履歴書を書く。
あこがれの職種の求人のお知らせを発見したので、応募してみることにした。
早速履歴書と原稿用紙を買い込み、課題の作文に取り掛かった。
400字詰原稿用紙1枚という、超シンプルな作文ではあるのだが、
これにわたしの今後の人生がかかっていると思うと、
慎重にならざるを得ない。
学生時代はレポート用紙何十枚もの論文を書いていたこのわたしが、
「400字の作文」を書くのに約2時間を要した。
夜は我が家に会社の同僚を呼び、
チーズフォンデュパーティーを開いた。
節約して、あまりチーズの質はよくなかったが、
彼女らには「おいしいおいしい」と大好評だった。
そこには、恋人も参加していて、
久しぶりに別の女性と話している彼を客観的に見た。
そういえば、このひとは自分の所有物ではないんだよなー、
と、思い、とても新鮮な気持ちになった。
そのことを話すと、恋人は、
「ふつうはそういうとき、やきもちをやくものではないの?
あなたはかわっているね」
と言った。
彼はなんにもわかっていない。
チーズフォンデュを解散したのは、1時半。
そこから履歴書との格闘が始まった。
一枚目は即失敗し、二枚目は最後の一行で漢字をまちがえた。
三枚目は、自宅の電話番号を書くべきところを、
会社の電話番号を書いてしまった。
履歴書は3枚しか入っていなかった。究極の選択だ。
結局は漢字をまちがえたものを同封するしかなかった。
とにかく、応募しないよりはした方が後悔はない。
深夜3時半。郵便局で速達をお願いし、長い一日は終わった。
ここのところ、わたしはとてもよい波動に包まれている。
それを履歴書を通じて伝えることができればよいなあ、と思う。
応募した、ということでわくわくできたので、
書類選考を通過してもしなくても、
応募したことそのものに意義があったのだと思う。
あまり期待せず、日々を地道に生活していきたいと思う。