかったけど、高いらしいですわ。
そのほかにも、
建物がみなライトアップされていてきれいでしたー。

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右の写真のおんなのこたちは、
一体なにをブッキングしたんでしょうか。気になる。

エロスの像の周辺は、観光客でいっぱい。
夜11時だってのに、このひとだかりよ。

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あと、お約束のエロスの像ね。

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これはピカデリーサーカスのシンボルです。

わたしのお家の周辺は、ナイトバスが走っていないので、
11時半ころ、あわててTUBEにて帰宅。
ただただ、街をながめていただけだったのに、
はー、たのしい夜になりました。

4

におい選手権。

その日は日曜で、わたしはものすごく長いこと歩いた。
だって、ものすごくいい天気だったのだ。
雨は一度も降らず、日差しは常に最強で、
久々に夏らしい日だった。

もちろん、わたしはスニーカーで歩いた。
その中身が、なかなかなにおいであることに、気づいては、いた。
でも、その日はパーフェクトにたのしかったので、
家に帰ったあと、自分の足と靴下のことをすっかり忘れてしまっていたのだ。

夜、家に帰ってみると、
ホストマザーのカーマンが、リビングでペディキュアを塗っていた。
「昨日うさぎのピンクのつめを見てね、
 わたしもやろうと思ったのー。
 どう?いいでしょ?」
と言う。
そう、こっちにきてからは、時間がたっぷりあるし、
家事をする必要がないので、
毎日ちゃんとマニキュアを塗っているのだ。

「うさぎも塗る?いっぱいあるよ。」
カーマンはオールマイティーなビューティシャンで、
ネイルもできるので、マニキュアをいっぱい持ってる。
わたしはちょうど、自分のペディキュアが
はげかけているのが気になっていたので、
「ねー、金色のネイル持ってない?」
ときくと、
オレンジ色に近い、金色とも言えなくはない色があったので、
それを借りることにした。

ぽいっと靴下を脱いで、「しまった!」と思った。
今日のわたしの足は、いつもにも増して強烈だ。
「まず初めに、シャワー浴びないとやばいわー。」
と言い訳したが、時すでに遅し。
「そうしたほうがいいわねー、においがしたもの。」
と、カーマンは言う。
…そんなに強烈だったか…、猛烈に反省。
でも、彼女は平然としてこう言った。
「でも、うちのだんなは、もっとすごいわよ。
 うさぎは足だけど、彼はわきの下がすごいの。」
偏見かもしれないけれど、なんか日本人よりすごそうだよね。
だって、体毛多いしさ。
フェロモンとか、濃そうだし。

と思ったら、だんなさんのマイクが、
「そうなんだよー。
 におい選手権があったら出たいね、きっといい線いくよ」
と、あまりにもふつうに言った。
彼は、わたしの学校の先生で、普段はとてもきちんとしているのに、
こんなおもしろいことをさらりと言うなんて。
そのギャップがわたしはおもしろくて仕方がなかった。
「わたしも出るー。」
と言うと、
「おう、いいよ。
 でもね、おれは優勝できる自信はないんだよね、
 だって、朝に地下鉄乗るとさ、
 ほんとにすっごいひと、たまにいるからね。」
と、本気な顔で言う。
いや、そんなにまじめに考えなくても、
そんな大会絶対存在しないから。
わたしはこのひとの天然をものすごく気に入っている。

ふたりはものすごく自然体だ。
飾らないし、気取らない。
イギリス人は、きびしいひとが多いらしいのだけれど、
わたしはこのふたりのお家にステイできて、本当によかったよ。

今まで、英語を使ってひととコミュニケーションするとき、
どうしても壁があって、それを取り払えなかったのだけれど、
最近は、その壁を感じずに、
日本人と同じ感覚で会話できることが多くなってきた。
前よりもナチュラルにしゃべれるようになったし、
自分の伝えたいことが、英語で出てこないとき、
それを自分の知ってることばに置き換えられるようになった。
知らない間に、だいぶ成長してきたな。
たった4週間でここまでなれば大したものよ、
と自分で自分をほめたい。

3

大英博物館。

ソンヒとお食事のあと、いよいよ大英博物館へ。

彼は一度行ったことがあるらしいので、
そこまでの道のりは、完全におまかせした。
が、セントラルロンドンを過ぎたあと、
「どこで降りればいいのかわからないんだよね。」
と言う。
大丈夫か、ソンヒ。
しかし、彼はさすが兵役を終えただけあって、強い。
同じバスに乗っていたおっさんに、
「大英博物館はどこかしら。」
と話しかけたー。
運良くそのおっさんは、とてもいいひとで、
丁寧に大英博物館までの道のりをおしえてくれた。
ソンヒ、勇気だけじゃなく人を見る目もあるんだな。

ロンドンのひとたちは、いいひとと、極悪なひとが半々。
いいひとは、気さくに笑顔で何でもおしえてくれる。
でも、しかとされるのも日常茶飯事だし、
路上での言い争いを見るのも日常茶飯事。
だから、ちゃんとひとは選ばなくてはならないのだ。

何はともあれ、最寄り駅のトッテナムコートロードに到着した。
そこから博物館までは、歩いて10分くらい。
道しるべの看板もあります。
それに、大勢のひとがそこに向かっているはずなので、
人の流れにのっていけば、着きます。

ロンドンのいいところは、
ほとんどの博物館や美術館が入館料が無料であること。
大英博物館も、もちろん入場無料です。
こんなに広く、すばらしいところが無料でたのしめるなんて、
すてきねー、ロンドン。

大英博物館はものすごく広い。とにかく広い。
さらりと見るだけでも3時間、
じっくり見るなら1日かかるでしょう。
今回はものすごくかけあしでまわったのですが、
次回はオーディオガイドつきで、じっくりと見てまわることにしよう。
なんせ、入場無料だからねー。
そして、写真も撮り放題です。
というわけで、いっぱい撮ってきましたよ。
いい写真はひとつもありませんでしたけれど…。

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これが入り口です。
平日に行ったにもかかわらず、すごいひと。
入り口近くにある図書館は、すてきよね。

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わたし、ここがとてもすき。

わたしたちは、エジプトのミイラのところから探検を始めた。

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こわい。こわすぎます。

その後は、アジアンなフロアヘ。

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ロンドンで、この言葉を目にするとは思わなかった…。
確かにだいじです、愛敬。
ソンヒに、どういう意味なのかと尋ねられ、
「…smile…?」
としか答えられなかった自分の知識不足を恥じる。

そんななか、愛敬たっぷりなおっさんを発見しました。

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これこれ、これだよ、ソンヒ!
どうよ、このおなか。愛敬たっぷりじゃないの。

銀器やつぼは、宝物の王道ですね。

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続いてはアフリカンの間。
わたしはここがいちばん気に入った!

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おっかないけど、なんかかわいい。
あと、クリスタルどくろと、薬のオブジェクト。

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ロゼッタストーンも、もちろん見ました。
大勢のひとだかりができていたけど、かきわけてぱしゃり。

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初めてこれを解読したひとは、本当にすごいと思うわ。

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最後にギリシャの壁画や彫像を見て終了。
長い一日だったわー。

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今度はオーディオガイドつきで、また来る。

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韓国の兵役のこと。

クラスメイトのソンヒというおとこのこに、
大英博物館への行きかたをたずねると、
なんと、彼が連れて行ってくれることになった。
初めてのクラスメイトとのおでかけ。

授業が終わったあとは、まずは腹ごしらえ。
彼は近所のケバブのレストランに連れて行ってくれた。

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ソンヒは何事にも積極的だ。
授業での発言もそうだし、
クラスメイトとなかよくなるため、
みんなにたくさん話しかけている。
さらに彼は、もうひとつの語学学校に申し込んでおり、
来週からダブルスクールで英語を勉強するのだそうだ。
すごい。
授業についても、ともだちをつくることについても
消極的すぎるわたしとは正反対だ。
彼から学ばなくてはならないことは多い。

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ケバブを食べながら、韓国での彼の生活についてきいていると、
兵役の話になった。
ウォンビンが兵役のために俳優を休業する、というニュースで
なんとなく兵役のことを知っていたものの、
そこまで詳しくは知らなかったので、
彼の口から語られるリアルな兵役の話は、わたしには衝撃的だった。
すべて英語でコミュニケーションをとったので、
まちがっている部分もあるかもしれないが、
彼の話は以下のようなものだった。

韓国の男のひとは、18歳になったら、
全員が2年間軍隊に入らなくてはならない。
それは、強制なのだそうだ。
ソンヒが12歳のときに、国から兵役についての手紙が来たのだが、
彼はそれを見て泣いたのだという。
そりゃそうだ、わたしだったら泣くどころのさわぎじゃないもん。

でも、例外もあって、
大怪我をしていたり、大病を患うひとは、免除される。
あと、サッカー選手とかも、ワールドカップにぶつかったりすると、
免除されることがあるらしい。
ワールドカップも、国にとってだいじだもんね。

わたしだったら、確実に逃げるね、わざと怪我したりして。
でも、就職するときに、兵役を終えたかどうかは重要なポイントで、
兵役の経験のないひとは、就職できないこともあるんだって!
つまりは、信用してもらえないってことね。
人生は、なかなかにきびしい。

ソンヒはもちろん軍隊に入った。
2年間という長い間、彼は山中を走ったり、
射撃の仕方を習ったりしたらしい。
さらにそのうえ、2年のうち、1年半は、
練習台としてぼこぼこにされたらしい。
そして、最後の半年は、逆になって、
後から入ってきたひとたちを相手に、戦い方を習ったらしい。

ソンヒはそれを、いともたやすいことのように、
軽く、明るく話していたが、
わたしはあまりの壮絶ぶりに、
食事をとることも忘れて、彼の話に聞き入った。
いやー、ソンヒ、よくやったよ、がんばったよ。

どうして韓国には兵役が必要なのかたずねると、
韓国という国は、北朝鮮と隣接しているために、
常に非常事態に備えておかなくてはならないのだそうだ。

日本は戦争を放棄したけれど、
そうしたくても、できない国もあるんだね。
日本の男たちはしあわせですよ。

その後の大英博物館よりも興味深い話をきくことができたよ、
ありがとうソンヒ。

というわけで、この続きはまた明日。

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カーマンのこと。

わたしのホストファミリーは、とてもいいひとだ。

特に、ホストマザーは29歳なので、ともだちみたいなかんじで、
毎日いろんな話をします。
「今日は、クラスにかっこいいひとがきたよ」
とか、
「今日の仕事は大変だったわー。」とか。

彼女の名前は「カーマン」といい、マレーシアの出身です。
同じアジア出身なので、とても話しやすいし、
明るく、軽い下ネタがすきで、とてもたのしい。

初めのうちは、わたしは彼女の英語をよく理解できず、
(発音がネイティブとちょっとちがうので、
 うまく聞き取れなかったのです)
さらに、わたしの言いたいこともうまく伝えられず、
もどかしい思いを味わっていましたが、
同じアジア出身だし、年齢も近いし、すぐになかよくなりました。

日曜は、いっしょにマーケットやスーパーに行き、
たくさんの食料品を買い込みます。
そして、アジアンレストランでお食事をします。
わたしが知りたいのは、
イギリスに住んでいるひとたちのリアルライフなので、
スーパーやマーケットに行き、
ふつうのひとたちの買い物をウォッチングするのは、
観光やショッピングよりも断然興味深いのだ。

買い物の道すがら、わたしたちはいろんな話をする。
彼女の仕事の話、彼女の出身国マレーシアの話、ロンドンの話。
こうやって、ホストファミリーといろいろ話せるのは、
学校よりも有意義だ。

カーマンの仕事はビューティシャンです。
マッサージをしたり、眉を整えたり、
いろんなトリートメントをしているそうです。
なので、お肌はつるつる、髪もつやつや、そして、スリム。
本当に肌はぴかぴかで、しわも、しみも、吹き出物も皆無。
うらやましすぎる。

こないだ、セントラルロンドンで待ち合わせをしていたとき、
彼女は少し遅れてやってきた。
「ちょっときいてー。
 道で突然女のひとに話しかけられたのよ。
 化粧品何使ってるのかっていうの。
 彼女に15分もつかまってたのよー。」
なるほどね。
でも、それも納得できるほどに、彼女の肌はぴかぴかです。

彼女は週に6日、サロンに勤めているほか、
休日や仕事が早く終わった日は、
プライベートでトリートメントをしているのだそうです。
つまり、自分自身のお客さんを持っていて、
わたしたちのお家のリビングや、お客さんのお家で
トリートメントをするのだそうです。
お休みの日、ほとんどないじゃないか。
でも、彼女いわく、プライベートのトリートメントは、
自分自身のたのしみとして行っているものなのだそうです。

……。
わたしが日本にいたとき、週に5日、8時間しか働いていなかったのに、
それでもいっぱいいっぱいだったのに、
なんて働き者なのか、このひとは。

でも、マレーシアにいたころは、もっともっと働いていたらしい。
なんと、彼女は自分のサロンを持っていたのだそうだ。
そして、今のだんなさんは、そこでのお客さんだったんだって!
でも、あまりに忙しすぎて、ビジネスをほかの人に売り、
ロンドンに来たのだそうだ。
「自分でサロンを経営していると、 
 トリートメントだけじゃなく、
 いろんなことを考えなくちゃならないでしょ?
 だから、とても大変だったの。」
なるほど。おっしゃるとおりです。
でも、これで彼女の気配りとタフネスの理由が理解できました。
わたしはいつも彼女からたくさんのことを学ぶことができる。

ある日曜、彼女は
「今日はお客さんが来るのー。
 リビングでトリートメントするから、
 知らない人がきててもびっくりしないでね。」
と言い、終わる時間をおしえてくれたので、
お客さんとカーマンが集中できるよう、
その間わたしは近所を散策することにした。
しばらくふらふらした後、ちょうど終わるころを見計らって、
お家に戻ってみると、
リビングルームはリラックス空間に整えられていた。
ヒーリングミュージックとキャンドルのやわらかな灯かり。
カーマンが、
「あらー、帰ってきたのね。
 じゃあ、眉毛を整えてあげましょう。」
と言い、眉毛をきれいにしてくれました。
ワックスのようなものでうぶ毛をばりばりと抜き、
さらに毛抜きで抜く。
痛い、痛いぞー。
でも、あっというまに終了。恐るべし早業。
野放しだったわたしの眉は、ものすごくきちんと整えられた。
すごいー。手に職って、本当にすてきね。

どうしてそんなにハードに働けるのかきいたら、
「こどもができたら、お家を買いたいの。
 郊外の静かなところに住んで、リラックスして過ごしたいから、
 その未来のために、今はすっごく働くの。」
と言っていた。
未来のため、かー。
わたしも常に未来のことは考えていたつもりだけど、
実際に努力していたのか、って言われると、答えられない。
彼女はとても身近なわたしの目標です。
わたしも彼女のように働き者で、自立した女にならなくては。

5

クラブ初潜入。

今まで何度か海外に出たことはありましたが、
未経験だったのが、海外のクラブ。踊るところ。
友人にクラブ好きなひとがいなかったこともあり、
今まで一度も足を踏み入れたことはありませんでしたが、
学校で意気投合した台湾出身だけど日本語ぺらぺらの
ニッキーというおともだちが、
「金曜の夜、ナイトクラブに集まるの。来ない?」
と誘ってくれたので、初めて夜遊びすることになりました。

クラブといったら、わたしはすすきのでしか行ったことない。
名古屋でも、帯広でも、いっしょに行ってくれる友人がいなかったので、
まったく行かなかった。
わたしは基本的にどこでもひとりで行けるが、
さすがにひとりでクラブに行く気にはなれん。
夜中のひとり歩きはおっかないし、
かっこよく踊れるわけでもないし、
男に声をかけられるのもわずらわしい。

というわけで、
クラブに行くのはものすごくひさしぶりだった。
2年くらい行ってなかったような気がするわ。
わたしはわくわくしながら、いそいそと準備をしたが、
あいにくおでかけ用の洋服と靴を持ってきていないし買ってない。
信じられないことに、こっちでは毎日ジーンズ&Tシャツ&スニーカーです。
日本では、スニーカーなんて、何年も履いたことなかったし、
Tシャツだって、めったに着なかったのに!
でも、こっちでは、クリーニングにお金かけられないし、
手洗いしても干す場所がないし、
毎日たくさん歩いているから、ヒール靴をはけないし。
すてきな洋服と靴は、あきらめました。

洋服でがんばれない分、めがねをコンタクトにしてがんばってみた。
あと、アイシャドウをばっちりと重ね塗り。
だって、今夜は「海外クラブデビュー」という記念すべき夜ですから。

ニッキーと駅で合流し、そこからクラブまで歩く。
時間は夜9時。
金曜の夜なので、クラブからひとがはみだしていた。
外にいてもきこえるほどの大音量の音楽に、
いやがおうにも心が弾む。
しかし、ここでアクシデント発生。
ニッキーに、あんなに
「パスポートを絶対に持ってきてね」
と言われていたのに、うっかり忘れてしまったのだ。
どうしよう。でも、今夜は記念すべき夜なのだ。
わたしは、クラブの入り口に立っているごっつい黒人ガードマンにほほえみかけた。
「パスポート忘れちゃったよ。」
と言うと、彼は
「何歳なのさ」
ときくので、27歳だと言うと、あっさりと通してくれたー。わーい。
本当はアジア人はふつうよりも若く見られるので、
年齢を証明するためにパスポートを提示するよう求められることがあるのだそう。
でも、ここは割とゆるめだったみたい。ラッキー。
なんでもきいてみるもんだ。

中に入ると、そこは別世界だった。
すすきののクラブとは全然ちがうー。

まずは照明。
ロンドンのお店や建物の照明は、日本よりもずっと雰囲気がよい。
(たくさん写真を撮ってるので、そのうちアップしますね。)
色がきれいだし、明るさもちょうどよい。
日本のようなけばけばしく、虚しくなるような照明とはちがう。
ゴージャス。

音楽は断然すすきののクラブの方がよかった。
でも、踊ってるひとたちのノリが全然ちがう!!
なんて表現したらいいのかなー。
ことばであらわすのはむずかしいのだけれど、
みんな思いっきりからだを動かしている。
リズムのとりかた、からだの動かし方がダイナミック。
みんなものすごくたのしそう。
そういうひとたちを見ているだけで、わたしは大興奮だった。
フロアは踊りたいひとたちでごった返し、ぎゅうぎゅう。
ものすごく暑い。
でも、わたしはたのしくてたのしくて仕方がなかった。

ある程度踊ったあとは、ニッキーの友人たちとおしゃべりする。
日本人だけでなく、台湾やトルコ、韓国のひともまじっていた。
わたしは台湾からきた男の子とおしゃべりする。
でも、爆音のなかで、英語でコミュニケーションするのは、
なかなかに疲れたー。まだまだ英語に慣れてないですわ。

こっちにきておもしろいと思うことは、
いろんな職業のひとたちとお話することができること。
先生、デザイナー、OL、学生など、みんな様々な生活を持っている。
日本にいると、異業種交流ってなかなかむずかしいけれど、
ここにいると、みんなちがうのがあたりまえ。
たとえ同じ日本人どうしでも、話をするのはとてもおもしろい。

さて。興奮冷めやらぬままにクラブは閉店の時間。
まだ12時なのに…。
わたしはみんなと別れ、ひとり、ちがうバスに乗った。
駅で待ち合わせをする前に、バス停の場所と時間を確認しておいたのだ。
早速バス停へ向かうと、ちょうとそのバスが来ていたので、
ダッシュですべりこむ。セーフ。

バスに乗り込んでから数分で、景色がなんだかちがうことに気づく。
そして、いつまでたっても最寄駅につかない。おかしい。
わたしは、バスのドライバーにきいてみたが、彼の答えは、

「いや、そっちにはいかないよ。」

なんだってーーーー!?
わたしは思いっきり逆方向のバスに乗ってしまったのだ。
深夜12時半、まだ慣れないロンドンの地で、
わたしは文字通りひとりぼっちになってしまった。
日本ならまだしも、あなた、ここ、ロンドンよ。
歩いて帰るにも、道がわからないし、
タクシーに乗るお金も持ってないわよー。
「どうしよう」の五文字が頭のながでうごめく。
でも、どうしようっていってても始まらないので、
バスに乗った場所まで戻ることにした。

さて。
ふりだしに戻ってしまった。

ロンドンには「ナイトバス」と呼ばれる24時間運行のバスがある。
すごく便利なのですが、ルートが限られているし、
酔っ払いなどが豊富に乗り込んでくるので、
わたしはすきじゃないー。
でも、あいにくわたしのお家の近くには、ナイトバスは走ってない。
すききらいとか言ってる場合じゃないのよね。

とりあえず、友人ニッキーに電話してみる。
彼女ならいいアイディアを持っているかもしれないし、
もし、どうしようもなくなったら、
彼女の家までナイトバスで押しかけるしかないのかも、
とまで思いつめていた。
すると、彼女はナイスな提案をしてくれる。
「とりあえず、TUBEが動いてるかどうか見てみたら?」
おう、そうだった。TUBEがあるかもしれないんだった。

わたしは電話をしながら猛ダッシュ!
階段でおそうじおぢさんがいたので、
「最終電車、もう行っちゃった?!」
と聞くが、しかとされる。むきー。
引き続きダッシュすると、TUBEはそこにいた!!
さらにダッシュで駆け込むと、ドアは閉まった。

「間一髪」という言葉は、こういうことをあらわすのだな、
と思いながらも、無事に帰れることがわかって、
笑いが止まらなかった。
深夜1時、TUBEでひとり笑う、怪しいアジアの女。。。
相当奇妙だったにちがいない。
いやー、帰ってこられてよかったよー。

この日、バスをのりまちがえたことをあんなに反省したのに、
次の日も、わたしはバスをのりまちがえた。
バスに乗るって、むずかしいのね。

0

ピエールの鼻。

先日、会話のクラスに「ピエール」という名前の
ナイスガイが登場した。
ピエールは、ヨーロッパのどこかの国の出身で、
恐ろしくほりが深く、こげ茶色の巻き毛で、
背が高く、がっちりしている。
彼は、ただ単に見た目がいいだけではない。
ものすごくかんじがよく、常に笑顔で、
自分の英語を伝えようと一生懸命だし、26歳なので、
そこらへんで大騒ぎしているティーンエイジャーたちとちがい、
とっても落ち着いていて、大人だった。
早い話が、わたしにとって、ミスターパーフェクトだったわけだ。

運良くピエールと同じグループで会話をすることができたので、
わたしはずーっと彼をみていることができた。
美しい男は目の保養だ。
しみじみと、「ロンドンに来てよかったー」と思ったし、
その日の授業はあっという間に終わってしまった。

残念ながら、ピエールのロンドン滞在予定期間はたったの1週間で、
その後はマルタ島へ行くらしい。
「えー、そうなのー?短すぎるよー。」
と、思わず本音が出た。
たった1週間で、ピエールとのデートにこぎつけるのは、
女子力著しく低下中のわたしには至難の業だ。
なんだよー、ピエール、もうちょっといてくれよー。
そして、わたしとデートしてくれよ。

未だに自分の心を開放できていないわたしは、
もちろんピエールに言えるはずもないので、恋人に
「ピエールとデートしたいの。」
と、お願いしてみた。

「なんだとー?そいつ、鼻高いのか。」

なぜ、鼻?
でも、ピエールの顔のパーツは、
すべてがダイナミックなヨーロッパ仕様だ。
ということを伝えると、

「うおー、おれ、そいつの鼻に勝てねー。」

なぜ鼻で勝負しようとしている?

「なんかさー、向こうのやつらの鼻って、
 魔女の鼻みたいに、"しゅっ"てしてるじゃん。
 おれのは、なんか"でんぐり"してるんだもん。」

魔女の鼻は、そんなにすてきでないのでは。
そして、「でんぐり」ではなく、「ずんぐり」では?

「おれ、吸引機で、しゅって鼻高くしようかな、
 そしたら、ピエールに勝てるかな。」

吸引…。それはおっぱいに有効なのでは。
そして、鼻を吸引したら、苦しすぎるのでは。
ひとの魅力が鼻の高さに比例する、というのは、
グローバルスタンダードなのか?
とどめに、

「おれ、米持ってくわ。そしたらピエールに勝てるかな。」

と、勢いづいて言うので、
残念でした、日本の米はロンドンでも買えます。
とおしえてあげると、

「うおー、おれ、勝ち目ねえー。」

そうかもね。だって、鼻のことばっかり気にしてるんだもん。
その後も彼はずっと「鼻が、鼻がー」と言い続けたので、、
わたしは改めて彼の思考回路に疑問を抱かざるをえなかった。

だいじょうぶ、ピエールはこんなに笑わせてくれないよ。
ピエールは観賞用としては最高ですが、
愛玩用として恋人に勝る者はいないと思う。
心配しなくても大丈夫です。

でも、できるものならピエールとデートしてみたいけどさ。
と思っていたら、彼はその後クラスにこなくなってしまった。
なーんだ…。つまんない。

2

のんびりしています。

ロンドンにきてからというもの、わたしはなーんにもしていません。
家事はホストファミリーがやってくれるし、
おともだちもまだいないので。
学校も午前中だけなので、自分の時間が無限にあります。

日本にいたとき、わたしはとても矛盾していました。
きちんと家事をしなくてはならない、
イギリスに行くための準備をしなくてはならない、
休日をどうやって有効に過ごすか、考えなければならない、
でも、疲れ果てて、何もしたくない。
いつもいつも「しなくてはならないこと」に囲まれていたけれど、
考えれば考えるほど逃げたくなって、
結局、何もしないでいました。気持ちだけが空回っていました。

でも、いまはちがいます。とてもニュートラルです。
余計なことに煩わされることがないので、
すべての時間を自分のしたいことだけに費やすことができます。
これはものすごく贅沢なこと!
そして、時間はたっぷりとあります。
こんな開放感、今まで味わったことがありません。
今までの人生で、いちばん充実している時間です。

それに、英語を勉強するのがとてもたのしいです。
英語に触れる濃度は、日本とはくらべものになりません。
もちろん、ぺらぺらしゃべれるようになったわけではないので、
たのしいと思う気持ちと同じくらい、
話せないもどかしさも感じているのですけれど。

日本にいても英語の勉強はできますが、
それを必要とする機会はほとんどありません。
でも、ロンドンでは、英語を話せなければ生きていけません。
必死になります。逃げ道ありませんから。

英語に興味があるのならば、
ある程度話せるようになったら、
長めの滞在を体験してみてほしいと思います。
特にロンドンはおすすめです。
イギリス人の国民性に呆れ果てることは多いのですが、
英語を勉強することだけを考慮すれば、最適な場所だと思います。

1つめの理由は、ブリティッシュイングリッシュは、
とってもクリアでききやすい、ということ。
アメリカ英語は、単語がつながってるので、聞き取りにくいのですが、
こちらの英語は、1つ1つの単語をとてもはっきりと発音します。

2つめの理由は、イギリスが、ヨーロッパで唯一英語を話す国なので、
ヨーロッパ各国からやってくるひとが多く、
とにかく多くの国のひとたちと話す機会を持てること。
わたしのクラスメイトの出身国は、
トルコ、ポーランド、スペイン、イタリアなどヨーロッパ各国のほか、
コロンビアなどの南米やアジア、など、多種多様です。

3つめの理由は、語学学校が豊富にある、ということ。
本当に、ぴんからきりまであります。
選択肢が広がれば、
それだけ自分の希望にあう条件の学校を探しやすくなります。

そんなわけで、ロンドンを選んでよかったなー、と実感しています。
物価が高いのが痛いけど…。消費税、17.5%だからね…。
でも、それを考慮しても、世界中からひとびとが集まってくる。
それほど強い引力を持っています、ロンドンという街は。

ただし、全然しゃべれないひとには、
いきなり海外に滞在するのは、おすすめしません。
とってももったいないし、危険だからです。

こっちでの授業は、もちろん英語です。
最初のうちは、日本語で英語を習い、
基本的な考え方を身につけたほうが効率的です。
特に、文法は日本語で習っておいた方が理解しやすいです。

それに、日本国外では、トラブルはつきものです。
誰でも、絶対にトラブルに見舞われます。
そういうとき、自分の意思をちゃんと伝えられないと、
自分の身を守れません。
特に、ヨーロッパは治安が悪いうえ、感じわるいひとも多いからね。

あと、全然英語を話せない状態で、
外国人のクラスメイトやホストファミリーと
なかよくしようと思っても、
それはなかなかにむずかしいです。
「ことばより、気持ちだぜ!」
というのもわかりますが、言葉の壁は想像以上に高いです。
勢いだけでは越えられないこともあります。

「どうしても、いま行かなくてはならない」とか、
「お金のことは気にしないわよ」
というひとたち以外は、
「自分のしたいことをきちんと相手に伝えられるかどうか」
ということをしっかりと考えてから飛びましょう。

わたしは、ベストな時期にこられてよかったなと思いました。
わたしは27歳だけれど、全然遅くなかった。
学校にはわたしより年上のひとたちもたくさんいるし、
年齢で躊躇することは決してありません。
むしろ、大人になってからの方が、
メリットはたくさんあるように思います。

大人になったからなのか、目的があるからなのか、
語学力が向上したのか、ロンドンが都会だからなのか、
なんだかわかりませんが、
アメリカに滞在していたときよりも、
ものすごくたのしくて驚いています。
不安や孤独やいらいらも、日々感じていますけれど、
そんなのはカルチャーショックの刺激で忘れてしまいます。

ホームシックになることもなく、
日々があっという間に過ぎていってしまいました。
とにかく。
焦らず、あわてず、毎日をだいじに過ごそうと思っています。

0

オイスターカード。

イギリスは物価が高い。
しかも、今、ありえない円安で、ポンドがめちゃくちゃ上がっている。
為替情報を見るたびに、レジの前に立つたびに、
わたしは常にどきどきはらはらしています。

何もかもが、日本の2倍と考えてもらっていいです。
ちょっとごはんでも食べようかしらね、
と、レストランなどに入ると、びっくりするような金額になります。
どんなに安いレストランでも、たいてい千円以上かかります。
マックでベーグルとコーヒー頼んだだけで、千円近くでした。
おどろきましたよー。
マックは財布にやさしいものだと思い込んでいたのに、
不意打ちをくらったかんじでした。

そんなロンドンですから、もちろん交通費も高いわけですよ。
地下鉄の料金なんて驚きの4ポンドです。
日本円に換算すると、千円ですよ!信じられないわー。

もちろん、こんな金額まともに払うのはばかくさいので、
ロンドンのひとたちは、「オイスターカード」というものを使います。

oyster15.jpg.jpg

日本でいうところのSuicaみたいなシステムです。
カードにお金をチャージしておいて、
改札を通るときに、ぴっとタッチするかんじ。

このカードにお金をチャージしておけば、
地下鉄の料金が1.5ポンドになります。半額以下になります。
…だったら、最初から1.5ポンドにしてくれればいいのに…
と思うのは、わたしだけではないはずだ。
ロンドンには、たまにこういう意味不明な部分があります。

ロンドンのTUBEは、料金設定が明快です。
日本の場合は、行き先によって細かく料金が設定されていますが、
ロンドンの場合は、「ゾーン」によって料金が決まります。
ロンドンの中心部
(ピカデリーサーカスとか、レスタースクエアとか)
は、ゾーン1で、
そこから遠くなればなるほど、ゾーン2、ゾーン3…となります。
運賃は、どのゾーンに移動するか、で決まります。
出発駅と到着駅のゾーンさえわかれば、運賃も一目瞭然です。
これは合理的だな、と思います。

わたしは毎日このTUBEに乗って学校に通っているので、
1ヶ月間、ゾーン3からゾーン2の地下鉄は乗り放題よ、
というマンスリートラベルカードを購入しています。
定期券みたいなもので、有効期間内ならば何度でも乗れます。
ゾーン1へ行きたいときには、オイスターカードに
1.5ポンドをチャージしておけば、OKです。
(チャージすることを、ロンドンではトップアップと言います。)

でも、これは定期券よりも便利で、
このカードでロンドン市内全部のバスが乗り放題になります!
つまり、ゾーン1へいきたいとき、
TUBEで行くなら1.5ポンドのトップアップが必要なのですが、
バスで行くならトップアップなしでいいのです。
このシステムを知ってからというもの、
わたしは毎日無駄にバスに乗り、ロンドン市内を無駄にうろうろしてます。
何度のりまちがえても、どこまで行っても追加料金がかからないので、
うっかりもののわたしはかなりバスをまちがえています。

このトラベルカード、7日間のものもありますので、
観光で短期滞在の方も使えます。
1日、とか、2日とか、超短期滞在の場合は、
ふつうの「一日乗車券」の方が安いみたいですが、
価格は使うゾーンによって異なるので、
駅のチケットオフィスに確認するとよいでしょう。
とりあえず、初めて地下鉄に乗るときには、
すぐに切符を買わずに、オイスターカードのパンフレットをチェックしてみてくださいね。

3

恋人との電話。

恋人には、ほぼ毎日電話をしている。

恋人は、異国の地でふらふらしているわたしを心配しているし、
わたしは、再び名古屋でひとりぼっちになってしまった恋人を心配している。

心配していた通り、わたしが旅立ってからというもの、
彼は早朝から夜おそくまで働きづめになり、
体重が5キロも減ったらしい。
「40キロくらいになった」
と言っていたので、わたしはキレた。
せっかく体重を増やしたのに!
本人曰く、「夏ばて」なのだそうだが、
わたしはそうは思わない。

夏のあいだ、時差は8時間。
なので、授業が終わるお昼くらいに電話をすると、
ちょうど恋人が帰ってくる時間になる。

話す内容は、とてもくだらない。
「今日もイギリスの天気はこわれてるよ」
とか、
「今日もうんこふんじゃったよ」
とか。
わたしはよくうんこを踏んでしまうので、
それを報告すると、恋人は非常に喜ぶ。
「わー、うんこマンだー」
と、とてもよろこぶ。
こんな恐ろしく低レベルな会話を、海と時間を越えて、
国際電話で話している。

こないだの会話は、ちょっとレベルが上がって音楽についてだった。
その日、授業で音楽の話題を取り上げたからだ。
わたしは恋人に、
「どんな音楽がすきなのですか?」
と、お見合いのごとく堅苦しい質問を投げかけると、彼はこう答えた。

「えーと。尺八。」

初耳です、きみが尺八をすきだなんて。
それは、音楽ではないのでは。
それは、楽器だと思うのですが。

「じゃあ、ジャンルでいえば、どんなかんじの音楽がすきなの。」
と聞くと、
「夏らしい音楽だったら、なんでもすきだよ」
という超アバウトな答えが返ってきた。
さっきの尺八との関連性は、ゼロですね。

「ということは、TUBEとかすきなわけ?」
ときくと、
「そうだね、TUBEすきだよ」
と言う。

そんなのうそだ。
わたしは奴がTUBEをきいたり歌ったりしているのを知らないし、
平井堅とケツメイシとレゲエ全般がすきなのを知っているし、
TUBEは楽曲に尺八を使用していないだろう。

呆れ果てて、わたしは話題を変え、
「今日ね、ノッティングヒルのマーケットにいってくるよ、
 映画の「ノッティングヒルの恋人」のところだよー、
 いいでしょうー。」
と、自慢してみた。

すると、なんと、彼はこう言った。

「すごいじゃん!!
 あの映画に出てるひとたちに会えるんだー!」

そんなわけありません。
あれ、フィクションですから。

富良野にある五郎の家に行っても、五郎さんは住んでないでしょ?
それといっしょだよ??
恋人の夢をこわすのは申し訳なかったが、突拍子もなさすぎるため、
ばっさりと訂正させていただきました。

やれやれ。
天然であることは、いいことだ。
いっしょにいるときはおもしろいからいいけど、
遠く離れていると、あまりの天然ぶりに心配が募る。
わたしはその天然をおもしろがってるからいいけどさー、
ほかのひとにそんなこと言ったら、本気で心配されちゃうよ。

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ハイドパーク

ハイドパークへ行ってきました。

なぜ、最初のセントラルロンドンで、ハイドパークを選んだか。
それは、行こうと思っていたわけではなく、
バスに乗ってたら、そこに着いたから。ただそれだけ。

ハイドパークは恐ろしく広い公園です。
広いうえに、ハイドパークのとなりがさらに公園です。
ハイドパークの横をバスで走ったのですが、
どこまで行っても公園なので、ちょっと怖くなりました。

その日は幸運にもものすごく天気のよい日だったのですが、
日々孤独と闘うわたしは、ひとりで公園に行っても、全然おもしろくない。
たまーに、気持ちを空っぽにするために、
ひとりで公園に行くことはあったけどさ、
そのときは、毎日毎日空っぽだったからさ。
わたしはただひたすらそのへんを激写しまくる、
あやしげな観光客でした。

公園に入るまえ、赤いおぢさんを発見。

ab1302.jpg

おぢさんだけど、足ながっ!
くやしいけど、かっこよいうしろすがた。

公園についたあと、背後から盗撮。

ab1301.jpg

だって、なんかかっこよかったんだもん。
白いシャツの背中に、文字が書いてありました。
でも、何が書いてあったのかは読み取れず。

ab1303.jpg

ハイドパークの門。
すごくかわいい。
そして、ディテールがこっているの。

ab1304.jpg

こういう装飾、とってもすきだ。
公園の入り口のところで、警察っぽいひとが、馬に乗ってた。

ab1305.jpg

広いからねー、徒歩じゃパトロールしきれないんだろう。
なんか、ロイヤルなかんじだ。

緑がいっぱいで、確かに気分はよくなったけれど、
ひとりで公園に行っても、全然おもしろくない。
仕事を持っているときや、常に誰かといっしょにいるときは、
ひとりの時間もひつようだけどさ、
わたし、常にひとりだからさ。
これからはひとりでは公園に行かない。

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スカイプと国際電話。

こっちにきてから、4週間、ずっと願っていたことがやっと叶いました。

スカイプ、やっと使えるようになりましたー。

これが使えるのと使えないのとでは、全然ちがうよ。
だって、ただで電話できるんだぜー、日本と。

いくら、こっちに英語を勉強しにきたとはいえ、
まだ、自由自在に英語を操れるようになったわけではないので、
日本語じゃないとだめなときもある。
そして、こっちにも日本人はいるけど、
完全に心を許したおともだちじゃないと、
話せないこともある。

それに、ひとりで外国に行くなんて、
まちがいなくさびしいですからね。
必要です、スカイプ。

というわけで、スカイプできるひと、お話してください。
でも、時差8時間なんで、事前にお約束した方が確実です。
メール&メッセージお待ちしています。

じゃあ、パソコンがない場合、どうやって国際電話をかけるのさ、
というひとは。

いちばん簡単なのは、クレジットカードコールです。
公衆電話、固定電話、携帯電話から、アクセスポイントに電話をかけ、
クレジットカードのナンバーと暗証番号を入力します。
それが認証されれば、かけたいところの番号を入力するだけ。
通話の状態もとてもいいし、ガイダンスも日本語なので、便利です。
固定電話へは、1分間40円、携帯電話へは、1分70円です。
アクセスポイントの電話番号は、国によって異なるので、
調べてみてくださいね。

つぎに簡単なのが、国際電話カードを購入してかけることです。
イギリス人じゃないひとたちが営む小さな雑貨屋さんに売っています。
大体5ポンドくらいから買えます。
カードの裏に記載されているアクセスポイントに電話をかけ、
同じく裏に記載されている暗証番号を入力し、
相手先の番号を入力します。
カードにもよると思うのですが、わたしが使っているめっさ安いのは、
通話品質全然よくないです。
こっちの声が全然届かなかったりします。
ちなみに、日本にかけられるカードとかけられないカードがあるので、
買うときに、きちんとチェックしてくださいね。

わたしは恋人の携帯電話にしかかけたことがないんですが、
5ポンドのカードで1時間半くらいしゃべれました。
固定電話なら、もっと長く話せると思います。
携帯電話からかけると、何時間でも話せます。
というのは、携帯電話を使った場合は、
アクセスポイントまでの通話料を負担しなくてはならないから。
携帯からかけるときは、あまり安くはないかも。

あと、こないだみつけたのが、VIVA PLUSっていうサービス。
固定電話同士だと、1分9円で話せるし、
携帯から携帯にかけるのも、1分50円くらいで、
クレジットカードコールよりは、若干安い。
恋人からわたしへの連絡用に使っています。

本当は、常にスカイプでいきたいんですけど、
何しろ、時差8時間ですからね。いつでもスカイプってのはむずかしい。
そこで、フレキシブルに使い分けてます。

超長電話したいときは、スカイプ。
わたしがおでかけ中のときは、国際電話カードをつかって携帯から。
国際電話カードがなくなったら、
公衆電話からクレジットカードコール。
恋人がわたしに連絡をとりたいときは、VIVA PLUSでわたしの携帯へ。
ともだちへの電話は、スカイプから携帯へ。

みたいに。

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イタリアンガールズ

ホームステイが始まって1週間ほどたったある日。
ホストファミリーが、
「月曜から、2週間だけイタリアンガールズがくるんだよー、3人。
 でも、心配しないで、あなたの部屋にやってくるわけじゃないから。」
と言い出した。

わたしのホストファミリーは、ちょっとうっかりしている。
それは、けっこうたいへんなことじゃないか。

わたしの部屋は3人も収容するスペースがないし、
「一人部屋」という契約をしているので、
部屋を共有しないってことはわかってるんですけどね。

問題は、この家が、6人も収容できるキャパシティがあるのか、ってこと。
この家は、ダイニングが1つ、寝室が2つ。
わたしが1つの寝室を使って、イタリアンガールズがもう一部屋を使うってことは。
「あなたたち夫婦は、ダイニングで寝るってこと?」ときくと、
「そう、緊急事態だよ。わははははー。」
と笑っていた。
いやいや、笑ってる場合じゃないですぜ。
しかも、2週間だけ、とか言ってるけど、けっこう長いですぜ。

女の子が3人もやってきたらどうなるか。
日本では、「姦しい」ということばだってあるんですよ。
大変なことになるのは想像に難くない。
特に、トイレとバスルームね。
イタリアンガールズ3人+わたし+ホストファミリー2人。
つまりは、6人でトイレとバスルームを共用するってことか。

おいおいおいおい。
大変なことですよ、それは。
実家でだって、そんな大家族な生活していなかったんですけど。
でも、ちょっとおもしろそうだ。

初日の夕飯時、彼女たちとコンタクトを試みた。
いろいろ英語で話しかけてみるが、あんまり英語が通じない。
英語で話しかけても、3人でイタリア語でしゃべっている。
おいー。英語しゃべれや。
まあ、彼女たちはまだこどもなので、仕方がないわよね。

さて。
ある日の午後、わたしはひどい眠気に襲われ、勉強に集中できなかったので、
ちょっとだけお昼寝することにした。
すると、そこへ、イタリアンガールズ帰宅。
「ただいまー」
と叫んでいるのはきこえたが、
起き上がって「お帰りー」と言えるまで覚醒していなかったので、
彼女たちは、家に誰もいないと思っていたらしく、思いっきり大騒ぎし始めた。
イタリア語だから、何言ってるかわからないけど、
じゃぱんーとかいうのはききとれた。
お前ら、何を言ってるんだ。

しばらくして、ガールズのうちのひとりが、いきなりわたしの部屋のドアを開けた。
なんでだーー、なんのためにだーーー。
とりあえず、必死で起き上がると、
ドアのところで硬直しているガールズ。
「ご、ごめんなさい」
と言って、がちゃりとドアをしめた。
わたしは「いや、いいよ」と答えるのが精一杯だった、寝起きだからね。
あいつら、何のために部屋のドアを開けたんだろう。
部屋のドアには鍵もついてないし、貴重品置いとけないな。
でも、勝手にひとの部屋のドアあけるなんて、失礼だわよ!
と思ったけれど、
彼女たちはまだこどもなので、がまんするしかないね。

直後にシャワー大会とドライヤー大会。
ガールズたちはみな髪が長いのでね、
シャワーもドライヤーも時間がかかるわけ。

その後、シャワーを使おうとバスルームに行くと、
髪の毛が落ちたままだったりして、なんか、きたない。
うげー、と思ったけれど、
彼女たちはまだこどもだから、がまんするしかないのよね。

「2週間だけよー」
と言っていたけど、けっこう大変なんじゃないか?
不安は募る。

そんな折、イタリアンガールズたちがわたしの部屋のドアをノックした。
「スパゲティ作ろうと思うんだけど、食べる?」というのだ。
まじか。本場のスパゲティ食べさせてくれるのか。
うちのホストファミリーは、夫婦共働きなので、帰宅がいつも遅い。
つまり、夕食もすごく遅い。8時とか、9時とかになる。
わたしは特に気にならないのだけれど、
イタリアンガールズたちは、はらぺこになったらしく、
自分たちで作っちゃおう、と思ったわけだ。
「じゃあ、いっしょにつくりましょう」
ということで、いっしょにキッチンへ行った。

作りましょう、といっても、イタリアンガールズたちがせっせと働き、
わたしは、ただ見てるだけ。大人なのに。
その間、いろいろと話をした。
イタリアンガールズは、やっぱり毎日スパゲティ食べるんだって!
毎日だって!

さて。しばらくして、スパゲティはできた。
「これ、うさぎのね。」
と言って、手渡してくれた。

うまい。異常にうまい。
わたしがいままでに食べたスパゲティのなかで、
いちばん美味かった。びっくりした。
さすが、本場はちがうわー。
イタリア行きたくなっちゃったよ。どうしてくれる。

ソースはふつうにスーパーで売っているものを使ったので、
彼女たちの持ってきたパスタそのものと、
ゆで具合が絶妙だったのでしょう。
あー、びっくりした。

今までの「仕方ないな」って思ってたことや、
その後の後片付けを一切していなかったことも、
全部ゆるしちゃうよ。
だって、スパゲティがものすごくおいしかったから。

0

天気について。

みなさん、知ってました?
ロンドンって、北海道よりも北に位置しているんですよ。
わたしは、知りませんでした。

つまり、夏でも寒いんです。

まあ、暑い、寒い、だけでなく、ロンドンの天気は概して異常です。
異常気象としかいいようがありません。

ロンドンは、たいてい毎日雨が降ります。
本当に毎日です。
雨の降らない日は、ほとんどないといっても過言ではありません。

朝、ぴっかぴかに晴れていたとします。
でも、午後は、激しく雷が連発したり、豪雨に見舞われることもあります。
でも、あっという間に、いきなり晴れたりします。
ありえません。わかりません。
「女心と秋の空」なんて言ってる場合じゃありません。
だから、日々、かさは必携です。
大雨でずぶぬれになる可能性がありますからね。
折りたたみ傘をかばんにしのばせておきましょう。

そして、温度調節ができるよう、洋服も考えなくてはなりません。
たとえ日中天気がよくても、夜はものすごく寒くなります。
だから、上着を着ていきます。
でも、お昼はすごく暑くなります。
だから、日中は半そでTシャツで歩くことになります。
そうかと思えば、次の日は、ものすごく冷え込みます。
イギリス人は、7月でもセーター着てたり、コート着てたりします。
そうかと思えば、すごく寒いのに半そでTシャツで闊歩してるひともいます。
統一性、ゼロです。

わたしは、名古屋で暮らしていたころ、
毎日毎日うだるような暑さにさらされ、
「家に着いたら、まずエアコン!」的な生活をしていたので、
Tシャツばかりを持ってきてしまったのですが、大きなまちがいでしたー。
毎日毎日寒くて仕方がなくて、速攻で風邪を引きました。
一生懸命上着を探したけれど、わたし、ちっちゃいから、
イギリスでぴったりのサイズみつけるのは一苦労でした。

ロンドンでは、夏でもTシャツ1枚で外出するのが危険です。
必ず、コートやカーディガンをたくさん用意してきてくださいね。

結局、H&Mで、厚手のパーカーを買い、毎日着ています。
家でも、もちろん寒くてしかたがないので、
ふかふかのローブを買ってきて、それにくるまっています。

準備不足のために、無駄な出費は多かった。
でも、ロンドンはショッピングの誘惑が多いところなので、
それはそれでたのしいです。
わたしがこちらで買ったものも、
少しづつこちらにアップしていきますねー。
もし、こっちにしか手に入らないもので、
買っておいてほしいものがあればおしえてください、
日本に持って帰るからね。
Dormyちゃんのリクエスト、名前なんだったっけ。
もう一度おしえてちょうだい。

そして。
ロンドンの夏は、日が長いです。
今は、日が沈むのが、大体夜の9時すぎくらいです。
これは、わたしのロンドンのすきなところのひとつです。
ずーっとあそんでいても、ずーっと明るいのです。
なんだかとっても得した気分になります。
今後もどんどん日が長くなっていき、
わたしのおともだちの話によると、
12時くらいになってもまだ明るい、というかんじになるようです。

ただ、恐ろしいのは冬です。
冬は5時くらいには、とっぷりと日が暮れてしまうらしい。
…17時…。
こどもが、まだ遊びたい時間です。
冬はちょっときびしいわね。

そんなわけで、
こういう天気や四季の変化も、日本とはまるでちがいます。
学校では、世界各国からやってきた留学生たちと話せるので、
天気のことを話すだけでもいろいろ興味深いです。

たとえば。
こないだ話したコロンビアの男の子は、
「コロンビアには四季がないんだよねー、
 ずーっと暑いんだよ。
 日本て、四季があるんでしょ?いいよねー」
と言っていたので、
季節の移り変わりがあることを当然と思っていたわたしは、
軽くカルチャーショックを受けました。
「日本には、四季があって美しい」
って言われてたけど、世界には、
ずーーっと気候が変わらず、一定の国もあるんだね。
とってもふしぎ。

日本の天気はほどよく安定していて、四季がある。
ただ、それだけのことも、
グローバルな視点から見てみれば、スペシャルなことなんですよ。
日本はいい国だなー、と改めて思いました。

0

学校1週間目。

昨日に引き続き、学校の内容について。

学校の名前は、The Burlington Schoolといいます。
ロンドンの南西、Distict LineのParson's Greenという駅のちかくにあります。
ロンドン中心部とちがって、閑静で治安がよいところです。
逆にいえば、何もないってことなんですが。
駅からも歩いて5分くらいしかかからないし、
すぐ近くにバス停があるので、そこからどこにでも行けるし、
となりの駅は、まあまあ大きく、マーケットもあるので、
それほど不便ではないかな。

わたしは1週間に20時間、つまり、1日4時間授業を受けることになっています。

授業は、初めに8時45分から、11時30分くらいまで、文法を中心に習います。
たいていの生徒は、45分には集まりませんので、45分ぴったりには始まりません。
先生も、すこしおくれてきます。
終わる時間は、はっきり決まってません。その日の先生の気分で決まる。
しかも、その間に20分くらい休憩をとります。

文法の授業が終わったら、今度は、11時45分から会話の授業。
基本的に野放し状態です。
単純なゲームなどを使って、とにかくクラスメイトたちと話します。
これは休憩なしで、12時45分まで。

文法と会話の先生は異なります。
クラスメイトも、それぞれ若干異なります。

…わたし、1日3.5時間くらいしか授業受けてないので、
週に20時間も授業受けられてませんね。おかしいですね。

まあ、わたしの場合は、自分で稼いだお金で、
英語を勉強するためだけにこの学校に来てるので、
やや不満に思うんでしょうけれど、
遊びたいさかりの若者たちには、
授業時間は少なければ少ないほどいいやー、やっほぅ、
っていうかんじなんでしょうか。

今は学生たちが集まってくるピーク。
本業は学生さん、といったひとたちが、夏休みを利用して短期的に入学してくるので、
学校は若者であふれています。どこを見ても、若者たちばっかりです。
元気です。はしゃいでます。うらやましいです、そのエネルギー。
テンション&ジェネレーションギャップ!についていけない。

なので、授業中も、その勢いについていけず、圧倒されるばかり。
ただでさえ、外国人に慣れていないのに、ますます話しかけられない。
たぶん、先生やほかのクラスメイトたちにしてみれば、
わたしは
「何考えてるのかさっぱりわからない、地味な東洋人」
みたいに思われているんでしょうねー。

授業料が安い割りに、先生の質は、よいと思います。
わたしが習っている先生は、ふたりとも、話し方や、説明がわかりやすいです。
欲を言えば、もっとフレンドリーな方がいいんだけど、
価格とのバランスを考えると、なかなかよいと思います。
授業の内容については、不満はないですね、今のところ。

あとは、日本人の割合が少ないと思います。
わたしのクラスは文法、会話、どちらも15人くらいですが、
このピーク期でも、日本人はわたしを含め、どちらも2人。
そして、生徒どうしで会話をするときも、
同じ日本人同士にならないよう気を使ってくれます。
わたしとしては、あまり多すぎても困るけど、
全然いなかったらそれはそれでさびしいので、ちょうどいいと感じています。
やっぱり、初めのうちは日本人に助けてもらうことが多いからね。

1週間目は、様子を見るために、おとなしめだったけど、
2週目からは、ちゃんと、予習と復習をして、
万全の体制で授業にのぞんでいます。
でも、若いころとちがって、記憶力が著しく低下しているのが恐ろしい。
とにかく、まちがいを恐れずに発言しなくてはなりません。
積極的になることが、上達への近道だからね。
がんばらなくては。

3

入学試験

月曜は、いよいよ語学学校の入校日です。

まず初めにそれぞれのレベルを見極めるためにテストを受けます。
最初にペーパーテストで、文法の理解度をチェックします。
大学受験のときに勉強していたような内容ばかりで、
なつかしい気持ちになりました。センター試験みたいな。
あのころのわたしは無敵だったのに、
今となっては、もうほとんど忘れかけていますね。
あー、もったいない。

ペーパーテストは、20分ほどで終了。
その後面接をして、それぞれの会話力をチェックする。
数人ずつ別室に呼ばれ、そのほかは、みな、
その場で待っているように指示されたのだが、
わたしは待つのがきらいなので、すぐに退屈する。
すぐ目の前にいたアジア系のおんなのこが、
なんとなく、わたしのことを見ているような気がしたのだが、
何しろここは日本じゃないから、
話しかけても言葉が通じるかどうかがわからないでしょう。
わたしは彼女が持っていたかばんについていたタグを盗み見た。
タグの表示が日本語になっている。
「日本語、通じるかもしれない」と思い、
思い切って「日本からきたんですか?」と話しかけてみた。
もちろん英語で。
だって、日本人じゃなかったら、会話、終わっちゃうじゃないか。
すると、彼女は日本人じゃなかった。
彼女は台湾から来ていた。
でも、ラッキーなことに、日本に4年間も留学していたので、
日本語がぺらぺら。しかも大阪弁!すごいぞ。

2人で、英語と日本語を交えながら話していたら、
いつの間にか周囲のひとたちがいなくなっていた。
うおー、どういうことなんだ。
話に夢中になっていたために、周りを見ていなかったぞ。
困った。初日から、早速迷子だ。しかも、学校内で。

とりあえず、さっきまでいっしょにいた先生らしきひとを発見したので、
どうなっているのかきいてみる。が、
「あらー、みんな4番教室へ案内したのよー」
という。
4番教室へ行くと、別のひとたちのために、
再びペーパーテストが行われようとしていた。
そこにいた先生は、
「きみたちは、オフィスへ行きなさい」と言う。どうなってんだ。
仕方なくオフィスへ行くと、
「あんたたち、何がしたいの?何言ってんのかわかんない。」
と金髪の女に怒られる。
わたしたちはキレた。
「テスト受けて待ってろって言われたから待ってたらみんないなくなって、
 4番教室行けって言われたから行ったら、こっちに来いって言われたんだよ」
と言うと、その女は、
「だって、あんたたちペーパーテスト受けたっていうけど、
 テスト持ってないじゃないの。ほんとにテスト受けたのか。」
と言う。
「終わったあとに、その場にいた女性に提出したから持ってないよ」と言うと、
「あんたたちがなくしたんでしょ、あんたたちのミスだよ。」
という金髪の女。最悪。しかも、めちゃくちゃ背が高い。極悪。
埒があかないので、別の男のひとが対応してくれることになり、
テストを返してくれ、もう一度4番教室に行くように言われる。
もう一度4番教室に行き、いきさつを話すと、さっきの男が、
「わかりました、インタビューテストをしましょう」
と言い、やっと二度目のテストを受けることになった。

なんなんだ、この学校は。

仲間がいたから、ふたりで乗り越えられたものの、
ひとりだったら、最初から泣きが入ってたな。
っていうか、この学校、語学学校でしょ?
わたしたち、どうにか英語しゃべれたからよかったものの、
全然しゃべれなかったら、どうにもならないでしょう。
生徒をサポートする気ゼロな学校の態度に、ものすごく腹がたちました。
どうなってんの、この学校。

結局、わたしのレベルは、7段階のうちのレベル5、
中級のなかの上級、即ち、上級一歩手前ってなところに決定。
いっしょにいたおんなのことはレベルがちがっていたので、
クラスメイトになれず、残念。
でも、彼女にはまめに連絡を取ることにしよう。

結局、迷子になったせいで、その日は授業を受けられなかった。
どうしてくれる。
先行き不安ですけれど、しかたがないですね、こういう国だから。
ほんと、彼らの辞書には「責任」っていうことばがないんですわ。

3

最初の日曜日。

到着したその日は、やっぱり疲れていたようで、
気がついたら、熟睡してしまっていて、
まともにホストファミリーとお話できなかったのですが、
翌日、だんなさんが、学校までの道のりを、
とってもくわしく案内してくれました。
せっかくのおやすみなのに!
貴重な時間を割いていただいて、ありがとうございます。
なんていいひとたちなんだろう。すばらしすぎる。

ステイ先は、ウィンブルドンのテニスコートまで歩いて10分くらい、
District Lineという路線のSouth Fieldsという駅の近くです。

070802.jpg

ここで、ブリティッシュ講座です。
アメリカでは、地下鉄のことをSUBWAYと言いますが、
ロンドンでは、地下鉄のことをTUBEまたは、UNDERGROUNDといいます。
地上も走ってるけどね。

話は戻りまして。
学校は、そのSouth Fieldsと、サッカーで有名になったフルハム
(ロンドンでは、フラム、と発音します。)
との間、Parson's Greenという駅の近くにあります。
高級住宅街なので、治安はよく、
ロンドンの中心部までは、TUBEで大体30分くらいと便利なところです。

昼下がりのリビングや、学校までの道すがら、いろいろな話をする。
だんなさんは、職業柄、いろんな生徒たちの実情を知っています。
生徒たちの生活ぶりなどなど、いろいろなことを聞きました。
さすが、英語学校の先生だけあって、
わたしの話をとりこぼさずにきいてくれる。
そして、彼の英語は非常に聞きやすいので、
言っていることをほぼ理解できる。
非常にコミュニケーションがとりやすい!

でも、今の段階では、かなり集中しないと英語を聞き取ることができず、
疲れたりして、うわの空になると、
すーぐわけがわからなくなるので、油断は禁物なり。

帰ってきてから、日本で撮った写真を見せてあげる。
でも、まともな写真がなく、失敗しました。
彼らは、日本に来たことがないので、
もうちょっとスタンダードな写真が見たかったろうに、
わたしが見せてあげられたのは、変な写真ばかり。
京都などに旅行に行ったときの写真まではよかったのですが、
恋人については、奇妙奇天烈なものしか撮っていなかったので、
まともに紹介できず、困った。
たとえば。
お寺を食べている写真とか、
変なポーズで寝ているところとか、
鼻からぴょろりと出ていたながーい鼻毛とか。
まともなものが全然ありませんでした。
だめね。
もし、今後海外に飛ぶ機会があれば、
デジカメに入っている写真は、格好の話の種になります。
ぜひぜひ、すてきな写真をもっていってくださいね。
さもなければ、わたしのように恥ずかしい思いをすることになりますよ。

そして、カメラの写真のほかに準備しておくことがあります。
それは、「日本で何をしていたの?」ということと、
「ロンドンで何をしたいの?」ということです。
わたしはこれを英語で準備していなかったので、
聞かれたときに即答できず、困惑しました。

日本で、わたしは何をしていたのか、ということについて。
わたしはひとつの仕事をずっと続けていたわけではないので、
自分のしてきたことを、自信を持って語ることができず、
とても悲しかった。
もちろん、ロンドンに来た目的も、うまく答えをまとめられない。
いろいろ考えていたはずなのに、
英語で話すとなると、どう伝えればいいのかわからない。
だから、
「まだ、特にここですること、決めてないの。」
と答えてしまった。
そしたら、本当にしたいことが何もないような気がしてきてしまった。

自分の考え、いつも持っていたはずなのに、
年齢を重ねるにつれて、いろんな言い訳が増えてきて、
きちんとまとめるのがむずかしくなっているような気がします。
でも、何かを始めるときには、いつも理由は必要だよね。
いつでも、だれにでも、
自信を持って、自分の考えを述べられるようにしておかなくては。

初日は、ひどい醜態をさらしてしまったが、
今後はいつも、きちんと、自分の考えを整理しておくことにしよう。
自分の考えていることが自分の手に負えない、なんて、
こんなにナンセンスなこともないですね。

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